■旅日誌
[2017/5] 文化的十字路口、西安~西塘
(記:2018/1/1)
(記:2018/1/1)
ゴールデンウィークを利用して、中国へお出かけしてきました。今回は分散していたスカイチームのマイレージを中国南方航空で消化するために西安へ。そこで兵馬俑を見学して、帰路の途中に西塘へ足を延ばしています。
※下線部をクリックすると写真が表示されます
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1日目
2月にも特典航空券でベトナムへ行ってきたばかりだが、今回もマイレージ消化を目的に中国へ渡ることにしている。DELTAのマイレージを持っていなかったのでスカイチームのマイレージが分散していたが、それとなく調整をつけて今回は中国南方航空に寄せた分を中国国内線で使うことにしていた。とはいえ、CZの本拠地である広州は日本路線との相性がいまいち、でも北京乗り継ぎも避けたい、そんなわけで、少々悩んで決めたのが上海浦東-西安だった。上海浦東なら茨城から9C便で奇襲することも考えたが、GW価格でFSCと大して差がなく、日系大手で無難な組合せを探して今回はやや長めの日程で落ち着くことになる。ちなみにCZの国内線を利用するにはリコンファームが必要で、よく分からず日本のコールセンターに問い合わせみたところあっけなく手続きが取ることができた。
うまく行かないときはうまく行かないもので、この4月は仕事に翻弄されっぱなし、、、まぁ、おかげで諦めモードのままGWに突入したのだが、これからお休みというその夜、というか早朝2時、別のところから不運な知らせを受け取りそのまま徹夜…。そっちはどうにか乗り切ることができたが、全てを忘れるためにも振り切って旅立つことにする。そんなわけで、毎度毎度の準備不足のまま日本を脱出…。海を挟んだお隣はどうもきな臭い感じだったが、そこは見て見ぬふりして、一気に大陸へ飛ぶことに。だが不幸は引きずるもので、今日の成田は雷雨で一時離発着に制限がかかってしまい、滑走路の脇で1時間ほど足止めを食らう。あと20分も早ければすんなり離陸許可が出ていたようだったが、猛烈な雷雨の中、待たされるというのもあまりいい気はしない。まぁ、今日中に乗り継ぐ予定でもないし、ANAのB787-9でCクラスに乗るぞ!と意気込んでいたので、ゆったり構えてればいいわけで…。今回は日系なので和食をチョイス、そう長くはないフライトではあったがやはりスタッガード・シートは快適、、、結果的に目的地である上海浦東には1時間遅れで到着、明日は早朝の乗り継ぎのため空港に隣接するホテルで一泊する。空港の中で軽く夕食をとって、今日は早めに体を休めておく。
2日目
明けて2日目、今日は早朝7:15発の中国南方航空で西安へ飛ぶことにしている。搭乗したA321は真新しい機材で、キャビンの雰囲気も悪くない。上海浦東から西安咸陽国際空港までは3時間弱、簡単ではあったが、一応朝食らしきものが提供される。経路上多少揺れを感じたが、天気は悪くなく、時折、窓の外を眺めたりして過ごす。徐々に高度が下がり、高層ビルが目立ってくると西安の中心部に差し掛かったことがわかる。今日はかなり順調なフライトで無事に西安咸陽国際空港へ到着した。
市内へ向かうバスの乗り継ぎもスムーズだった。ただ、ちょっと違和感を感じたのは、外国人の自分だけがキャッシュで決済していたことだろうか。バスを降りたあとの移動も順調で正午ちょうどにチェックインできてしまったので、明日予定していた兵馬俑へ行ってしまうことにする。実は今回の目的地を西安にした決め手はこいつだったりするので、ちょっと楽しみにしていた。ホテル近くには城壁と永寧門があり、地下鉄を乗り継いで西安の鉄道駅へ向かう。広々とした駅前は多くの人が行き交い、こんなところからも中国にやってきたなぁと実感する。さすがにメジャーな観光地だけあって、ここから兵馬俑へ行く路線バスはすぐに分かった。
バスに揺られることおよそ1時間、いまいち案内が不親切だったが、いかにも観光地といったお店が並ぶ中、目的の場所まで歩いて移動する。ようやくチケット売り場に到着した後、さらに敷地の中を歩いて行くことになる。そしていよいよ兵馬俑が保管されている建物に到着、兵馬俑は1号坑、2号坑、3号坑と別れており、早速一番大きい1号坑から見ていくことにしよう。人の多さもそうだが、建物の大きさも凄いなぁ~なんと思いながら中に入り、いよいよ兵馬俑とご対面…。敢えて説明することもないと思うが、いやぁ、凄いの何のって、、、言葉にならないとはこのこと、圧巻の一言だった。しばらく正面から眺めていたが、横にも回ってみよう。目を凝らしてみると一体一体の表情や銅馬車も見てとれる。それにしてもこれだけのものが2000年以上前に作られ、土の中に眠っていたというのも、どんだけのスケールなんだろうか?
