■旅日誌
[2015/9] 五羊城之旅、広州
(記:2015/11/1 改:2021/6/28)
(記:2015/11/1 改:2021/6/28)
1日目
理由は違っても、毎年毎年仕事の都合で夏休みが取れず、今年もまた諦めていたところに急遽スケジュールを組んで、シルバーウィークに休暇を寄せて1週間ぶち抜きで休むことにした。ここのところ立て続けにA380に乗ってやろうという理由で海外まで遠征してしまったが、今回もまた懲りずにA380を目的に旅立つことに…。そろそろネタ詰まり感があったが、意外と近くで見逃してたのが中国南方航空、今回は比較的スケジュールが組みやすかった北京-広州に狙いを定めてみた。この路線は大都市間を結ぶ主要幹線とあって本数も多く、今回はA380が就航するCZ3104便を予約、まずは北京に向かうところから始める。(余談:別のところでA380に乗ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。KE・SQ・TG・EK・OZ・EY・QR・MH)
中国には仕事でもプライベートでも何回か渡航しているが、北京は随分と久しぶりの感があった。そして、今回初物となるのが中国南方航空で、成田から北京まではJAL便のコードシェア扱いでチケットを購入、密かにB787を期待したのだが、残念ながらスケジュール上アサインされたのはB737だった。そんなわけで2タミからの出発も久しぶり、座席の事前指定ができなかったので覚悟はしていたが、案の定、3列席の真ん中を前から順に詰めて座らされた雰囲気…。カウンターで搭乗券を発券してもらい、最後になぜかJALのマイレージを持ってるか?との問いかけがあり、どうせCZなのでダメでしょ♪と番号を差し出すと、やっぱりはじかれてしまった。バツの悪いやり取りをして、出国手続きへ向かう。
JL863便はほぼ定刻で出発、小さい機材なので空席はほとんど見当たらない。インバウンド客も期待できるのに、もったいない気もするけど、どうなのJALさん?北京までのフライトはおよそ4時間といったところで、ここのところの場違いな贅沢に慣れきってしまった体には窮屈この上ない。(苦笑)狭い座席があることも覚えておかないとLCCに乗れなくなっちゃうかも…などとナメた根性を叩き直すにはちょうどよかったか。日系エアラインのわりに大して面白いプログラムもなく、見たくもない番組を見てダラダラと時間を潰す。救いだったのは食事も可もなく不可もなくといったところだろうか。心構えがよかったか、特に大きな遅れもなく無事に北京首都空港のT3に到着、入国手続きも比較的スムーズで適当に両替してからエアポートエクスプレスに乗り継ぐ。
そのまま終点の東直門まで移動。明日のことも考慮し隣駅で宿を予約しておいたところ、地鉄の駅を降りた目の前にホテルがあった。決して安くはなかったが、他の5つ★に比べればコスパ的は十分満足、香港系のせいかフロントの応対の柔らかくホッとする。中国にしてはここまでスムーズなのは意外だった。そんなわけで、まだまだ日も高かったので、少し外へ出てみよう。地鉄でちょっと移動し、行き交う車やトロリーバスなどを眺めながら街歩き気分で歩いていく。そういえばこんな雰囲気だったなぁ~と思いながら、適当に歩いてるうちに景山公園へやって来た。ここも一回来たことがあり、展望台から望む北京故宮の眺めは定番中の定番。もう間もなく夕方ということもあって、人は数もまばらでとても静かだ。その後も街歩きを続け、王府井へ向かい、少しだけ王府井小吃街に入ってみたりして雑踏の中、観光気分を味わう。怪げな屋台を冷かしてるうちに小腹がすいてきたので、地元の人の流れに沿ってちょっと早めの夕食をとることにした。
2日目
