■旅日誌
[2022/12] 郷愁・初冬の奥久慈
(記:2022/12/25)
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コロナ禍以降、2、3度、車でプチ遠征したことはありましたが、今回は日帰りながら列車旅を決め込んで鉄分補給してきました。今回、目指すは茨城県の水郡線・DLすいぐん号、ちょっとレトロなディーゼル機関車が重連で12系客車5両編成を牽引するというもので、よしこれは乗ってみよう!とお出掛けしてきました。
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 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
水戸、DLすいぐん、常陸大子
テレワーク中心の生活は相変わらずで、外出するといっても近所に買い物に出かけるくらい…。極端なことを言えば、通勤でも電車は電車、まったく乗る機会がないというも何か物足りないというか、どうにかならないものだろうか。おまけに遠出できない状況もあって悶々としていたが、今回は関東近郊であまり深入りしないようなところへ足を延ばしてみることにしてみた。直近でお出かけしたのはGWの成田方面で、列車旅となるとさらにさかのぼってコロナ禍直前の富山、そうか、もうかれこれ2年半以上経ったのか…。
DLすいぐん
コロナの影響だけではないと思うのだが、最近イベント列車は減りつつも、いまどきの観光列車はむしろ増えてるのかなぁ~などと、そんなことはどうでもよくて話を本題に戻す。前振り通り、水郡線DE10重連12系客車を引っ張るというので、遠征してみることにした。列車の名前はDLすいぐん号、座席確約のツアーもあったのだが、時折チェックしているとちらほら空きが出るタイミングもあり、無事に往復窓側の座席を確保、水戸常陸大子間を往復することにした。
EF65 2085が牽引する貨物列車
DLすいぐん号の出発時間は10時過ぎなので、それに合わせて品川駅8時15分発のときわ号に乗ることにした。今回は始発ガリガリでというわけでもなく、それなりに余裕もあったので普段あまり利用しない新川崎駅へ向かう。最後の全検を終えて鮮やかな国鉄色をまとったEF65 2085機が引っ張る長編成の貨物列車を見送り、今日は横須賀線から始める。DLすいぐん号の指定券と往復の乗車券を発券しておく必要があったのだが、いつの間にかえきねっとの仕様が変わっていて、乗りもしない列車で乗車券を予約しなければならないのがどうしても違和感アリアリだった。
ときわ53号
常磐線の特急を利用するのは三春の滝桜以来、何をするでもなくぼーっとしてるうちに水戸駅へ到着、隣のホームで目的の列車が入線するのを待つ。出発まであまり時間がなかったが、あらためて赤いディーゼル機関車の重連青い客車を引く姿を見ると、少し昔へタイムスリップしたような何か懐かしさのようなものを感じていた。ちなみに列車を牽引した機関車DE10 1654・DE10 1604はいずれも昭和48年に運行が開始されたのでおよそ50年のベテラン戦士、客車の方は高崎でSLに引かれるものだった。
DLすいぐん
ホームのお見送りを受けて列車水戸駅を出発、常磐線の線路から分かれてすぐに那珂川を渡りしばらくは住宅街のようなところを進む。最初の停車駅である上菅谷を過ぎたあたりから車窓の風景は自然を感じるようになる。客車独特の機関車に引っ張られる感覚もすっかり忘れかけていたが、初冬の山里に響く警笛音はどこか郷愁を誘い、沿線で手を振る姿もどこか微笑ましいものがあった。途中、常陸大宮駅には停まらず、さらに久慈川沿いを進み、今年復旧を終えた区間を過ぎるとやがて終着の常陸大子駅へ到着する。
水郡線の車窓
折り返しの常陸大子駅水郡線の主要駅で、滞在時間は3時間強、列車到着後機回しする様子を見たあと、から少し離れてお昼にすることにした。大子町といえば近くにある袋田の滝が有名だが、今回はパス、まずは地のものを…ということで奥久慈しゃもの親子丼をいただく。なるほど、弾力のある触感としっかりとした旨味は普段口にする鶏肉とまったく違うもんだなぁ…。荷物になるので購入しなかったが特産物の直売所を眺めたり、昭和レトロの商店街を歩いたり、駅近くにある永源寺(別名:もみじ寺)まで足を延ばし、境内散策したりして滞在時間を過ごす。もみじの季節は過ぎてしまったが、初冬の山里はいかにも日本の原風景といった風情だろうか。見覚えのある交差点HMが飾られた休憩所駅前のSL、、、日帰り温泉という手もあったかなぁ~なんてことも考えたが、久々の旅気分を味わってるうちに帰りの列車の時間が近づいてきた。
永源寺(もみじ寺)
夕食用に特製弁当を買い込み、再びDLすいぐん号に乗り込む。名残惜しいがこれで奥久慈の休日はおしまい、日が短い季節だったので進むにつれ車窓の様子はやがて夕闇へと変わり、水戸駅に到着する頃はすっかり暗くなっていた。往路・復路ともに途中の列車交換待ちを含めて1時間40分ほど、退屈過ぎず、物足り過ぎず、奥久慈ののどかな風景を楽しむにはちょうどいいくらいの時間だろうか。品川から水戸まで特急でストレートでつながってたこともあり、水戸までの往復はそれほど苦ではなく、ちょっとした息抜きになっただろうか。さぁ、次もどこかに行きたいものだ…。
DLすいぐん