■旅日誌
[2010/3] NO.DO.KAな一筆書き
(記:2010/4/4)
(記:2010/4/4)
3月のダイヤ改正ではどうも姿を消すものばかりに目がいってしまいましたが、改正後、近所に新しい駅が誕生することになりました。折角なので開業直後の様子でも見に行こうと思い、その後でどこか行きたくなり、結局、房総半島をぐるっと大回りしてしまいました。温暖な陽気に春先どりな感じで、1つ珍しい列車も捕まえてきています。
※下線部をクリックすると写真が表示されます
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日帰り
この春のダイヤ改正で横須賀線の武蔵小杉駅が開業した。既存の南武線の駅とは距離もあり、かなり強引に接続したような形ではあるが、利便性が上がることには間違いない。ここに駅を作る話はかなり昔からは出ていたが、本当にできるのか疑ってただけに開業にこぎつけたことは大いに歓迎したい。なかなか垢抜けない横須賀線ではあったが、湘南新宿ラインが通り横浜以南と渋谷、新宿、池袋がダイレクトアクセス可能になったのに加え、今回の武蔵小杉開業でより注目されるようになった。おまけに、快速などの優等列車と成田エクスプレスの全列車、それと踊り子の一部が停車するというのもありがたい。ということで、早速、その開業直後の武蔵小杉駅へ行ってみることにした。(余談:多摩川を渡り急カーブにあったところで減速するため、どうせなら停めてしまえということもあったとか。)
ここ数年の武蔵小杉近辺の開発ぶりは目を見張るものがあり、超高層の建造物が雨後の筍のように次々と建設され、近未来を感じさせる街へと変貌しつつある。ひとつの街が誕生したといってもいいくらいで、横須賀線の武蔵小杉駅開業が実現したのも、ある意味必然だったのかもしれない。開業初日に駅周辺へ行ってみたが、いままでは考えられなかったほどの人の往来があり、街としての導線がまったく変わってしまっていた。ここらは、一時期通勤で通っていたところでもあり、この変わり様には驚くばかりだった。暗い話題が多いご時勢、こういった話は貴重なことかもしれない。(余談:近くをウロウロしてたら、久々にシャッターお願いします攻撃を受けてしまいました。)
開業翌日にあらためて駅へ来てみた。朝早い時間だったこともあり、昨日とは違って人の姿はまばらだった。早速駅へ入ってホームへ上がってみる。見慣れたはずの風景も違った角度からみると妙に新鮮なものだ。横須賀線と湘南新宿ラインの電車を何本か見送り、その間もすぐ隣を新幹線が通り過ぎていった。とまぁ、ここで時間をつぶしていても仕方ないので、これからいわゆる"大回り"で房総半島を一周することを考えている。近郊区間での"大回り"についての説明は思いっきり省略しするが、今日これから回ろうとしているルートをざっと書いておくと、こんな感じになっている。まず、東京駅で横須賀線を降りて京葉線に乗り換え蘇我へ、その後内房線を南下し、館山から安房鴨川までNO.DO.KAに乗車、とりあえず、こいつが本日のメインとしている。そこからは大網へ出て東金線で成東へ抜け、総武線を西へ戻ってこようと考えている。
蘇我駅で乗り継いだ電車は、懐かしい昔の色の古い車両だった。最近千葉で見かける電車は、昔ながらの車両からついこの間まで東京近辺を走っていた中古の列車へ置換えが進んでおり、妙にバラエティーに富んでいる。そういえば去年の春にはSLを見にこの辺りまでやって来たが、この時期少し早い春を感じるために房総へやって来るのも悪くはない。そんなことを考えながら、もう一度木更津で乗り換え、館山へ向かう。鋸山のときもそうだったが、今日も天気がよく、東京湾が見渡すことができた。館山でNO.DO.KAの到着を待つ。
NO.DO.KA編成は、新潟所属のカーペット敷きジョイフルトレインで、首都圏ではななかなかお目にかかる機会がない。4月には山梨の方へ向かう列車が設定されているもののすんなり指定を取るのは困難と判断、今回普通列車&全車自由席という大盤振る舞いだったので密かにこっちに着目していた。来週の三連休もNO.DO.KAの運転が設定されてたが、今週は能登の廃止に伴う489系車両の返却回送を利用した団体臨時列車ときが運転されるので、そちらに人が流れると予測し穴狙いのチャンスと考えていた。館山-安房鴨川間と運転区間は短かったが、日に2往復してくれたので乗車機会も多く狙い目としては正解だった。
そんな感じでNO.DO.KAに揺られ、のんびりと安房鴨川までやってきた。多少物足りない感じはするが、まぁ、この程度でちょうどいいのかもしれない。これで目的は達せられたのであとは乗り継ぎを重ねて帰ることにする。運のいいことに安房鴨川から勝浦までは、特急わかしおが普通列車として運転されるのでそいつを利用する。ここから先へ行くと、先程の東京湾とは違った太平洋の景色を眺めることができる。特急列車にタダで乗せてもらい後ろめたいくらいだったが、快適な時間を過ごすことができた。勝浦で再び古い感じの列車に乗り換えローカル線の旅に戻る。途中、上総一ノ宮あたりから快速を使えば一気に帰れしまうのだが、一筆書きにならないので大網で一旦下車、東金線へ乗り継ぐ。少し離れたホームに上がると、徐々に日は傾き始め、風が冷たく感じる。こうなると次の電車が待ち遠しい。やってきたのはは外房線からの直通電車で、つい先日まで京浜東北線を走っていたやつだった。確かコスト半分、寿命半分がうたい文句だったはずなんだけど、延命してリユースするというのがちょっと引っ掛かる。
郊外に広がる畑の中を進み成東へ到着、再びこの駅始発の総武線の古い電車に乗り換える。2、3駅進むと、行き違いの列車待ちで数分の遅れが出てたようだったが、次の駅で元に戻ったとアナウンスが入る。ダイヤにゆとりがあるといえば聞こえがいいが、悪くいえばかなりいい加減とも思える。さらにその先で臨時快速に追い抜かれるため、千葉駅には定刻から4分ほど遅れて到着した。その後、総武線快速電車で錦糸町を経由し緩行電車に乗り継いで代々木へ到着、山手線で折り返して目黒駅で一筆書きを終了にした。やはり、大回りは途中下車できないのが最大の難点だが、東京近郊区間が房総半島全体に広がったおかげでこんな無茶もできるようになった。この日も天気は快晴、まさにのどかな陽気のプチ旅行だった。(余談:結局、運賃は210円、お財布にもめちゃくちゃエコでした。(笑)大回りする際の注意事項ですが、ルールは違反してないけどすぐに説明できるよう準備はしておくといいです。切符もSuicaも時間切れ=不正乗車と判断され、出るときに自動改札は閉まるはずです。それと、万一事故、運休等に出くわした場合も保証は期待できません。キセルまがい(?)の行為まで面倒は見てくれませんのでリスクは覚悟しましょう。)