■旅日誌
[2011/11] ドリームライナー&A列車で行こう
(記:2012/3/25 改版:2016/10/10)
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11月にデビューしたANAのドリームライナーことB787ですが、乗り物好きにとってはやはり気になる存在、、、世の中的にも注目を集めていたところ、とある週末で空席を発見、衝動的に予約を入れてしまいました。更には、前々から目を付けていた九州の新しい観光特急・A列車で行こうも無理に抱き合わせにした上で、途中、なぜか沖縄へ立ち寄るという奇行ぶりでした。最後も、SNAあらためソラシドエアの最新機材B737-800で締めくくるという初物3点セットとなりました。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
ANA651/B787、岡山、JTA11、那覇、SKY504、福岡、AMX108、天草
この秋、ANAに新しい機種が就航し話題になっていた。ボーイング社が開発したB787にはドリームライナーという愛称が付けられ、11月から羽田岡山と広島をそれぞれ1往復するダイヤが組まれている。B787の開発にあたっては、度重なるスケジュール遅延の末、相当な難産であったが、ようやくやって来たか…という印象が強い。技術的にも革新的な要素を多分に取り入れており、期待が大きい反面、漠然とした不安も拭いきれない。まぁとにかく、安全面では入念にチェックした上で運用してもらいたいものだ。次世代の中型機の中核を担うことになるためにも…。
ANA・NH651便・岡山行き
B787旅客機は"準国産"といわれるように日本が果たした役割が大きい。ローンチカスタマーであるANAはワーキング・トゥギャザーを通じて開発に携わり、運航するユーザの立場で設計段階から数多くの意見を出してきたという。日本の気象事情からコックピット前面窓のワイパーを取り付けることを提案したり、これまで欧米人の顔かたちに合わせて作られてた酸素マスクをあらゆる人種のデータを叩きつけて設計し直させたり、なるほどと思わせる工夫が随所に見られるという。特にシャワー式トイレの採用について強いこだわりを見せたというのは、いかにも日本人らしい逸話だ。また、ハード面でいうと約35%を日本の企業が担当しており、炭素繊維の複合素材を使用することで軽量化が図られ燃費が大幅に改善された。これまでは長距離を飛ばすにどうしても大型機が必要で、そうなると就航先は高い搭乗率が見込まれる大都市が中心に偏ってしまう。一方、中型機ならそれなりの集客数でペイするので、今までにない場所にも路線拡張が可能となり、ビジネスとして裾野が広がるわけだ。単にB767クラスの中型機の置き換えにとどまらず、これまでの常識を塗り替えることになるかも…と言われる理由はこんなところにもある。
NH651便の機内の様子
そしてなにより、機内の居住性が圧倒的に改善されたのも利用者にとって歓迎すべきことといえる。例えば、機体の強度が上がったことにより客室の空間が広がるとともに、キャビンの窓もかなり大きくなっている。それから、従来機種に比べ客室内の気圧を低くしなくてもよいので耳にツーンとくる不快さが軽減されたり、鋼材を使用してないので湿度を無理に落とさなくてもよい、など人にやさしい改善点が多くみられる。その他にも、機体整備をスムーズに行うためにIT技術を積極的に多く取り入れるなど、先進的な取組みもみられるらしい。インテリアに目を向けると5段階に調整できる電子シェードや、LED照明など、実際に乗ってみたくなるようなネタも確かに多かった。
NH651便の機内の様子
そんな理屈っぽい話はこれくらいにしておいて、何となくANAのサイトをチェックしていたところ、ある週の週末でB787・岡山便に空席があったので、いつもの悪いクセで後先考えずに予約を入れてしまった。というわけで、今回はドリームライナーの初乗を決め込む。初物とあらば晴々とした気分でと行きたところだが、天気予報をみるとあいにくの予報が出ている。そろどころか大荒れの天気に注意!と、珍しく晴れ男の威力が発揮できそうにない。といっても後には引けないので(苦笑)一抹の不安を抱えながらも羽田へ向かうことにした。岡山便の出発は7時半なので、朝早くまだ薄暗い中、羽田まで来てみるとお目当てのANA651便は「岡山空港悪天候につき天候調査中」とアナウンスされていた。う~ん、何となくいやぁ予感はしていたが、ここはなるようにしかならないかな?と割り切る。
