■旅日誌
[2015/6] 神話の島、済州島
(記:2015/8/10 改:2021/7/4)
(記:2015/8/10 改:2021/7/4)
毎度の突然でしたが、週末弾丸で済州島まで遠征しました。サプライズありの訳あり旅でしたが、長期休暇でもないこの時期に海外というのもきっかけは飛行機に乗ることがお目当てでした。
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1日目
何の脈略もなかったが、アシアナ航空のA380が期間限定で関空にやって来るというニュースを聞きつけ、唯一、体が空きそうだった最終日に思わず予約を入れてしまった。何を思ったかA380のCクラス乗り比べも数えること5社目。(余談:別のところでA380に乗ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。KE・SQ・TG・EK・CZ・EY・QR・MH)で、なぜアシアナのA380がKIXかというと、5月に3機目のA380が納入され、近場の日本路線を使っての慣熟運航は明々白々。実は去年の夏も同じ理由で成田に飛来してたが、乗りそびれてしまい、とりあえず、広島の悪夢は忘れてソウルを目指すことにする。そして悪夢はそれだけではなかった。そう、予約直後にMERS騒ぎが勃発。結構、ギリギリまで悩んで出した選択肢は3つ。
(1)残念だけど今回はキャンセル
(2)その日のうちに日本にとんぼ返り
(3)ソウル近郊を避け、どこか安全そうな場所へ高飛び
(1)残念だけど今回はキャンセル
(2)その日のうちに日本にとんぼ返り
(3)ソウル近郊を避け、どこか安全そうな場所へ高飛び
そんなわけで、今回選択したのは(3)ソウル近郊を避け、どこか安全そうな場所へ高飛び。詳しくはまた後で書くとして、今回はKIX出発が14時40分と遅い時間だったので、移動の手段はいくらでもあったが、いつもの朝一のANA便を利用。いつしか便名も変わりハミングバードの対象じゃなくなったので面白味が半減したが、送り込みの国際線機材。残念ながら何ちゃってC席は取れなかったが、梅雨空の上空からは雲の上に顔を出した富士山の姿が見えた。関空へのアプローチは淡路島の南側から北上し大阪湾で右旋回しながら24Lへランディング。到着後、時間つぶしに展望ホールに行って飛行機を眺めているうちに正午をまわり搭乗手続きをすると、ここで思わぬことが…。
ここのところの嫌韓ムード、くだんの広島空港でのトラブル、そして追い打ちをかけるようにMERS騒ぎと、何ひとついいところがない状況で本当にA380が飛ぶのか心配だったが、まぁ慣熟目的なのでキャンセルはないだろうと楽観視していた。そんな事情もあって予約の埋まり具合は何となく想像がついていたが、カウンターのお姉さんから「本日はファーストクラスのお座席にご案内することもできますが、、、」と予想外の申し出が…。もちろん断る理由もなくその場で快諾、こんな形でアップグレードされるとはね。まさかの展開に気をよくして出国手続きを済ませ、ANAラウンジでお昼のビールを引っ掛け選択肢(3)の予習を行い、いざ搭乗口へ。外に見える大きな機体のレジ番号はHL7634、ぴっかぴかの真新しい機材は紛れもなく3号機だった。それにしても、搭乗口付近で待ってる人の数を見れば本当にガラガラだということは一目瞭然、こんなでっかい飛行機で空気運ぶのももったいない話だ。
まぁ、そんなことはこの際どうでもよくて、F席ゲットに小躍りしながら乗り込むことにする。いやぁ、1時間20分しか乗れないというのが、ちょっと惜しい気もするが、扉付きの個室がファーストクラスだということを実感させてくれる。なぜか居合わせた場違いな日本人相手にCAさんの応対もどこかぎこちなく、結局、英語でコミュニケーションをとるハメに、、、まぁこれも、海外旅行っぽくっていいか。(笑)一応、上級クラスにはコールドミールではなく暖かい食事が準備されてるのだが「ビーフの売れ行きがよくてチキンでごめんね♪」とのこと。いちゃもん付けそうにない日本人にゴリ押しするのは定石なんでしょう、きっと。とりあえず、赤ワインで小さく乾杯、束の間のプチ贅沢時間はあっという間に過ぎていき、眠りにつく間もなく仁川に到着した。(後日談:その後、週末弾丸で仁川を往復しKEのB747-8Iに乗る機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
飲みすぎで体温センサーに引っかからないよね?なんて妙な心配をよそに、仁川での入国はとてもスムーズ。それもそのはず、大陸の団体さんなんぞいるわけもなく、こんなに人のいない仁川空港のイミグレは初めてだった。ちなみにマスクをしてるのは空港職員くらいで、どこかのんびりムード。いずれにせよ、こんな場所には長居したくないのでA’REXで金浦空港へ速攻移動する。ここで話はGWまでさかのぼり、エミレーツでドバイを往復したマイルを付ける先がなく、とりあえず大韓航空に登録しておいたのだが、これまた評判通り効率が悪い。どれくらいかというと、もう1回ビジネスクラスでドバイを往復しても日本-韓国間の航空券に手が届かないほどで、面倒なので捨てちまうか?と思っていたところ、韓国内の国内線ならプレステージクラスにしてもちょうど1往復分になることが判明。そんなわけで、この旅で使い切ってしまうことを考え、金浦でKEに乗り換え済州島へ向かうことにしていた。