続いて2号坑に向かう。2号坑は1号坑より規模は小さく、発掘途中のようにも見受けられる。その代わりひざまずいた弩兵俑や騎兵俑などの展示が身近に見学できる。そして3号坑に向かい、発掘の様子を見学しておく。最後にもう一度1号坑に戻って、兵馬俑の光景をあらためて目に焼き付けて、バスでこの場所を後にすることにした。
夕方、市街へ戻ってきたところで、もうひとつのお楽しみだった回民街(イスラム人街)にも足を延ばしてみることにした。西安は文化の十字路とも言われるように、イスラムと中華が出会う場所。特に回民街は、食べ物やそこに暮らす人々の生活を感じ取ることができて、多くの観光客で賑わうという。日も暮れ、夕食ついでにぷらぷらしながら、異国の雰囲気を堪能、、、辛いもの、甘いもの、酸っぱいもの、気が付けば結構飲み食いしてたてようだった。着いて早々、見どころ満載の西安だったかなぁ、、、ライトアップされた鐘楼や夜景を見ながら、永寧門近くのホテルまで戻って来た。
3日目
昨日に続いて今日も西安に滞在、兵馬俑は昨日行ってきたので、何ヶ所かまわってみることにする。ところが、夜半過ぎから激しい雨が続いてしばらく止みそうにない。今回は出鼻をくじかれたか、天気に見放されたかな?まぁ、そこは気を取り直して、まず最初に大雁塔へ行ってみようと思うのだが、雨なので地下鉄ではなく路線バスを利用してみるか…。毎度ながら初めての土地で乗るバスは緊張感があり、何とか大慈恩寺へ到着。大雁塔は大慈恩寺の中に建っており、玄奘三蔵ゆかりの地とも言われてる。天気が悪いと高いところに登ってもいまち気分が乗ってこないが、ここに長安の都があったんだなぁ~なんて思ったりする。続いて陝西省歴史博物館へ向かう。IDカード(外国人はパスポート)を見せると無料になるというのでチケット売り場は大行列だったが、展示物についてはなかなかどうして、かなり見ごたえがあり、気が付けばお昼を回っていた。そういえば、チケット引き換え時にサインが必要だったが、すぐ上の人の名前を見ると自分と一文字違いでびっくり。ちなみに違った最後の一文字は実弟の一番下の文字だったりと、偶然といっていいのか、どうなんだろう?
※陝西省歴史博物館

午後になってあらためて移動、きっと雨は止むはず!と信じてたところ、天に通じたか傘は要らない程度になってきた。西安地鉄に乗って、次は鐘楼へ向かう。この建物は西安のシンボルであり、中に入り周囲を見回すと東西南北に大通りが延びている。天気もよくなってきたせいか、徐々にテンションが上がってきたので、そして昨日も来た回民街で一呼吸おき、裏通りを抜けて西安大清真寺へ足を延ばしてみる。ここは英語でモスクと表現されてる通り、イスラムの寺院、自分が知っている中国風とも違い、イスラム様式の門や建物が続く。八角形をした省心楼(ミナレット)を通り、一番奥の礼拝堂まで行ったところで折り返すことにする。ここは周囲の喧騒がウソのようにひっそりとしていて、とても不思議な空間だった。回民街を後にして、続いて鼓楼にも登ってみることにしよう。鼓楼もまた鐘楼と同様、木造の古い建物で、東西には大きな太鼓があった。
今日は最後に城壁へ行こうと思っていたが、その前に西安林碑博物館へ立ち寄ることにする。宝慶寺華塔の先へ進み、古都らしい雰囲気漂う書院門通りを抜けていくと、西安林碑博物館へとたどり着く。城壁とセットになったチケットを購入し、早速博物館の中に入る。一見こじんまりとした建物だったが、様々な石碑がこれでもかと集められていた。さらに奥へと建物は続き、漢字圏の人間として意外とはまってしまいそうだった。最後に拓本を売るコーナーもあり、これはマニアにとっては垂涎の場所かも…。そしていよいよ締めに西安城壁に登ってみる。一周すると14キロあり、自転車を借りることもできるようだが、日も傾いていたので、少しだけ適当に歩いてみることにした。東の門で折り返し、徐々に日が暮れてライトアップされた南門を見届けて今日の街歩きは終了。歩き疲れたので夕食は適当にホテル近くのフードコートで軽く済ませることにしたが、簡単な英単語も通じるわけもなく、愛想のいいお店の人と筆談で会話しながら適当にメニューを選んでもらう。今回は初めて中国内陸部に入ってきたが、唐辛子はじめ、西安山椒、孜然(ズーラン)など香辛料が豊富に使われていて、何気にエスニックで結構刺激的だった。