NH651便の機内の様子
とりあえず気持ちを切り替えて、ドリームライナーの実物にお目にかかることにするか…。展望デッキへ出てみたが、外は暗く重苦しい空気でどんよりしている。小雨が降る中、ぱっと見渡してみると、、、おぉ、いたいた!トリトンブルーの飛行機たちの中で、特別塗装の新顔はひときわ異彩を放っていた。B787の大きなロゴとスラリと伸びた羽が見る者の目を引く。なるほど、機能美というか、わくわく感を抱かせる。ちなみに今日フライトに使われる機材のレジ番号はJA802A、ということで2号機がアサインされている。そんな感じでドリームライナーとの初対面を済ませフロアへ戻ると、岡山便羽田引き返し、または伊丹へ行き先変更の条件付きで出発することが告げられていた。
B787・ドリームライナー
あまり人のことは言えないが、やはり物好きは多いもので、搭乗口新しい飛行機がお目当てと思われる人たちがそわそわしていた。理由は分からないが、準備に手間取っているようで出発時間になってもまだ乗り込むことができない。気のせいか、こうなると場の空気も余計やきもきしたものに変わっていく。朝の羽田はただでさえ混む時間帯なので、遅れがひどくならなければいいけど、これでダイバートなんてことになったら話のネタとしては楽しいか?などと勝手に妄想にふけっていると、ようやくゲートが開かれた。はやる気持ちを抑えつつ、早速、乗り込む。天井の高さといい、窓の大きさといい、数字以上に心理的開放感があるように思った。座席の配置もゆったりしていてるし、これなら4、5時間のフライトでも苦にならないかもしれない。結局、定刻より20分近く遅れての出発となった。
JTA11便の機内の様子
離陸後は分厚い雲を避けるように一気に上昇、雲海を下に見ながらしばらくの間、水平飛行を保つ。急な予約だったので座席のリクエストは諦めていたが、直前になって窓側の席が取れたので変更していた。のすぐ後ろの席からはJA802Aと書かれたレジ番号が確認できる。いずれ国際線に転用される機材なので各座席にはタッチパネル式の大きなパーソナルモニタが付いており、試しにB787のメイキングビデオを観てみた。例の電子ブラインドをいじってみたり、ちょっとだけキャビンの中を歩いてみたりして過ごす。細かいことだが、確かに機内アナウンスが聞きやすくなっているのも評価できる点だなと思えた。機内の照明の色が変わると、みな一斉に写真を撮り出すのも面白かったりする。隣の席の方が、照れくさそうに「写真いいですか?」と窓の方を指差し「やっぱり、いいですよね!」なんて言葉を交わしてるうちに着陸体制に入る。結局、天気は回復することなく岡山空港へ到着、視界も悪くフライト・コンディションとしては最悪だったが、それなりに楽しめたし、何より無事に降りれたのでよしとしよう。
那覇空港
このまま羽田に戻ってもよかったが、明日は明日で行きたい場所があったので、今日はすぐさま移動する。思い起こせば、岡山空港へ来るのはこれで三度目のことになるが、前回前々回もわざわざ遠回りしてこの空港を利用していたが、皮肉にも今回もまた余計な経由地となってしまった。でもって、その行きたい場所というは九州にあり、当初は新幹線で移動するつもりだったが、ここでいつもの悪い癖が、、、確かこの時間帯の岡山空港といえば、JTAの沖縄便KAL仁川便があったはずだが…。パスポート持ってないし、さすがに週末弾丸韓国は違うだろうと思いとどまり、沖縄ルートを選択、いや、沖縄というのもあまり大差ないような気もするのだが、気にしない、気にしない、、、おっといけない、岡山到着が予定より随分遅れてるので、こりやぁ急がないと…。羽田へ戻っていくドリームライナーを横目に空路乗り継ぐことになった。
那覇・国際通り