済州島は韓国のハワイだとか言われているが、そんなにいいものでもなく、最近では中国人が大挙して押し寄せてるイメージが強い。ところが、こちらもMERS禍のおかげですっかり意気消沈、中国人からも見放される始末。ハワイは言い過ぎだが、日本でいったら沖縄にでも行くような感じだろうか。金浦-済州はLCCも入り乱れて、韓国屈指の混雑路線だが、空路1時間でたどりつくことができる。特典航空券へ引き換えできたのはこの日の最終便だったが、チェックイン時にまたも想定外の申し出があり、一本前の便に変更可能とのこと。遅い到着を覚悟していただけに、これは助かる。搭乗機がB747からB737になってしまうのも残念だけど、不慣れな土地に深夜到着することを考えると、ここはありがたく変更してもらった。搭乗口にいた機材に乗るものと思ったらバスで移動、するとスカイチーム塗装の機材が待ち受けている。こういう演出(?)にマニアは萌えるわけで…。(後日談:別の場所でスカイチーム塗装の機材に乗る機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)西日が差す中、順調に飛行を続け、3本乗継いで済州島へやって来た。飛行機乗りっぱなしというより、どれも1時間から1時間半程度だったので、待ってる時間の方が長く、ラウンジ4ヶ所をハシゴしてきたという印象だった。
2日目
最初は何もしないで帰るつもりだったが、1日休暇を追加してもう少し済州島に滞在することにした。口コミ情報を信用して適当に選んだ3つ★★★ホテルは旅慣れた上級者向け、スタッフのあたりも柔らかく居心地がよくてとても助かる。といっても別にやりたいことがあるわけでもなく、とにかく簡単に行けそうだった城山日出峰に向かい、登山でもしてみようと思う。市内バスで済州市外バスターミナルへ移動し、窓口で切符を買ってから701番のバスに乗り込む。こちらの様子を察してか切符をなぞりながら「4番プラットフォームから10時の出発ですからね」と教えてくれたりと、済州の人は総じてみな親切だ。このバスは東回りの主要路線ということで本数も多く、運転手さんが乗り込んできて切符を回収するとすぐに出発となった。済州市街を抜け島の北側を幹線道路沿いに東へ進むと、あたりは田舎の景色へと変わっていく。時折、バイパスを避け旧道っぽいところに入り、集落で客を拾うところなんかは日本の路線バスとそう変わらない。ただ、運転の荒っぽさは明らかに違ったかな?
離島らしく、遠目に海を見ながらバスは進み、1時間半弱で目的地へ差し掛かる。周囲の様子を確かめ、それっぽいアナウンスが入ったところでバスを降りた。城山日出峰は済州島東部のにある世界遺産系の絶景ポイントのひとつで、休日らしく多くの人で賑わっていた。入場料を払い、早速頂上を目指す。最初は緩やかな坂道が続き、途中から階段がきつくなるものの20~30分もすれば頂上にたどり着くことができる。登山道はちゃんと整備されているので、景色を楽しみながらの山登りは実に気持ちがよかった。カルデラ状の山頂を一望しながらひと息入れ、落ち着いたところで麓まで戻ることにしよう。
済州島では温暖な気候を利用して柑橘類の栽培がさかんだという。城山日出峰を下りて海女さんのいる入り江に寄ってみたあと、みかんを絞って凍らせた飲み物を購入、ゆっくり溶かしながらシャーベット状になったところを口にすると、氷の冷たさと濃厚な酸味が汗ばんだ体に染みわたる。少し集落から離れ、城山日出峰を遠くから眺めて帰りのバスを待つことにした。ちなみに済州島には鉄道が走ってないので、ツアー以外の移動手段はタクシーかバス、あるいはレンタカーが基本、これも沖縄に近い感覚だろうか。観光客には不向きといわれる路線バスだったが、市内バス、市外バスともにわりと楽勝といった感じ。ここから他の名所やリゾート地に足を延ばしてもよかったが、とりあえずバスターミナルまで戻って旧市街へ行ってみることにした。
街歩きの続きは旧市街、道すがら何の知識もなく三姓穴という場所へ寄ってみたが、ヒマそうにしてたチケット売り場のお姉さんに勧められ日本語の解説ビデオを見せてもらう。おかげで済州島の発祥の伝説がよく理解できた。ご親切にありがとう、カムサハムニダ。肝心の三姓穴は直接見える場所になかったが、パワースポットであることは十分伝わってきたかな?そして最後に済州と言えばここ、東門市場をウロウロしてみる。沖縄に例えるなら、牧志の公設市場と言えば分かるだろうか?離島だけあって海産物は豊富、名物のみかんを売るお店もいっぱいあって、特にあてもなく歩いてまわるだけでも楽しい。今日は何もしないつもりだったが、意外と楽しめただろうか?
