■旅日誌
[2009/8] 東海道貨物線踏破号&ポートトレイン横濱
(記:2009/11/8 改:2022/1/2)
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6月に引続き、お座敷列車に乗って貨物線を巡る企画に参加してきました。普段通ることのないところを行くのもなかなか楽しいものです。さらに次の日も、臨時列車に乗って不思議な小旅行をしてきました。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
東海道貨物線踏破号、東京貨物ターミナル
気がつけば貨物線踏破号の旅も6回目だそうで、それなりに人気は持続しているようである。前回は初めての参加にして、なかなかディープ(?)なところを見せてもらったが、今回は今回でまた"目玉"となる場所が盛り込まれている。ここまで、回を重ねてきてもネタはまだ尽きない…といったところだろうか?そんな感じで今回も勢いあまって申し込みをしてしまったが、今日の集合場所は品川駅で、使われる列車宴編成と、まるで前回の続きを見てるようである。さて、品川駅臨時列車といえばここ、、、10番線列車がやって来るのをしばらく待つことにする。
東海道貨物線踏破号
雨が降らないか少し心配にも思えたが、徐々に持ち直してきている。今回もまたお座敷列車の利用になるのだが、もちろん団体専用の臨時扱いなので、前もってツアーに申し込んだ人しか乗ることができない。宴編成という愛称のついた列車は4両編成で、かつては特急電車でバリバリ働いていた車両をベースに改造された編成である。早速そのお座敷列車に乗り込んで出発の時刻を待つ。席は程よく埋まり品川駅を出発、まず最初に品鶴線を下っていく。10番線から品鶴線=横須賀線の下りに入るには、横にスライドするようにして、いくつか渡り線を通っていかなければならない。すかさず配線に興味を示してる輩もいるではないか…。(苦笑)御殿山を右に見ながら新幹線に寄り添うように進み、目黒川の信号所で山手線に別れを告げる。ここらは横須賀線に乗れば普通に通る場所なので、取り立てて目新しいこともないが、東海道線と横須賀線が分離されたときのことを思うと隔世の感がある、、、といっても、SM分離のことはほとんど記憶に残っていないのだが…。
尻手短絡線
意外にも列車は順調に飛ばし続け、多摩川を渡り工事中の武蔵小杉駅に差し掛かる手前で一気に減速、しばらくダラダラ走ったあとで通常の旅客線に別れを告げ新鶴見のターミナルへと進路を移す。さらに新川崎の脇を通過して、今日最初の見せ場である尻手短絡線に入っていく。ありふれた住宅街の中にあるこの路線新鶴見信号所と尻手の間をショートカットする単線の短絡線で、昔からその存在はよく知っていたが、まさか列車に乗って通過できるチャンスが来るとは思ってもみなかった。何か特別な思い入れがあるわけでもないけど、不思議と嬉しいものである。キョロキョロしてるだけで、あっという間に通り過ぎてしまい、尻手の手前で南武線の脇に出てきて南武支線に合流、そのまま浜川崎方面へと向かう。そういえばリゾート踊り子のときも南武支線を通過したが、またまた不思議な列車で通りかかることになったな…。
東京貨物ターミナル
いつの間にか貨物線に移って浜川崎のすぐ隣を通過、あたりの雰囲気もだんだんそれっぽくなってくる。この区間は首都高横羽線からも見えるので、独特な雰囲気はどこか記憶に残っていた。生活感があまり感じられない工業地帯を列車は進み、多摩川の手前で長いトンネルに入る。しばらくして再び地上に出てきたときは、すっかりあたりは別世界だった。列車はスピードを落とし、もうしばらく奥の方へと進む。大量のコンテナレールを運ぶ専用の車両、、、普段目にすることのないものがいっぱいある。遠く向こうには東海道新幹線の車両基地があり、この角度から眺める景色はどことなく新鮮味を覚える。そういえば見覚えのある青色の重連DEは、ついこの間までJR北海道で北斗星を引っ張っていたもので、これから海外へ積み出される機関車だと直感する。どうやらここら一帯が東京貨物ターミナル駅だと考えていいみたいだったが、プラットフォームもなく、広すぎてどこからどこまでが駅なのかよく分からない。ちなみにこの駅は、戸籍上JR東日本に属しており、かつては浜松町方面へも路線が延びていた。その昔、カートレインなど一部の列車がこの区間を走っていたが、浜松町での大江戸線の工事をきっかけに、大汐線と呼ばれてた区間は事実上廃止となってしまった。いまでも新幹線の引込み線と並行して高架だけが残っているが、再び列車が走るとは考えづらい。それと東京湾沿いを北上して京葉線につなげる計画もついえたままだけど、そちらも実現することはまずないだろう。