※西安林碑博物館

4日目
今日は移動日、再び西安から上海へ空路戻るだけ…。ちょっと気になったので調べたら、上海浦東-西安間は789マイル、メートル換算で約1270キロ、日本でいうと東京から奄美大島くらいの距離だった。マイル交換したときは、その日の深夜か次の早朝に帰国するつもりだったが、予定を変更して少し上海に留まることにしている。と言ってもどこか行きたいわけでもないので、これから考えてみることにするか。早めに朝食を済ませ、意外と居心地のよかったホテルを後にする。行きと逆のルートをたどり、ひとつ隣の駅へ行き、路線バスに乗って空港へ向かう。出発を待っていると、インド系っぽい若い旅行者に声を掛けられる。筆談ならぬスマホでコミュケーションを取ろうとしてるらしく、中国語で何か尋ねられたが、逆に中国語は分からないよ…なんて返す。どうやら空港までの行き方を確認したかったようで、バスのチケット売り場を教えてあげると、しばらくしてチケットを手に笑顔で戻ってきた。
時折、渋滞にはまったが、程なくして空港に到着、手前のT2で先程の彼と再び笑顔で挨拶を交わし、中国南方航空のカウンターがあるT3でバスを降りる。何かと時間がかかるだろうから、早めに段取りを踏んで出発を待つ。行き同様、帰りのA321も真新しい機材で、キャビンはC-PY-Yの3クラス、後方の席に座ってみたがY席はほとんど空席はなかった。(後日談:乗ってみてすごくきれいだなと思ったら、往路は3月に就航したばかりの1番新しい機材で、復路は2番目に新しい機材でした。)中国南方航空を利用するのは今回で2度目だったが、いずれもCAさんはフレンドリー、国内線でありながら食事が提供されるなど思ったより印象はよかった。
特に遅れることもなく、上海浦東空港に到着、上海トランスラピッドから地下鉄に乗り継ぎ、市内まで移動する。ムンバイ、ホーチミンに続き、今回もクラシカルなホテルを予約してみたが、外灘にも近くなかなかいい雰囲気だった。一時期かなり荒廃してたとのうわさも聞いたが、ちゃんとしたオーナーがついて復活したようで、スタッフもきちんと教育されていたのが伝わってき。自分も歳かな?歴史あるホテルに興味がわくなんて…。
夜というにはまだ少し時間が早かったので、何となく外灘から南京路へ歩いてみることにした。ここに来るのも久々だったが、品のよさそうな男性に道を聞かれ適当に受け答えしてるうちに途中から日本語で「日本人ですか?」となり、いくつかやり取りしてるうちに来るぞ来るぞ、、、と思っていたら「一緒に飲茶でもどうですか?」とあまりにも分かりやすい誘いが来る。冷やかしでも付いていったら面倒なことになるので、そそくさとその場を立ち去り、その辺で無難に夕食を済ませる。ホテルには歩いて戻れる距離だったので、トボトボ歩いていると今度はホテル前で、純朴そうな女性からスマホで写真を撮ってほしいと声を変えられる。またまた来るぞ来るぞと待っていたら「近くにカンフーショーのお店があるから行きませんか?」と、こちらも分かりやすい誘いが…。相変わらず上海は変わってないなぁ~。
5日目
あとは帰国するだけだったのだが、土曜の便だと払うお金が予算の倍以上まで跳ね上がってしまうので、もう1日滞在することにした。そんなわけで延長戦。といってもこれといった準備はしていない。定番スポットの豫園はもういいとして、水郷で有名な朱家角にでも…と思ったが、1日丸々使えるので思い切って西塘へ遠征してみることにした。そう、ミッション・インポッシブル3のロケ地として一躍有名になったところで、高速バスに乗れば比較的簡単に行けそうなので、トライしてみる。優雅に朝食を済ませ、朝の上海を感じながら地下鉄の駅へ向かう。路線図を見て乗り換え駅を確認しつつ切符を購入、途中若い女性といい年こいたおっさんが大声で言い争っていたが、最近の中国にしては珍しいかも…。