北京で一泊したが、外は曇ってるというか、霞んでいるというか、スモッグというか、雲の中にぼんやり浮かぶ太陽を見てしまうと、やっぱりここでの生活は考えたくない。さて、結論から言うというと今日がこの旅のメインイベント、目的は中国南方航空のA380に乗ること。前述通り懲りずに色んな会社のA380を乗り比べてきたが、今回は国内線でA380に乗ることになった。(とっても中国ですから…)予約したCZ3104便は、15時半に北京を発って、19時頃に広州に到着する。まぁ、スケジュールに組み入れるには利用しやすい時間だ。そんなわけで出発まで時間があったので、午前中に天安門広場から北京故宮博物院(紫禁城)を見学することにした。
昨日はお隣の景山公園から眺めただけだったが、今日は北京故宮の中に入って歩いてみよう。天安門東駅を降りて、地上に上がったところですぐさまセキュリティチェックがある。ご時世柄とでもいうか、中国では当たり前の光景。天安門広場に向かうと、いわゆるお上りさん風の団体さんがあちこちにいらっしゃる。さぁ、あまりのんびりしてると時間がなくなるので先を急ごう。地下道を通って大通りの向こうにわたり、毛沢東の写真をみて天安門の先へ進む。端門を通ってチケット購入の列に並び、しばらくここは我慢。待ってる途中もチラシを配る人、自撮棒を売る人、まぁ、いろんな人がいるもんだ。最近、IDの提示と入場者数の制限が実施されたというのも、多客期の大混雑のための対策らしい。無事チケットを入手、午門から中に入り、太和門を目指す。そのまま真っすぐ進み、太和門を抜けると太和殿前の大きな広場へと出る。ここはあらためて、大陸スケールを実感するところ。そして宝和殿をみて、その先の内廷を歩いてまわる。最後に乾清宮から御花園へ向かい、庭園エリアでひと息入れて、北の神武門から故宮を後にする。
お昼にチェックアウトし、その後北京首都空港まで移動、国内線はT2からの搭乗となる。この間の金浦空港に続き、なぜか今回もTRAINEEのお姉さんに当たってしまったが、ぎこちないやり取りをして手続きを済ませる。さっさとラウンジへ行ってランチにするか…。いかにもといった中華圏の富裕層ワールド(?)を垣間見てきたところまではよかったが、搭乗口に向かうと何と悪天候で出発見合わせとの告知が…。スタンバってる搭乗機を目の前に、結局、その場で1時間待ってようやく乗り込んだものの、出発のメドが立ったわけではないとか、、、不安は増すばかり。ちなみに予約したのはファーストクラス!と言っても、CZのA380はビジネスクラスのことをファーストクラスと呼ぶのでサギに近いが、とはいっても座席はもちろん最上級、国際線並みのサービスが提供され、食事なんかも結構本格的らしい、、、というあたりまでは下調べ済み。元々、北京首都空港は平気で1時間くらい遅れるのが常態化してたので少しは覚悟していたが、一向に動く気配はない。飛び立つ前に機内サービスが始まったのも初めての体験だけど、う~ん、困ったぞ。
「◎%!”△♪¥●&×#$?」予想通りまわってCAさんは何言ってるか、さっぱり分からなかった。まぁ、よくあることなので「Sorry,Do you have beer?」と切り返すとすかさず「Oh,Yes we have!」と笑顔で応えてくれる。とりあえずこれでビール、ビール!ちなみにここもナッツはお皿で出てきたが、あの方は今どうされてるのだろうか?その後も「先にディナーにしゃちゃましょうか?」とか、外を見ながら「こっちも雨降って来ましたね」なんて調子で、待たされても嫌な感じはしない。上級クラスだったせいか、単にCAさんが当たりだったのか分からないが、フレンドリー振る舞いは自然でとても好印象。選択したヌードルメニューも思ったよりいける。一昔前だったら中国の国内線に乗るなんて、まるで冒険するかのような言われ方だったが、A380やB787など最新の機種を積極的に導入するなどChina Southernさん、意外といいんでないかい?ここまで合格点だよ!と、そんなこんなで乗り込んでからさらに2時間が経ち、ようやくプッシュバック。よかった、これで広州に行けそうだ。
