■旅日誌
[2009/4] 門司港、レトロで行こう
(記:2009/5/15)
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門司港に新しい路線、門司港レトロ観光線が開業しました。その名の通り観光路線ですが、潮風号という愛称の付いた列車は遊園地のアトラクションのようなトロッコ列車で、門司港の新しい観光資源として期待されています。今回は開業初日に駆けつける形になりましたが、前日には未乗だった阪神なんば線にも立ち寄ってます。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
岡山、阪神なんば線、名門大洋フェリー
今回の目的は2ヶ所、メインは明日の門司港レトロ観光線だが、その前に3月に開業した阪神なんば線が未乗のままだったので片付けておこうと思ってる。開業前にも大阪へ行く機会は何回かあったし、中之島線の開業と抱き合わせにすることも考えたが、結局待ちきれない形で中之島線の初乗は済ませてあった。ということで、まずは大阪へ向かう。が、すんなり向かわずに、なぜか今日は岡山へ飛ぶことにしていた。実は岡山に寄るのはまったく意味はなく、ボーナスマイルがもらえるキャンペーンをやっていたので、それに踊らされる形になってしまった。
ANA・NH653便・岡山行き
空港からはバスで岡山駅へ移動し、そこからあらためて高速バスに乗り継いでいく。高速バスの乗り場はから少し離れていたが、途中昼食を仕入れたりして適当に時間をつぶす。今日はあいにくの雨模様だったが、それほど待ち時間があるわけでもないし、特に何かをするつもりもない。バスは岡山ICから山陽道に入って伊丹空港を経由し大阪ミナミまで向かうのだが、いつものように、なぜそんなまわり方をするのか?などと考えてはいけない。(苦笑)途中の岡山IC入口バス停でのこと、別の便で乗り遅れてしまったという年配の女性から運転手さんが相談を受けてたみたいで、それでもいやな顔ひとつせず本社に携帯を入れて次の便への振替えを掛け合ってる様子だった。利用回数に応じてポイント制を導入したり、休憩のために立ち寄ったSAで使える割引券を配ってみたりとサービス拡充を図ろうとする努力が伝わってくる。そんなの当たり前のことかもしれないが、たまには違った乗り物にも乗ってみるのもいいかもしれない。
阪神なんば線
湊町(OCAT)でバスを降りたあと、歩いて大阪難波駅へ向かう。その昔、JR難波駅がまだ湊町という名前だった頃のことを考えると、えらい変わりようだ。阪神なんば線の開業に伴い、近鉄難波駅から大阪難波駅へと名前が変わったが、もちろん一番変わったのは近鉄阪神が直接乗り入れることになったことである。まずは阪神電車が大阪ミナミに乗り入れることで、神戸・三宮方面など西からの新しい"流れ"ができたこと、そして近鉄が乗り入れてくることにより奈良方面から神戸へ、あるいは逆に神戸方面から奈良やその先まで"直接"つながったことも大きな意味がある。さらには便乗で、もともと南海電車も難波まで乗り入れてたが、そちらでも大いにアピールしているようである。大阪というと、かつてはお上の力がものすごく強く環状線の内側に地下鉄以外の電車が走るなど考えられないことだったが、時代も変わったということだろうか?