東京貨物ターミナル 東京貨物ターミナル
折り返し停車でしばらく時間調整したあと列車は進行方向を変えて東京貨物ターミナル駅を出発、とんだ珍客を目の前に、JR貨物の方たち数名がこちらを見ていた。しばらくすると上下線で少し離れたところを走るため、気持ち先程と風景が違ったような気がした。ターミナルに別れを告げ、再びトンネルに入る。列車はこれから東海道貨物線を下っていく。浜川崎へ戻りリゾート踊り子91号と同じルートで八丁畷をかすめて鶴見構内へ到着、ここからは正統派(?)東海道貨物線となり羽沢駅を経由して戸塚方面へと抜ける。このルートは朝夕に一部の通勤ライナーも通るので、その気になれば列車で通過することもできる。さらには、近い将来、旅客化が計画されているので、そうなったらまた様子が一変するんだろうなぁ…。
横浜みなとみらい
景色を楽しむのともうひとつ、お約束の特製弁当に手をつけることにしよう。ぱっと見た感想だが、前回よりもさらに内容がよくなってるような気がした。貨物線を走ったまま、小田原を過ぎ根府川で最後の折り返しとなった。目の前には相模湾が広がっている。しかし、ドア扱いはないので停車していても駅には降りることはできない。帰りもしばらく貨物線を上っていき、先程とは少し違って茅ヶ崎あたりで旅客線に復帰した。相変わらずそんなことを珍しがっている人も少なくなかったが、そんな思い入れはどこからやってくるのだろう?。大船で新しいN’EXを目撃、列車はあっという間に最終目的地である横浜へ到着した。いやぁ、何だかんだで今回も結構楽しませてもらったな…。
横浜港駅跡
時計を見るとまだ14時過ぎと全然早い時刻だったので、横浜駅みなとみらい線の一日乗車券を買って、港の近く適当回ってみることにした。といっても、何か目的があるわけでもなく、赤レンガ倉庫日本丸を見て歩くだけだったのだが…。(余談:うわさに聞いてたY150の巨大クモもちらっと見えましたが、高い金を払ってでもこれを見ようという気にはなれませんでしたね。)そうこうしてると臨港線跡に出くわし、プロムナードに残った線路跡をたどってみることにした。最初はただダラダラと歩いていたのだが、そういえば一度は横浜港駅跡を見ておくとよい…とどこかで聞いたような気がしたので、いい機会だと思って探してみる。倉庫群もすっかり観光地化してしまったが、その奥の方にプラットフォームだけ残されていた。その昔、横浜から外国へ渡る際には必ずこの駅を利用して桟橋に向かったと伝えられているが、当時の人々はどんな気持ちでここを通っていったのだろう?結局、その後も何をするわけでもなく、山下公園を突っ切って中華街まで出てきてしまった。別に食事がしたかったわけでもなく、ただほっつき歩いただけだったが、何だかまた台湾へ行きたくなってしまったのは気のせい??最後に元町方面へ移動し、元町・中華街駅からみなとみらい線に乗り込み、これで今日の横浜散策は終えることにした。
横浜中華街
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
鉄道博物館、ポートトレイン横濱、鎌倉、土浦
昨日は思いもよらず横浜散歩をしてしまったが、今日も横浜つながりでとある列車の切符が取れていたので、そいつを利用することにしていた。横浜・神奈川デスティネーションキャンペーンの締めくくりというわけではないが、関東圏の各地とここ横浜を結んでいたポートトレイン横濱号がこの週末でひと区切りを迎えることになっている。一般的には遠方からの足としてキャンペーンを盛り上げる役とされていたわけだが、その筋の人(?)にとっては、普段一般乗りする機会の少ない列車と受け止められていたわけで、自分もあまり人のことは言えた立場にはない。とにかく貴重なチャンスとして楽しみにしてたのは否定しない。振り返ると、発売直後からその列車の指定がまったく取れない状態が2週間ほど続きやきもきしていたが、ある日ツアー枠が大きく開放されたとみえて無事指定を押さえることはできた。結局、最終的にはかなり空席が残っていたようなのだが…。さて、今日もポートトレインが走る時間帯は、早い時間に鎌倉へ向かった後、夕方から夜にかけて帰路に着くようになっている。前泊でもしない限り、早朝出発地に居合わせることはムリなので、復路に合わせて乗ってみることにした。だがそうすると、午前中は丸々いっぱい空いてしまい、実は昨日も貨物線踏破号の後で「いざ鎌倉へ!」を企んでみたが、そこまで頑張る気にもなれずちょっと遠慮してあった。
鉄道博物館 鉄道博物館