離陸後、3時間近く飛んでいたが、高いだけあってフライト中もまったく苦にならなかった。遅れの原因は悪天候とのことだったが、まったくそんな気配は感じない。徐々に高度を下げ、広州市内上空で中信ビルを見ながら右旋回し、最終アプローチに入る。結局、定刻から3時間遅れで広州白雲空港へ到着。A380・Cクラス乗り比べも数えること6社目になったが、これまでとは違う意味で印象に残るフライトとなった。さてはあのTRAINEEのお姉さん、Priorityタグを付け忘れたな、、、荷物が出てくるまで随分待たされ、どうにかこうにかメトロに乗り継ぎ日付が変わる前にホテルに到着。ふ~う、意外と疲れたかなぁ。
3日目
目的を果たしたので、あとはどうでもいいちゃいいけど、まぁ折角のお休み、広州の街歩きをすることに。広州と言えば、北京、上海に次ぐ続く中国第三の都市で、他の地方都市と比べても抜きん出てる印象が強い。と言っても何か知識がある訳でもなく、街歩きするにも何も考えてなかったので、地鉄とバスと徒歩でほっつき歩くだけになりそうだけど、、、結構いい加減に「広州 見どころ」とキーワード検索して上から5つ…みたいなノリで、まずは広州のランドマークである白雲山へ向かう。
昨日は深夜だったのでよく分からなかったが、広州東駅に隣接したバスターミナルで何となく適当な路線バスを探す。近場の路線バスは一律2元なので、多少間違ってもさほど問題ではない。しばらくして、白云山(白雲山)索道というバス停で下車、云台花园(雲台花園)の前を通り、ロープウェイ乗り場を探す。ちなみに索道というのはロープウェイのことで、なぜか上りと下りで運賃が違うらしい。山頂までは歩いて行けないこともないようだったが、時間が読めないのと暑さで体力が持たないような気がしたので、素直にこいつに乗ることにした。
8人乗りのゴンドラで10分くらいかかっただろうか、遠くの景色を眺めながら山頂に到着。休日は多くの人で賑わうといっても、今日は平日、ふ~ん、といった感じ。展望台に行って広州市内の様子を眺めたり、近くをウロウロしながらしばらく歩き回ってみたが、下りもそのままロープウェイで降りてきた。一番近くのバス停で様子を探ってみたが、どこを通るのかいまひとつピンとこないため、元きたバス停まで戻ることにした。路線案内を見てて、たまたま目についた广州火车站(広州火車駅)行きの路線バスで再び移動、着いた先の広州駅は今朝いた広州東駅とは違い、いかにも中国のターミナル駅!といった感じの立派な駅だった。その駅前では、行き交う人々、道端の物売り、プラカードを持って長距離バスの売り込みをしてる人、長距離列車の切符を求める列、保安(警察)の姿もあって、とてもごちゃごちゃしている。きっと、春節とかごった返すんだろうなぁ~。
地鉄で2駅移動し、続いて中山紀念堂へ向かう。ここは辛亥革命の指導者であった孫文ゆかりの場として知られ、建物の前には大きな銅像が建っている。中に入ると建設時の写真などが展示されており、講堂にも入ることができる。しばし中国の近代史を感じたとったところで、街歩きを再開する。トロリーバスが走る大通りから裏通りに入り、ちょっと怪しい雰囲気が漂ってきたところで六榕寺に到着。ここは数ある広州の古刹のひとつで、敷地の中に入ると熱心に参拝する人の姿があった。寺の中央にある千仏塔(花塔)には入ることができなかったが、日陰でひと息つくにはちょうどいい場所だった。