大阪難波駅
早速ホームに降りて、忙しそうに行き交う電車をしばらく眺めたあと西九条方面の電車に乗り込む。かつての名残だろうか、次の桜川駅では近鉄電車が折り返していくような構造になっていた。続いてドーム前、九条と停まった後、地上に出たところで西九条に到着。何となくひなびた感じのしていただったが、少しは垢抜けてみえたような気もする。新しく開業した区間は3駅、4キロあまりだがバイパス線としての意味は大きいように思えた。さてと、、、西九条を離れ、歩いてとなりの九条まで向かうことにしよう。その途中には、淀川系の支流である安治川が流れている。ここには東京ではあまり馴染みのない河底トンネルが存在しており、今日はそこを通ってみることにしている。このトンネルは、かつて車も通してこともあり、入口となってるエレベータ塔はどことなく歴史を感じさせる雰囲気を漂わせていた。安治川を渡り切ったところで、頑強な阪神なんば線の高架の下を外れノスタルジックな商店街を抜けると地下鉄九条駅へとたどり着く。
阪神なんば線
中央線からニュートラムに乗り替えフェリーターミナル駅へとやって来た。今夜はフェリー門司へ向かうことにしている。上がった雨が再び降り出すようことはなさそうだが、夕方になってきたこともあり辺りは徐々にうす暗くなっていた。出航までまだ時間はあったが、早めに乗船できそうなので、乗船手続きを済ませて中に入れるのを待つことにする。今日予約していたのは名門大洋フェリーで、1月に利用した阪九フェリーとの乗り比べも考えての選択だった。ただ、夜行列車が走っていればフェリーの利用は選択肢の中にはなかったのかな?とも思う。ちなみに、予約を入れたのはセパレートタイプの部屋だったが、部屋というより本当にカプセルホテルのような構造で、パーソナルTVはあるもののひとりあたりの空間は狭く、カーテン(というか、ブラインド?)を閉め切ってしまうと慣れないせいか息苦しくてたまらない。食事(レストラン)やパブリックスペースの広さ、また、大浴場やシャワールームなどの設備は両社ともほとんど遜色はなく、結論としてはちょっと値は張るが阪九フェリーの2等個室の方に軍配を上げたくなるかな??(あくまでも個人的な感想ですが。)
名門大洋フェリー
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
門司港、門司港レトロ観光線、和布刈公園、関門海峡人道トンネル
前回は早朝の到着だったが、今回は多少余裕があるので朝食もフェリーのレストランで済ませることにした。前回は気がつかなかったことだが、に着岸するときタグボートを押している様子を見ることもできた。新門司港には定刻での入港、団体さんに混じって下船し送迎バスに乗って門司駅へ向かうことにする。1月のときと同様に、送迎バスは門司駅を経由して小倉駅まで行ってくれるのだが、通る道順が若干違ったみたいで門司駅は北口で下ろされることになった。とりあえずここにいても仕方ないので、門司港駅まで移動してしまおう。
門司港
門司港駅には過去に何回か来たことがあるが、毎回少しずつ違ってきてるようにも思える。今日は門司港レトロ観光線の開業日ということもあって、駅前広場ではちょっとしたセレモニーが行われていた。前振りの通り、わざわざ初日に駆けつけなければならない理由は特にない。門司港レトロ観光線について少しだけ説明をすると、以前貨物線だったところを流用し門司港駅近くから和布刈公園の先の方までの区間を2両のかわいいトロッコ車両が走っている。列車の愛称は公募によって「潮風号」と名付けられ、運行は平成筑豊鉄道が担当している。ちなみにネーミングライツ(名前を付ける権利を売るやつ)の関係でやまぎんレトロラインという呼び名がついていた。この路線は、純粋に旅客輸送や貨物輸送を目的にしたものではなく観光鉄道として認可申請が行われたらしく、そういう意味でも遊園地の遊具のような扱いに近いかもしれない。ちなみに線路だけでなく車両もまた他からの流用で、客車は島原鉄道のトロッコ車両を、前後で引っ張る機関車は南阿蘇鉄道で活躍していた先代ゆうすげ号を転用したという。もちろん今回の再デビューにあたり内外装はきれいにあらためられていたが、一部ボランティアで駅員さんを登用するなど、九州らしい手作り感がとてもいい。
九州鉄道記念館
潮風号は、指定席と自由席に1両ずつ分かれている。指定席の購入はWebやローソンでもできるようになっており、初日とあって今日の分はほとんど売り切れ、自由席も少し並ばないと購入できないようだった。ちなみに手元には12時45分の指定が取れているので、それまで列車の様子を外から眺めたり、近くのまわってみることにしている。華やかなファンファーレと花束贈呈などがあって一番列車が出発していった。最近、明るいニュースというのもあまりないが、たまにはこういうのがあってもいいかなと思った。間近にみても列車は本当にかわいい姿をしており、踏切を横切る様子など、ちっちゃなサイズだということが分かる。さて、もう少しある時間を使って観光でもしておこうか。
門司港レトロ観光線・潮風号
最近門司港駅のすぐ近くに、九州鉄道記念館というものができたので、ついでに見学しておくことにした。入口のすぐ脇にはSLが置いてあり、その奥にも往年名車たちが静かにたたずんでいた。中には車内に入れるものもあり、とてもきれい保存されていた。続いて本館にある展示物を見学しておく。旬な話題としては、九州ブルトレ廃止SLの復活などが興味を引く。午前中はもっともっと時間をもてあそぶのかな?と思っていたが、実際にはそんなこともなく、あっという間にお昼になっていた。そうだ、折角なので、門司港の地元グルメとしても有名になった焼きカレーを食べに行こう!