というわけで、空いた半日をどう過ごすかを考える。と、その前にポートトレインを利用してまた戻って来ることを思うと、ホリデーパスを手元に準備しておくのが一番楽な気がする。そして、一度買ったからには…と貧乏根性がはたらき有効活用する方法を考え、方向違いの場所=大宮にある鉄道博物館に行ってみることにした。開館以来かなりの人気だったが、とりあえずひと通り落ち着いたところなのではないかと思う。(後日談:ところが、そうでもなかったです。今度0系新幹線もやってくるようですし、ますます賑やかになってしまうかもしれません。)鉄道博物館は、大宮駅からニューシャトルでひと駅行ったところにあり、立派な建物の中には昔の電車から、時代々々を駆け抜けた通勤電車、ひと時は全国津々浦々を走り抜けていた急行型車両、かつての憧れの的だった特急電車など、当たり前だが多くの車両が展示されていた。一部には車内入れるものもあり、どこか懐かしいところへとタイムスリップしたような気分になれる。他にも一番人気のシミュレータや、数十メートルにもわたる歴史資料の展示など、見ごたえのあるもので溢れていた。そして、何より一番迫力があるのは、中央のターンテーブルに鎮座したSLで、日に何度か"回転ショー"が催されるとのこと。ちょうどうまいタイミングで見学することができたが、建物に響き渡る警笛の音は大迫力で、これは一見の価値ありだ。お昼を済ませてからここを出ようと思っていたところ、駅弁を買って建物の外にある展示車両で食事をするコーナーがあり、とりあえずそこへ向かう。なるほど、これもいい演出だな…。(後日談:鉄道博物館を再訪したときの旅日誌はこちらを、リニア・鉄道博物館へ行ったときの旅日誌はこちらを、京都鉄道博物館へ行ったときの旅日誌はこちらご覧ください。)
鉄道博物館 鉄道博物館
大宮を離れて鎌倉へ向かうことにする。湘南新宿ラインなら一本で行けるな…なんて思っていたところ、ほんの出来心(?)でグリーン車に乗ってみることにした。う~ん、快適、快適、、、と心の中でニンマリしていたところ、架線にものが引っかかりしばらく停車するというハプニングに遭遇、安全確認に少々手間取ったみたいだったが、大きく遅れることもなく無事鎌倉へやって来た。列車が遅れなくても、ゆっくり観光するような余裕は考えていなかったので、何となく改札を外に出て周囲を見回してホームへ戻ってくるくらいだった。そうこうしてるうちに、目的の列車である「ゆう」編成が普通列車の合間をぬってやって来た。停車時間はほんのわずかしかないので慌しく乗車、本当にあっという間に出発となった。この列車は遠く水戸支社から出張してきていて、普段は団体用に使われるお座敷列車である。一般売りしてくれたのはとてもありがたく、今回は貴重な機会になりそうだ。空席があることは分かっていたが、いざ乗り込んでみると周囲は思のほか空いていた。団体枠は人が密集していたようだが、これならゆっくりできそうだ。
ポートトレイン横濱
ポートトレイン横濱号鎌倉を出たあと東海道線へは入らず、大船駅の手前で根岸線へ渡っていく。その後、磯子、石川町、関内と昨日歩きまわった近くに停まっていくのだが横浜駅は経由しないで高島貨物線へと入っていく。このお座敷列車もグリーン車扱いなので、昨日のノリで貨物線の旅を楽しむことになる。ちょっと思い起こしてみても、高島貨物線列車で通った記憶はなく、昨日同様、独特の雰囲気はなかなか興味深い。最後に某社のビール工場の脇を通って東海道線に合流、今日も珍しい車両でレアな体験をさせてもらった。さらに、鶴見駅構内から武蔵野貨物線へと進路を移し、新鶴見信号所を経由した後、府中本町までの長大なトンネルを通過、途中、ひょっこり地上に顔を出す梶ヶ谷あたりでも、もう既に暗くなりかけていたので、どうやら天気はよくないらしい。以前もホリデー快速ぶらり鎌倉号で通ったことがあるが、秘密裏のように敷かれた路線を通ってみるのは楽しいものだ。3つ目のトンネルを抜けたあと、多摩川を渡りあとは武蔵野線に入っていく。今にも雨が降り出しそうな中、鎌倉駅で買っておいたお弁当で夕食をとることにした。(後日談:その後、ツアー等で武蔵野貨物線を通ったときの旅日誌はこちらこちらをご覧ください。)
高島貨物線
武蔵野線から常磐線へは、前回も貨物線踏破号で通ったばかりだったが、外は暗く景色はあまりよく見えない。最後に常磐線に入ると雨は本降りとなり、ホリデーパスが使える最遠地の土浦で下車、あとは帰るだけとなった。そういえば、常磐線もすっかり新しい列車に置き換わってしまったな…。雨のせいしたくはないが、結構な距離を帰らなければならないことを思うと、先程のまでのテンションがどことなく下がってくるような気がしてきた。(後日談:その後、同じような感じでこのルートを通ったときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
ポートトレイン横濱