さあ、今度は少し趣向を変えて、これも広州のランドマークのひとつ広州塔へ足を延ばしてみる。チケットがかなり高額なので遠くから眺めておくだけにしようとも思ったが、時間もあったし折角なので展望台へ上ってみることにした。珠江デルタの一角、広州の街並みを眼下にしばらく眺めておく。少し気になってたAPM線から再び地鉄に乗り継ぎ、最後に上下九路の繁華街をぶらぶらしてみた。東京で言ったら、新宿や銀座みたいなところとでもいうか、歩行者専用道路の両脇には多くのお店が出ている。まぁ、別に買い物することが目的でもなかったので、ただきょろきょろと歩いていただけだったが、う~ん、今日も疲れただけだったかも。(苦笑)
4日目
今日は気分を変えて恒例の"遠征日"、1日使って乗り鉄気分で香港を往復することにしている。広州と香港の間は列車で2時間ほど、「国境越え」の城際直通車(広九直通車)に乗ってみようと思う。実は深圳との間は広深線(CRH)が頻繁に出ていて、羅湖で香港のMTRに乗り継ぐのが一般的なようだが、あえて本数の少ない直通列車を選択してみた。どうせなので、往復別々のタイプの列車を予約、行きは香港のKtt(九廣通)で帰りは中国の客車、Kttの方を「当たり」と呼ぶ人もいるとかで、折角なのでプレミアムクラスに乗ってみた。
広州東駅は鉄道の要衝で、毎度のセキュリティチェックを受けてから駅の中に入っていく。2階から3階に上がり、直通列車の乗り場前で改札が始まるのを待つ。出札時間になり人の流れに沿って進み出国手続きをとる…というのが、ちょっと普段と違うところ、あらためて案内が始まるまで中の待合室で待つことになった。免税店があったりして飛行機に乗るのとそう変わらない。やがて出発時間が近づきゲートオープン、長い通路を抜けて指定された車両に向かう。あまり時間がなかったのと、ウロウロできる雰囲気ではなかったので、写真を撮る間もなくダブルデッカーの2階席に乗り込んだ。
プレミアムクラスは日本でいうグリーン車みたいな感じでアテンダントも乗車していた。座席もゆったりしていて上級クラスとしては文句なし、列車は定刻で出発。すぐに香港入国のためのアライバルカードが配られ、続いてミネラルウォーターとお菓子のサービスがあった。街中を抜けるとやがて郊外の景色になり、車窓は中国南部のやや色彩の欠けた眺めが続く。時折、大きな工場のようなものが目に付くが、正直言って建物のほとんどはみすぼらしく見えてしまう。並走するCRHの方は本数が多いのでちょくちょく目にするのだが、貨物列車や緑色と朱色の客車を連結した長距離列車ともたまにすれ違う。そんな異国の地を旅している気分に浸ってるうちに、ここまでとは不釣り合いな高層ビル群が見えてきた。どうやら深圳までやって来たようだ。
列車は徐行して国境を越える。車窓の雰囲気もすっかり変わってしまい、香港に入ったあとMTRの線路を進むのでペースはぐっと落ちてしまった。ノロノロ運転のまま列車は終着の紅磡(ホンハム)に到着、大きく遅れることもなく無事に入国手続きを済ませることができた。ところで、今日は日帰りなので香港滞在は3、4時間くらいだったが(いちいちイミグレを通るので、さらに時間がかかる)こちらも一度見てみたかった軽鉄まで足を延ばすことにしている。その軽鉄が走ってる香港北西部まではMTRで30~40分と結構な距離があり、早速、紅磡でMTR西鉄線に乗り換え、とりあえず終点の屯門へ向かう。香港島のトラムには何回か乗ったことがあったが、乗り物好きとしてはぜひこちらもチェックしておきたい。
香港MTRの軽鉄は、複雑な路線を1、2両の列車が行き来するLRTで、そのかわいい姿はなかなかいい雰囲気だった。しばらく何本かやり過ごし、わずかでもいいので時間が許す限り乗ってみようと思う。適当にやってきた電車に乗り込みとりあえず兆康へ、ところどころで複雑に交差する線路は日本では見ることができない。運転台は片側にしかなく、ループして方向を変えなければならないので余計複雑に思えるのかもしれない。見てるだけでも時間が経つのを忘れてしまいそうだったので、再度、別の路線で屯門へ向かう。ちょっと物足りなさはあったが、MTRで紅磡へ戻ることにする。先ほどは気が付かなかったが、西鉄線に乗ってる途中、遠くに深圳の高層ビルの姿が見えた。