そんなわけで、岡山から一路沖縄へ向かう。ピッカピカのB787に乗った直後だったので、小ぶりのB737-400は貧相に思えてしまったが、意外にも空席はほとんど見当たらなかった。比較ついでに言ってしまうと、耳にツーンとくる感じと空気の乾燥具合がこれほどはっきり分かるとは思わなかった。いかにB787が快適か、というのも強ちウソではないようだ。さて、先程同様、天気はあまりよくなかったが、ほとんどが海の上ということもあり、時折見える島影に目をやる程度で、何となくボーっと過ごすだけだった。強いて言えばJTAの機内誌に目を通すうちに本当に沖縄に行っちゃうんだっけ?と一人にんまりするくらいだっただろうか?そんなこんなで、岡山から沖縄までは約2時間ほど、那覇にはお昼前に到着することができた。(後日談:偶然にもこのときに乗った機材がジンベエジェットとして再塗装され、思わぬ場所で見かける機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)随分と久しぶりのような気がするが、いつ以来の沖縄だろうか?空港の建物を出てみると、この時期でも気温が高いことが肌で感じられる。とりあえず2、3時間ほど余裕があるので、国際通りにでも行ってみるか。
那覇・昼食
ゆいレールで県庁前まで移動し、国際通りに向かって歩いていくことにした。心配してた雨はほとんど上がり、傘はなくてもよさそうだ。何年か前に那覇で街歩きしたのもオフシーズンだったように記憶しているが、週末にしては人通りが少ないように思えた。まぁ、天気のせいもあるだろうし、人が動き出すには少し時間が早いのかもしれない。それにしても、本土にはないアジアンチックな雰囲気は歩いてるだけでも楽しいものだ。思いつきとはいえ、来てよかったかも、、、さて、どこか適当な場所でお昼にしておこう。ここは直感をはたらかせ国際通り沿いのそれっぽいお店に入ってみる。メニューもそれなりに揃っていて、何気ないランチメニューでも十分満足できるものだった。その後もしばらく街歩きを続け、折角なので牧志の公設市場にも寄ってみた。名残惜しいところではあるが、最後は美栄橋駅へ抜けて再びゆいレール那覇空港へ戻って来た。
那覇空港
はるばる沖縄までやって来たものの、ここが今日の目的地ではないので移動を再開する。これまでも沖縄には何回か来たことはあるが、滞在時間としてはもちろん最短記録だと思う。さて、那覇空港からは、スカイマークを利用して福岡へ向かうことにしている。この路線は比較的新しく開設された路線で、大手2社に比べ価格も抑えられており、順調に客足を伸ばしているという。これから本格化するLCC戦争(?)に向けて、スカイマークも足固めをする必要に迫られているようにも思えるが、ちょうどいい時間帯の便が予約できたので、久しぶりにスカイマークを利用してみることにした。隅っこの方ではあったが、那覇空港にもスカイマークの専用カウンターが設置されており、発券手続きを済ませセキュリティチェックを受けたあとはそのまま搭乗口へ直行する。大きなDFSがあったりと、那覇空港の出発ロビーはどことなく国際空港の雰囲気する。修学旅行や旅行会社の団体があちこちにいて、沖縄の空の玄関口はいつ来てもとても賑やかだ。そんな喧騒さを横目にスカイマークの福岡便はバスラウンジからの出発となる。ここへ来るのは離島めぐりしたとき以来だろうか?
スカイマーク・SKY504便・福岡行き
沖縄から福岡までは1時間半ほどのフライトだった。こちらも海の上を行くだけなので、窓の外をぼんやり眺めるくらいで、少々退屈な時間を過ごす。九州に差し掛かる頃には分厚い雲に覆われ、視界が開けたときは博多の街並みが眼下に迫っていた。福岡にはほぼ定刻で到着、次は本日の最後の乗り継ぎとなるのだが、那覇空港滞在中に携帯に連絡が入り、次の乗り継ぎ便に大幅な遅れが出ているらしい。本日、最後の締めは天草エアラインで天草まで行っておくことにしていた。天草エアラインには空港めぐりのときに1回だへ利用したことがあるが、虎の子の1機で運用している状況は変わっていない。ちょうど福岡空港に到着したとき、予約してたひとつ前の便が出発の準備をしてるところだったので、そいつが一旦天草まで行って戻ってくるのを待たなければならない。振返ってみれば今日は4社の乗り継ぎだったが、遅れが出たのが最後でよかったのかもしれない。お土産品などを見て回ってもまだ時間があったので、仕方なく空港ラウンジで時間をつぶすことにした。
SKY504便の機内の様子
