■旅日誌
[2004/1] 春は遠く
(記:2004/1/19 改:2021/12/30)
(記:2004/1/19 改:2021/12/30)
ぜひとも恒例にしたい3連休遠征シリーズですが、やっぱり中日しか休むことができず単なる日帰りのドライブになってしまいました。おまけに、また前夜にお仕事を頑張り過ぎてしまいましたので、肉体的にはきついところではありましたがとりあえず1日かけてどこでもいいから出掛けることにしました。
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日帰り
とりあえず新年1発目のお出掛けである。時折吹き寄せる北西の季節風は強く、とても寒い朝だった。許されたのは今日1日だけなので、とにかくどこでもいいからまずは出掛けることにした。とはいえ、これ以上寒いところへ行くのもどんなもんかと思い、房総半島を南へ下ってみることにした。話の順番が逆になってしまうが、実はそう考えたのは首都高に乗ってからのことで、つい2、3日前に外出ついでに近くを通ったという理由だけで、なぜか今日は鈴ヶ森の入口から横羽線に乗ることにした。普段の平日に比べれば交通量は全然少ないのだろうが、休日のこの時間でも意外と車の数は多かった。大体千葉方面へ向かうときは湾岸線を利用することが多いのだが、横羽線に変なところから乗ってしまったため今日は京葉道路を使うことにした。あまり通り慣れない箱崎JCを抜け首都高7号線から京葉道路へと入っていく。もうすでに上り方向は渋滞ができていた。横風にハンドルを取られながら東へと進み、湾岸線と交差し館山道と名前が変わった先で下りることにする。その前に、市原のSAで一息入れておこう。鏡開きかどうかは分からないが、ぜんざいが振舞われていた。既に長い行列ができていたので並ぶ気にはならなかったが、こういうのに日本人は弱いのだろうか、すぐに"打止め"となったようで「ありがとうございました」という掛け声になぜか拍手と歓声が上がっていた。
ひとことに房総半島といっても、1日で海岸沿いをぐるっと一周するのは多分無理だと思う。よく伊豆半島一周ということを考えるが、単純に比べてはいけない。半島の真ん中あたりを南下しようと考えていたが、まずは久留里線に沿ってしばらく進むことにした。最近できたと思われる国道410号のバイパスは道幅もあり、久留里線とはやや離れたところを通っている。過剰投資なくらい立派な道であることはいいのだが、まぁ人のことまで深くは考えない。久留里線の本数はあまり多くはないので列車を見かけるようなことはないと思ったら、カラフルな姿をした編成とすれ違った。予備知識がないので何とも言えないが、イベント列車であろうか?しばらく国道と並走した後、ちょっと離れたところに終点の上総亀山駅はあった。折角なので寄ってみることにする。ここもかなり以前ではあるが、列車で訪れたことがある。そのときはバスで鴨川方面へ抜けるルートを辿ったように記憶している。どんずまりの終着駅で、いわゆる機まわしスペースも残されている。一日何便くらいやってくるのか分からないが、とても静かな駅だった。
駅のすぐ近くに亀山湖があるので、そちらにもちょっとだけ寄ってみることにした。お昼時の湖面は太陽に照らされ、眩しくキラキラと光っていた。周囲にはこれといったものもなく、対岸には亀山温泉などといった看板も見えていたが、貸しボート屋も開店休業状態で塗装のはげた橋をたまに車が通過していくくらいだった。もと来た道をしばらく戻るような形で走っていると、ちょうど近くの踏み切りが鳴り出したので列車を待ってみることにした。じきにガラガラの列車がやって来てそのまま通り過ぎて行った。国道とはあるが、この先すれ違いも困難なような場所も多くなる。房総の山中には結構このような道が多い。どれ程の客が期待できるのかまったく予想もつかないが、時折結構立派な施設が幟などを出して商売をしている。特に興味をひかれるようなものもなかったので、ほとんど素通りで千倉の手前あたりまでやってきた。内房線の踏み切りでもちょうど列車の通過に遭遇する。ここもどれ程の本数がやって来るのか分からないが、目の前を横須賀色の列車が通り過ぎていった。