地下鉄を乗り継いで上海南駅の隣にあるバスターミナルへ移動。そう言えば、ここにはCRHで来たことがあるような…。チケット売り場へ行ってみると、西塘の入場券とセットで買うとバスの片道分が割引になるらしく、別のカウンターで引換券との交換方法など丁寧に教えてもらう。バスの発車時刻までしばらくあったので席で待っていると、帰省途中だろうか大荷物のおばちゃんが水筒にお湯を入れてくるから荷物を見張っていて欲しいと声を掛けられる。昨日の南京路ではないが、人を騙そうとする人もいれば何の疑いもなく人を信用する人もいたりと、この国には本当にいろんな人がいるもんだこと…。
バスは座席指定になっており、ほぼ満席でバスターミナルを出発、程なくして高速道路に入る。車中は騒がしいようなこともなく、その後も順調に飛ばし、浙江省に入ったところで保安(警察)のチェックを受ける。再び走り出したかと思ったら数分で高速を降りて、目的地にはすぐに到着してしまった。念のため帰りチケットを購入しておき、バスターミナルから歩いて西塘の入り口へ向かう。出発時に教えられたカウンターでチケットを引き換え、生活着的千年古鎮と書かれた看板を見ながら中へと進む。西塘は言わずと知れた古い水郷の町で、「呉越同舟」という言葉もここに由来するという。地域全体が観光地のようになっていて、乱暴に言ってしまえばホイアンにも似たようなところがあったかもしれない。まぁ、それほど国際的でもなく、地元の人がぷらっと来るところらしい。
水郷に沿って、屋根付きの路地を歩いていく。時折ゆったりと舟が行き交い行きかい、ところどころで水郷を跨いで橋が架かっている。お土産屋さんや飲食店が並び、観光地化されてしまっていることは差し引いても、歴史ある古い町並みをまったり歩き回るのは、それはそれで楽しいものだ。どこかで見たようなキャラクターのお店なんかはご愛敬としても、小さな博物館らしきところや、かつての要人の邸宅、古い廟、、、昼食も軽く済ませたにしても、意外と時間が過ぎるのが早かったような気もする。オフシーズンの平日だったせいか、妙に騒がしいこともなく、ほんの思い付きにしては正解だったかも…。帰りも予約してあったバスで上海南站へ戻ることにした。
※西塘古鎮

6日目
おしまいと言いながら、少しだけ予定変更。今日は夕方までに空港のホテルについていればいいので、チェックアウトギリギリの正午まで粘ってみることにする。さらに考えて決めたのは上海博物館、往復30~40分を差し引いても2時間は滞在できそうだったので行ってみたが、中国の歴史のお勉強だった。意外と人気があるので見学に来ている人も多く、これで無料というのも太っ腹かも。(西安もそうだったが、社会主義ということもあるのだろうか?)今日も早めに朝食を済ませ、地下鉄を乗り継いで人民広場へと向かう。既に先客がいたが、開館と同時に見学していくことにした。
さらっと流したつもりだったが、見ごたえたっぷりで、結局2時間以上かかってしまった。一旦ホテルに戻り正午にチェックアウト、午後も時間があるにはあったが、これで本当に上海を引き上げることにする。地下鉄を何本か乗り継いで空港まで移動、お昼は見覚えのあるロゴのお店で軽く済ませ、明日の出発に備え今日は早めに休むことにした。結局、夕食も空港に隣接したところになってしまったが、何だかこうして過ごしているのも名残惜しいというか、少し寂しいものを感じるものだなぁ。
※上海博物館

7日目
今回は羽田便で帰国の途に就くことにしている。チェックインカウンターが開くのと同時に手続きを済ませ、中国国際航空のラウンジで出発時間を待つ。やがて出発時刻になり、搭乗機まではバスで移動、こんどの機材はB787-8で2-2-2の配置、まぁ短時間のフライトなのであまり気にはしない。