基本的に待たされるのは慣れていたが、19時過ぎに第一ターミナルへやって来ると人影はまばらな状態だった。やがて他の便はすべて出発してしまい、わずか数名が出発ロビーに待たされる格好となってしまう。むなしく流れるTVを眺めながらさらに時間を潰し、結局、1時間半以上の遅れでようやく出発できることになった。グランドスタッフの先導で、すっかり暗くなったエプロンを歩いて行き、イルカの図柄のプロペラ機に乗り込む。乗ったは10人くらいだっただろうか、これが海外なら欠航しても不思議ではないので遅れたことに文句を言ってはいけない。自分にそう言い聞かせておく。30分弱のフライトの後、真っ暗な天草空港に到着、途中本渡大橋が見えたくらいで、どこをどう飛んできたのかさっぱり分からなかった。空港に着いたものの、残念ながら乗り継ぎの路線バスは飛行機の遅れは完全に無視するとのことで、移動の足がまったくない。携帯に電話入れてくれるなら、そのとき一緒に教えてくれてもいいのに…。第三セクターなんだから、もう少し救済処置を考えて欲しいところだが、途方に暮れかかったところで空港の方がタクシーを案内してくれた。タクシーの運転手の話しによると、今日は天草空港ではなく熊本空港の天候のせいで大幅に遅れが出てしまったらしい。タクシーを降りるときにお釣りを大きく間違われそうになってしまったが、こうして長い長い1日が終わることとなった。(後日談:その後、みぞか号は引退することになりました。また、2代目みぞか号に乗ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
天草エアライン・AMX108便・天草行き
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
大江天主堂、﨑津天主堂、シークルーズ、三角線/A列車で行こう、SNA22
明けて2日目、昨日は長距離を行ったり来たりの1日だったが、気を取り直してあらためてスケジュールをこなしていくことにしよう。昨晩は本渡に投宿、今日は天気の回復も早く空模様は概ね良好とのことだ。今日のお目当てはJR九州の新しい観光列車A列車で行こうの乗車なのだが、その前に半日ほど余裕があるので天草観光でもしておこうと思う。天草には過去に1回来たことがあり、そのときは本渡周辺を散策する程度でほとんど何もせず素通りに近かった。なので今回はもう少しまわってみたいと考えててたところ、路線バスの車両を利用していくつかまわってくれるコースがあったので、そいつを利用してみることにしている。少し詳しく見てみると、ワンコイン=500円で半日ガイド付き(ただし各施設の見学料は別払い)で何ヶ所か案内してくれるとのことで、ちょうど打ってつけの企画だと思う。
大江天主堂
出発前の8時に本渡バスセンターで手続きを済ませる。今日、午前中の足は、小ぶりの路線バスをベースに特別なペイントが施さたもので、天草ぐるっと周遊バスという愛称が付けられている。バスセンターに到着したときには、既に何人か乗っており、ここを出発するときには座席が埋まる程になっていた。午前中のこのコースでは、天草を代表する歴史に関連した場所をまわってくれることになっている。本渡バスセンターを出発し、担当する地元ボランティアのガイドの挨拶があったあと、沿線の案内などが続いた。しばらくして、下田温泉近くで一旦休憩となる。田舎の雰囲気漂う中、足湯があったりとのんびりできそうな場所だった。
天草・十三仏公園
気がつくと今日はバス2台で運行されていた。山道を抜けると進行方向右手には東シナ海の眺望が広がる。ガイドの方の計らいで、途中、十三仏公園に寄り道して象の形をした奇岩を眺める時間がとられる。しばらく国道を進み、バイパスを外れ少し入りくんだ坂道を登ったところに最初の訪問地である大江天主堂がある。遠めに見えた白亜の建物はまるで絵画のようでもあり、普段見慣れた日本の景色とも違った印象を受ける。今日は日曜日のため10時から礼拝が予定されており、その前に大江天主堂の内部を見学させていただけることになっていた。写真を撮ることは許されていなかったが、ロマネスク建築の建物は天井が高く、何ともいえない空間が広がっていた。周囲を散策したあと、続いて天草ロザリオ館に向かい、天草の歴史を勉強する。天草といっても隠れキリシタンという言葉くらいしか知識がなかったが、繁栄から禁教の時代、そしていまにいたるまで時代の流れに沿ってさまざまな出来事があったことを認識した。