そうそう時間の余裕もないので、何かするでもなく紅磡でもすぐに出札が始まるのを待つことにした。列を見まわすと、いわゆる東洋人っぽくない人も目立ち、行きに比べ荷物をいっぱい持って越境する人の数も多いようだった。時間になり出国手続きを済ませ先へ進むと、手狭な待合室はすぐに人であふれ返ってしまった。気のせいか免税店の雰囲気が広州側とちょっと違うだろうか。出発時刻になりどっと人が動き出し、やはり写真など撮る余裕もなく、すぐに列車に乗り込んだ。指定された席にはすでに人が座っていたが、窓側と替われと言われそのまま隣の席に座った。帰りは中国の客車だったが余裕をもって(?)一等車に、、、それにも関わらずも車内はまさに中国というって感じでとても賑やか、それと微妙な食べ物の匂いが漂い、これが長距離列車とかだったらもっと凄いことになってのだろうか。広州東駅到着は少し遅れたものの、無事に戻ってくることができた。
5日目
さて、そろそろ帰りのことを…ということで、今日はもう一度移動する。昨日と被るが、広州東から今度は広深鉄路(広深線)で深圳まで、列車移動することにしていた。チェックアウトはお昼にするとして、午前中のうちにもう1ヶ所追加、広州博物館に行ってみようと思う。まずは地鉄で越秀公園に向かい、緑に囲まれた公園の中へと入っていく。広州博物館はそもそも鎮海楼という楼閣で、そのつくりから五層楼とも呼ばれる。建物自体に歴史的な価値があり、五嶺以南第一楼とたたえられるという。中の展示物はそれほど多くないものの、下の階から順に見学し、最後に上った最上階からは今日の広州の眺めを垣間見ることができる。そして最後に古いトロリーバスを見て、博物館を後にした。中国で大きな公園というと大抵は賑やかな集団があちこちにいるもんだが、ここ越秀公園も例外ではなく、運動する人、踊る人、演奏する人、とまぁ、自由な時間を楽しんでる雰囲気だった。戻る途中で駅に立ち寄り、和諧号(CRH)の切符を購入、チェックアウトする前に部屋に戻って汗を流しておくか。
短かったような、長かったようなこれで広州滞在を切り上げる。広州東駅もこれで最後、セキュリティチェックを抜けて昨日とは別方角の改札口へと向かう。ダフ屋防止のため、切符購入時にはIDカードがパスポートの提示が義務付けられており、改札の手前でもういちどチェックを受けることになった。こちらの待合室にも列車待ちの人は大勢いたが、列車は頻繁に出ているためか、それなりに人の流れがあるように見える。一部の列車を除き、始発は広州東駅で終点の深圳には1時間ちょいでへ到着してしまう。やがて予約した列車の出札が始まると、どっと人の移動し出した。
今日は先頭まで行って写真を撮る余裕があった。そんなに金額に差がないので今回も一等車、指定された車両に乗り込み座席に向かうと、なぜか4人掛けのボックス席には2つしか座席番号が振られていない。広深線の和諧号に使われるCRH1には以前も乗ったことがあったので、何となく雰囲気を覚えていた。気が付けば列車は静かに発車、昨日とほぼ同じルートを先へ進むことになった。CRHの最高速度は180キロということだが、さほどスピードは感じない。当たり前だが、車窓の景色もすれ違う列車も何とか見覚えがあるような気がする。列車は定刻通り、1時間ちょいで深圳に到着。列車を降りると隣のホームには長距離列車が停車していた。駅の外に出ると、駅前は近代的な建造物ばかりで中国辺検や羅湖口岸の看板が目につく。ここまで来れば、香港を示す矢印に沿って行くと歩いて香港のメトロに乗り継ぐこともできる。まぁ、機会があればまた来てみるか。