3日目
のんびり過ごした済州島を離れ、帰国の途に付きく。ソウルからの帰国便は遅い時間しか取れなかったので、午前中もう少し時間つぶしに龍頭巌という場所へ向かう。空港のちょい先まで市内バスで移動、海の方へ歩いていくと龍頭巌の案内とトルハルバン(石の爺さん)があった。龍頭巌はその名の通り、龍の頭の形をした奇岩で、オルレ(トレッキングコースのようなもの)のひとつが近くにあったような気がする。そして場所を移動し、現存する済州最古の建築という観徳亭とお隣の済州牧官衙に立ち寄る。もともとここは行政の中心地で、発掘された遺跡を調査し、最近、復元工事が終わったのだとか。そして最後にもう一度、東門市場を訪れ、お昼を回ったところでバスで済州空港へやって来た。
到着したときは気が付かなかったが、ここにも大きなトルハルバンがいた。済州空港の利用者数は韓国内でも屈指な部類に入り、拡張を重ねて大きくなった感じがする。とりあえず適当に昼食をとって、その後はお店を見てまわったり、行き交う飛行機を眺めたり、、、最後にKALラウンジへ入って時間をつぶす。ちなみにドメ・セキュリティ内の免税店があまりにも立派で国際線フロアにいるようだったが、中国人相手というのは明らか。さて、帰路のソウル金浦行きはKEのB747ジャンボ!水色の機体なのがちょっと残念だが、それでも、かっけぇ~と声を掛けたくなる。目の前にいるのが搭乗機かと思ったら、またもやバスで移動。かつて成田でもずらっと並んだ太陽アークのジャンボが存在感を示していたが、それも時代の流れだろうか。
そうこうして済州空港を発つときがやって来た。離陸後、遠ざかる島影と漢拏(ハルラ)山の姿に思わず見とれてしまう。年季の入った機材だったが、メインデッキのC席で過ごす時間はわずか1時間、コーヒーはもっといいの出せばいいのに、、、そこだけは残念。ソウルの南東側からのアプローチで、金浦空港へ到着。あまり多くの人に接しないよう注意を払い、それでもショッピングモールに立ち寄りながら国際線ターミナルへ移動する。そういえば、古臭い感じのするEマートはなくなってしまったのだろうか?そして最後の締めくくりはアシアナ航空の羽田便、流れでC席を予約してある。何だか搭乗手続きの受け答えがぎこちないなと思ったら、Traineeの名札をつけていた。どうりで不安そうに後ろで見守ってたのは指導員だったのね♪さて、この旅何ヶ所目になるだろうか、出発前のOZラウンジでひと息いれて、時間が来るを待つことにする。
出発口のセキュリティゲートもまるで開店休業のようで、こんなに人がいないなんて他人事ながらホント驚きだった。上海虹橋行きと羽田行き3便が立て続けに出発する時間帯だというのに、免税店も閑散として静かなもの。おい何だよ、ANAもJALも揃ってB787じゃないか!アシアナだけちょっとくたびれた感じのA330なのは残念だったが、C席に搭乗したのはわずか3人、Y席も空気を運んでるようなありさま、、、それでも定刻から10分ほど遅れて出発、CAさんもヒマと見えてダブルアプローチ、トリプルアプローチな状態だった。声を掛けてくれるのはありがたいが、変な日本語だったり、韓国語だったり、英語だったり、嬉しいやら鬱陶しいやら、何とも微妙…。上空落ち着いたところでお食事タイムとなり、迷わずコリアンメニューを選択。知る人ぞ知るミール対決は、KEのビビンバに対しOZはプルコギ、下味の付いた焼肉と野菜を葉っぱで巻いて食べるというもの。いずれも食事だけは日系よりこっちに軍配かな?コーヒーを運んでもらったあとは特に何をするでもなく、ぼーっと過ごす。房総上空を通り過ぎて、待ち行列の後ろに並んだこともあって遅れは解消せず羽田に到着。Dランに降りるとホント、ターミナルが遠いいこと。いい加減タキシングしてカーゴエリアみたいなところで降ろされ、C席の3人だけ乗せたバスが先に出発、優遇されてるのか、冷遇されてるのかこれまた微妙だった。