﨑津天主堂
天草ロザリオ館をあとにして、2つ目となる﨑津天主堂へ向かう。ここは半角湾を望む漁村に立つ教会で、海の天主堂と呼ばれている。集落の中にはバスは入れないため、一旦バスを降りて﨑津天主堂まで歩いて向かう。穏やかな漁村に佇む﨑津天主堂は重厚なゴシック様式が特徴であり、すらっとした姿周囲の風景に不思議と馴染んでいた。こちらも中を見学をさせていただいたが、畳敷きでありながら色鮮やかなステンドグラスが印象的だった。そして最後に天草コレジヨ館へ立ち寄る。ここには、日本で初めて行われた活版印刷の複製機や少年使節団にまつわる話、西洋古楽器など南蛮文化の資料を見学することができる。館長さんの案内もあって興味深い話を聞けてよかった。
天草宝島ライン・シークルーズ
時間が過ぎるのは早いもので、ちょうど正午に本渡バスセンターへ戻って来た。ガイドさんの案内もあって、非常に中身の濃い時間を過ごすことができた。こういう企画は他でもぜひ見習って欲しいものだ。さぁ、得した気分ついでに、本渡にいるうちにお昼にしておこう。さすがに四方を海に囲まれてるだけあって、地のものを見繕っただけで十分に贅沢な食事ができる。う~ん、満足、満足、、、さて、熊本方面から天草まで三角線と船で結ぶコースが定着しつつあり、今回はその目玉として期待されてる観光列車に乗ってみようと思う。まずは、天草・本渡から三角まででの移動となる。少し時間に余裕もあり、天気もよかったので本渡港まで歩いてみることにした。天草夢ラインの一部となるシークルーズは路線バスとは違ったアクセス手段で、船中は満席でなかなかの盛況ぶりだった。シークルーズは島原湾を陸地に沿うように進み、1時間ほどで三角港に到着する。
A列車で行こう
海のピラミッド」を後にして三角駅まで歩いて移動する。こんどあらたにJR九州の観光列車に仲間入りしたのはA列車で行こうという愛称がついていて、三角線を1日に2往復する。単なる盲腸線でしかなかったところを九州新幹線の全線開通にあわせ掘り起こしを狙ったというのは、いかにもJR九州らしい戦略だ。天草という土地を考えれば観光資源としても十分勝算はあるとの判断だろう。というわけで、早速、そのA列車で行こうに乗ってみることにした。乗り潰しできたときの記憶もいまでははっきりしないが、三角駅はすっかり化粧直しされていた。
A列車で行こう
A列車で行こうのダイヤはシークルーズとの乗り継ぎがスムーズに行えるように設定されており、下り列車が到着するとすぐに折り返し出発することになった。この列車もご他聞に漏れず、水戸岡ワールドがふんだんにみられる。ベースとなった種車を思わせるものはまったく残っておらず、座席もすっかりあらためられていた。大人を意識したコンセプトとやらでバーカウンターがあったり、細かい装飾品も手が込んでいてなかなかいい仕上がりになっている。列車有明海を左手に見ながら三角線を進み、あっという間に宇土駅へ到着、鹿児島本線に入ると数分で熊本駅へたどり着いてしまった。こんなに快適なのに所要時間約40分とは少々物足りない感じもするが、これでA列車で行こうとはお別れ、人影もまばらとなったところでホームから立ち去る。
熊本空港
しばしの列車旅を終え、今日はこのまま空路東京へ戻る。熊本駅からはリムジンバス熊本空港へ直行、最後の移動手段としてソラシドエアを予約していた。いつからかはっきり覚えてないが、スカイネットアジアあらためソラシドエアとブランド名を変え、コーポレートカラーも淡い黄緑色に一新された。使用してた機材も中古機ばかりでどこか古臭い印象が強かったが、B737-800を新規導入し機体の塗装もまったく新しいものに変わっている。今日はそのB737-NG機の時間に合わせることができたので、冷やかし混じりで予約を入れてあった。実際乗ってみると、LED照明など、機内インテリアの一部にはB787で採用されたものも取り入れられているのがよく分かった。そんなわけで、B787・ドリームライナーに始まり、A列車で行こうソラシドエアの初物3点セットをこなしてきた。特に1日目は無駄な動きをしてしまったが、好きでやってるのでとりあえずこれで少しはストレス解消になっただろうか?
ソラシドエア・SNA22便・羽田行き