深圳もあまり観光をするような場所じゃないが、今日一泊するホテルにすんなりチェックインできたので、思いつきで1、2ヶ所まわってみようと思う。深圳と言えば改革開放で作られた新しい街で、まずは地下鉄を乗り継いで茘枝公園を目指す。こにには鄧小平の大きな絵があり、公園から見る京基100はいかにも深圳といった景色だ。その後、華強北まで足を延ばすことにする。そう、ここは世界一と称される電気街、規模といい、ディープさといい秋葉原の比じゃない。華強広場の建物の中に入ってみたが、パーツや工具を扱うお店、修理屋っぽい店舗、すごいなぁ~としか言いようがなかった。もちろん全うなお店がほとんどだとは思うが、時間があればばったもんを扱うお店なんかも冷やかしても面白かったかもしれない。さぁ、この辺で華強北の街歩きを切り上げるとするか。
6日目
帰国便は広州からでも香港からでもなく、なぜか深圳から。ちょっと油断していたが、深圳の空港というのがまた遠いところにあって、メトロの機場東駅はどうやらアクセスではないらしい。11号線ができるまでは、機場東のひとつ前から路線バスに乗れということで、下手をすると2時間近くかかりそうなので、早めにチェックアウトして空港へ向うことにする。何となく、香港から大陸に入って国内に散ってく、あるはその逆が流れとみえて、国際線はそれほど数多くない。でもなぜ今回は深圳かというと、最近就航した茨城便(ただし土日だけ)を利用するため。そういえば富士山静岡空港が中国路線の開拓に躍起になってるそうで、妙なところに興味を持ってしまうのはいつもの悪いクセだろうか。ちなみに広州入りしたA380と帰りの茨城便が中国南方航空だったので、往路のJAL便もCZのコードシェア扱いになってしまったのはこのため。ただ、CZはスカイチームなのでマイルの登録先がなく、ちょっともったいない気もする。
メトロもバスもうまく乗り継げたので、思ったより早く空港まで到着できた。うわさ通り新しい空港はとにかくデカく、白くてきらびやかな建物でだった。チェックイン時に対応してくれたお姉さんはIBARAKIと発音できなかったのはご愛嬌。この空港も出国時のチェックは厳しく時間がかかってしまうのは仕方のないことのようだ。前のめりの移動はちょっと慌ただしかったのでラウンジでひと呼吸おくことにしよう。出発時間にはそれほど遅れがないことを確認、搭乗口に向いCZのA320の姿を見ておく。出発時刻が近づき早速乗り込む。意外と利用者は多くY席は結構な着席率だったが、8席しかないC席は自分の他に2人だけ。まぁ、マイナーな路線なので、こんなもんかな。それほど待たされることもなくドアクローズ、これで大陸を後にする。
A380に比べハード的な落差は否定できないが、帰りの便のサービスも思ったより悪くはなかった。とりあえず出てきた食事はいただいたが、正直期待はしてなかったので文句は言わないことにしよう。機材も機材なのでエンターテイメント設備もないに等しく、若干時間をもてあそぶことになってしまったが、そんなときは素直に睡眠に充てればよい。だって、変な路線を選んでしまったのは自分なのだから…。と、そんなわけで百里基地、、、もとい茨城空港には45分遅れで到着、でもこの程度の遅れは中国便なら想定内。茨城を利用するのは初めてではないが、降機後、多分、5分もあれば入国まで済んでしまい、東京駅まではワンコイン500円で行けるのは魅力的。だけど、バスは日に数本、それも2時間はかかるので、それなりの覚悟は必要。とまぁ、最後のオチがこれだが、気持ちを切り替えてまた普段の生活に戻るとするか…。(後日談:残念ながら、この路線はその後休止となってしまいました。)