■旅日誌
[2003/12] 気になるあの駅へ・パート2
(記:2004/1/19 改:2009/3/15)
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先月と同じような企画(?)です。世の中的には年末の慌しい中、ひとり勝手に息抜きをしてきました。今回も鉄分5%未満ですが、いよいよ今年のお出掛けもこれで打ち止めとなりました。思い返すと、忙しい割にはいろんなところに今年は遠征したなと感心してしまいますが、それだけ何かの反動があったようにも思えてなりません。さて、来年はどんな年になるのやら…
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 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
横川、安中榛名
暮れも押し迫ったこんなときに何でお出掛けをしたのかよく分からないが、まぁ気にしないで欲しい。今年は本当に忙しい中、ラストスパートと言わんばかりに乗りつぶしに随分と費やしたが、どうしても寒くなってきてからはペースダウンとなってしまった。一応言い訳すると、寒い時期は日が短いので何か損した気がするというのもなくはない。ともあれ、ここ2回続いた謎のドライブというか、鉄分の低いお出掛けを今日も決行する。
横川駅 a>
またもや関越道からのスタートなった。今日は前回ほど無謀な長距離は考えてなかったので、やや遅めの出発とした。(後日談:前回の往復距離は裕に600キロを越えてました。(^^;)もう既に帰省ラッシュのピークは過ぎているようで、道は空いている。冬晴れの中、気持ちよく飛ばして上信越道に入る。ただ、関東平野を取り巻く山岳地帯を抜けてしまうとたちまち降雪地帯に迷い込んでしまうので、その手前でとどめておこう。なので横川SAから先へは行かないように手前の松井田妙義ICで降りることにした。下におりて4、5分程もすれば第一の目的地である横川駅に到着してしまう。言わずと知れた碓氷峠越えの手前側(?)である。横軽間が廃止されてから、もう何年経つだろうか?すっかり様子は変わってしまい、信越本線も分断され単なるローカル盲腸線の終着駅となってしまった。きれいに線路も剥がされてしまっているかと思ったが、ところどころ残されており、その先は鉄道公園として整備され動態保存されてるものもあるようだ。横川駅の広い敷地跡には雨ざらしで放置された車両も多くあり、何だかちょっと痛々しい感じもした。ひとしきり見てまわって、駅の正面に向かってみることにする。ここもこじんまりとした雰囲気のいいところで、ちょっとだけホッとした気分になった。横川の名物といえば、なんといっても峠の釜めしがある。このように格下げされてしまったであっても、頑なにかつてのスタイルでの駅売りを行っているという。おぎのや本舗ののれんは何か誇らしげでもあった。これから峠越えを目指す代替バスは次の列車の到着を待っていた。どれ程の人がこれを利用するのだろうか?ややほこりまみれのバスは何かとても物悲しげに見えた。
信越線の路線沿いには国道が走っており、横川駅の向かい側にはおぎのやさんの大きなドライブインがある。高速道路のSAなど、他の場所にもこのような感じで施設があり結構人気があるという。「おぎのや」といえばあの立ち売りがあまりにも有名だったが、信越線の終焉にもめげずにいい意味で早くから多角展開してきたことで、いまでもこうやって質の高いサービスを提供し続けている。(後日談:聞くところによると、世に出た峠の釜飯の数は創業以来で1億個を越えたとか。日本の国民が1回は口にした計算になりますね。)その努力には敬意を払いたい。さて、理屈っぽい話はこれくらいにして、ちょうどお昼時でもあるし早速その釜めしをいただくことにしよう。ドライブインの中は結構なお客さんで賑わっていた。お目当ての峠の釜めしを買い求め、早速封を開ける。特にこれといって特筆することはないようにも思うのだが、飽きるどころが逆にそれがとても安心感を与えてくれる。うんうん、これこれ、、、具沢山のごはんを一口ほうばったところで一人納得していた。もっとゆっくり味わおうと思っていたのだが、たまらず一気に平らげてしまった。後日談:横川駅の様子についてはこちらの旅日誌もご覧ください。)
横川駅
引続き第二の目的地を目指すことにする。国道を逆方向に戻り、高速道路の高架をくぐってすぐに左に曲がるところを探す。カーナビを見ると通り過ぎてしまったようだがそれらしい道が見当たらない。気がつくのが遅れたが、どうやら手前で立体交差になってるようだ。すぐに引き返してあらためて道を探す。トンネルを抜け、いかにもといったような田園風景が続く。確かこの辺で右に曲がるはずだ。広域農道…などといった道路に入る。こういう肩書きのついた道は、縦割り行政のお役所のする仕事であることがよく分かる。まぁそんなことはどうでもいいとして、くねくねとしたあまりいい状態ではない道を先へ進む。ところどころ砂だまりのようになっていて、横に流されちょっと恐い。一応、地図にも出てる道ではあるのだが…。そのまま進み少々開けたところに出てくると、やがて安中榛名駅の方向を示す標識が出てきた。ここかな?といったところを左折すると、造成地として整備されつつある場所をきれいな道が通っていた。以前はもっと原野の風景だった聞くが、それでも建物らしきものは何にもない。よくもこんなに生活感の感じないところに新幹線の駅をつくってしまったものだと感心するばかりだ。
横川駅
駅前のロータリーには数台の車が駐車してあった。客待ちのタクシーもいる。それにしても噂に聞く通りの秘境駅だ。(笑) 地元タクシー会社に空車を常駐するよう要請したが断られたとか、この駅に関する"伝説"は多く聞かれる。群馬県は日本でも屈指の自家用車保有率で有名だが、バス会社にも路線敷設を一度は断られたという。新幹線の駅前だというのに、自動車の駐車スペースを無料で開放しているのも信じがたいがどうやら本当のようだ。車を降りての建物の中に入ってみることにした。新しくて立派だが、それほど広くはない。気がつけばおぎのやさんがここでも店を出していたが、やはり閑古鳥状態だ。ちょうど下りのあさまが到着する時刻になった。どれほどの人が利用しているのだろうと興味を覚えたが、改札を通ったのは10人ほどだった。いやぁ、さすがにこれはすごい。
横川駅
何をするわけでもない、ここに立ち寄ることが目的だったので、これだけでもう満足し帰ることにした。地図を見ると駅の北側は未完成で道が途切れているようだが、立派な道路が続いているのでそちらを目指すことにしてみた。道幅にも余裕があって、いくつものトンネルが連なる山々をぶち抜いていた。出口が見えない程勾配のきついものや、いやぁ実に値が張りそうなトンネルである。もちろんすれ違う車もまったくない。安中榛名駅同様、どないなってるんねん?と素朴な疑問も感じる。途中日陰の部分に残雪があったりして、足元がふらつきかけて焦るようなこともあったが、やがて国道らしき道にぶつかり、人里の外れのようなところに出てきた。しばらくして高速道路のICの標識を確認し、今日は早いうちに帰ることにした。何だかいろいろなものを見せてもらって、不思議な年の瀬というか充足感のようなものを感じていた。
安中榛名駅