門司港レトロ観光線・潮風号
指定された時間に近づいてきたので、早速潮風号に乗りにいくことにする。自由席は立ち席(?)を含めて既に満杯、もちろん指定席も満席だった。やがて時間になり列車は出発、運よく海側進行方向の席だったので眺めは最高、遠くに関門海峡大橋も見えて、吹き抜ける風もまた心地よい。すぐ脇の遊歩道では手を振る人もいて、注目される中を通り過ぎて行くのも悪い気はしない。列車のスピードは時速15キロほどで、一応途中の駅にも律儀に停車、最後にトンネルを抜けると終点関門海峡めかり駅へ到着する。距離としては2キロほど、時間にして10分のミニ旅行はあっという間に終わってしまった。終点の駅からはめかり絶景バスというのに乗り継ぐと往復25分程で景色のいいところに連れて行ってくれるそうなので、早速それを利用することにした。バスは普通の路線バスなのだが、程なくしてくねくねした急坂をゆっくりとしたスピードで登っていくことになる。う~ん、これは期待できるぞ。(笑)やがてめかり第二展望台のバス停に停車、ここで10分間程見学時間が設けてあるらしい。促されるようにしてバスを降りて通りを渡ると、これまた息を飲むほどの絶景が広がっていた。壇ノ浦の合戦にまつわる逸話や目の前の橋に関する話など、駆け足ではあったがひとしきりボランティアの方に説明をしていただく。帰りもまた同じバスにそのまま乗ることができて、関門海峡めかり駅まで戻って来るコースになっていたが、これで180円とは大収穫だった。(追記:関門海峡ぐるりんパスを持っていれば、パスを提示するだけで乗ることができます。)
和布刈公園展望台からの眺め
だんだん時間がなくなってきたが、今回最後に行こうと思ってた人道トンネルを歩いて下関へ渡ることにする。海沿い遊歩道を数百メールほど進むと、人道トンネルの入口があり、エレベータで下へと降りていく。エレベータを降りるとすぐ目の前から下関方面に向かって一直線に通路が延びていた。ここも観光地みたいなもので、結構な人が行き来している。薄暗いトンネルを進み、九州と本州の境で写真を撮ったりして本州側へと抜けてきた。地上に上がり外へ出たところであらためて関門海峡大橋を見上げる。いやぁ、トンネルといい、といい、すごいものを作ったものだ。こんなに大きな建造物を目にしてしまうと、自分のちっぽけさなんかどうでもよくなってくるような気がした。ここから再びバスで移動するといいようだが、まだしばらくこの雰囲気に浸っていたかったので、もう少し歩いていくことにした。壇ノ浦と記された地名を確かめながら先へ進み、亀山八幡宮大きなフグの像を拝んだあと唐戸市場に立ち寄ってみる。フグの天ぷらなどつまみ食いしながら市場の中を通り抜け、結局、唐戸のバス停まで歩き通してしまった。そろそろ帰るんだな…などと思いながらバスを待つ。
関門海峡人道トンネル
今日は北九州空港から東京へ戻ることにしている。バスに乗ると今度は渡って九州側へ戻ってくる。う~ん、十分楽しませてもらったな。(苦笑)最後にもう一度門司港へ寄って、バスは高速道路へと入っていった。北九州空港に来るのは2度目のことになるが、前回同様、SFJの便を予約をしている。下関からなら山口宇部空港を利用する手もあるけど、あのホスピタリティを経験してしまうと、迷うくらいならやっぱりこっちかな?(笑)ともかく天気もよくなったし、乗りつぶしも無事に果たすことができたので気持ちよく帰れそうだ。黒い機体という見た目のインパクトを受けてから、あらためて黒革のゆとりある座席に座ってしまうと確かにリピータになってしまいそうな気がする。(余談:タリーズコヒーとビターチョコがまたいいんだ、これが…。)今日は強い西風が吹いてたみたいで、予想通り羽田はB滑走路を使ってのランディングとなった。2度目といわず3度目のSFJもありそうな気がしてきた。
スターフライヤー・SFJ84便・羽田行き