程なくして太平洋が見渡せる場所へ出てきた。サーフボードを持った若者の姿が目立つ。青空も映え、時折押し寄せる白い波と濃い青色の海原がとてもきれいだった。太平洋を左手にしてこのまま進むと、房総半島の一番南のところへと出てくる。潮騒王国という看板が目に入り、車を止めてみることにした。どうやらここも道の駅のようである。建物の中に入ると中央にいけすがあり、地のものの魚介類が売られていた。通りの反対側では花摘みのお店が軒を連ね、色とりどりの花々が店先に並んでいる。カラフルな色彩は早くも春を感じさせてくれる。野島崎の灯台の近くで再び車を降りてあたりをひと周りしてみた。何も遮るものがないので、北西の季節風はとても寒く感じる。ひとしきり海を見渡したりしていたが、気がつけばもう3時近くになっていた。あまり時間のことを気にしていなかったが、ここから帰るのには結構距離がある。館山を後にして、まっすぐ北上する国道を西に折れ、最後に海岸沿いに少しだけ遠回りをして洲崎近くを通ってみることにした。"砂たまり注意"などというあまり見慣れない看板が出ている。浦賀水道のすぐ向こうには三浦半島で、金谷からフェリーも出ている。今日はここからもう少し北上してアクアラインを通ることにしていた。
覚悟していたとはいえ、金谷を過ぎたあたりから渋滞にはまる。海岸沿いの1本道なので仕方のないことかもしれないが、特に上総湊のあたりはひどく、どうも途中で途切れた高速道路やら何やら道が集まる格好になっているためらしい。どうにも迂回できそうもないのでじっと我慢することした。多少疲れも感じてきたので途中適当なところ休憩をとると、近くの公民館のようなところで成人式の式典が催されていた。ちょうど何かが終わったところらしく、異様な騒ぎが始まっていた。どこもかしこも荒れてると聞いたが、明らかに日本はダメな方向に進んでいるとしか言い様がない。変な話、人がどうなろうと別に気にしたくもないし、自分が困らない程度に生きていければいいことなので、こいうのには決して関わってはいけない。(謎) こいつらのように脳天気でいられるのは、それはそれで幸せなんだろうから、まぁいいじゃないか。そんなことより、明日にも過労死しそうな自分をもっと心配することが先決なはずだ。(爆)
ようやく渋滞を抜けられたと思ったら、日もとっくに落ちてしまいあたりはすっかり暗くなっていた。外の気温もぐっと下がり、さらに先を急ぐことにした。時間ばかりでなく燃料の残りも気にしないでいたら、残量を指す針は底をつきそうな程まで減っていた。高速に入る前にガスを補給しておくことにしよう。迷わず木更津から高速に乗り、そのままアクアラインへと向かう。いつだったかここを通ったときはえらい渋滞を引き起こしていたが、今日はまったく順調であった。朝から吹いてた季節風は止むこともなく、むしろ強くなっていたようで橋の上は強風で60キロに速度規制されていた。確かに恐いくらいハンドルが取られる。誰も頼んでないが…などと揶揄されることも多いが、10数分で東京湾を横断しきってしまうのだから便利なことには違いない。ただ、この料金はどうにかならないものだろうか?これでも大盤振舞いらしいが、採算性などまったく考えてないのは明らかだ。先日TVで800円にしろ!などと吠えてる連中がいたが、それは極端にしてもせめて1500円くらいにすれば、もっともっと利用する人も増えるんじゃないのかな?折角なので海ほたるにも寄ってみることにしたが、いやぁここもあまりにも立派過ぎである。一瞬だけだが外に出てみると、陸地じゃ体験できない程の強風が吹きすさんでいた。すさんでしまって寒いのは、気温だけじゃなく、世の中も、景気も、人の気持ちまでもそうなってしまったのではないかと思う年の始まりであった。