■旅日誌
[2008/7] 休息にはラベンダーを
(記:2008/9/23 改:2009/11/29)
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楽な仕事などあるわけない、、、理屈では分かっていても、人間そんなに強いものではありません。そんなときいつもならお出掛けして気分転換…といくのですが、それすら余裕もなく少々めげそうだったので、とりあえず一息入れることを考えてみました。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
大沼公園、ナッチャンRera、三内丸山遺跡、はまなす
というわけで休んでる場合ではなかったが、一日や二日くらい休日を返上したところでどうにもならないので思い切ってひと息入れることにした。気持ち的にも冷静に予定が組めるような状態ではなかったので、細かいことは考えず一泊二日のラフプランだけ準備して出掛ける。とりあえず思いついたのは、7月上旬なら北海道のラベンダーかな?ということだけで、この冬の流氷ノロッコに続いて美瑛・富良野ノロッコ列車にでも乗ってみようと思う。
羽田空港
出発前日の深夜に帰宅…というより当日早朝と言った方が正しいかもしれない。この状態で寝入ったら起きれそうもないので、身支度を整えてそのまましばらく待機することにした。ちょっと早めだが羽田へ向かい、いつものようにラウンジでお茶をしながらひと呼吸おく。目の前で出発便が行きかう中、ただいつもと違うのは、ボーっとしつつも仕事のことが頭から離れないでいることだった。今回は時間の関係で往復とも"赤組"のお世話になる。往路の函館行きはB777-300、ジャンボ機並みのキャパを誇るこの機種だが過去に利用したことがあったか記憶は定かではない。現地の天候は濃霧、視界不良のため羽田引き返しの条件付きで運行とある。こっちの気持ちを見透かされてるのか、初っ端から何か試されてるようで妙な気分だ。
函館・湯の川
函館空港過去何回か利用したことがあったが、東京から向かうのは今回が初めてである。幹線路線とみえて朝早い大型機の便にもかかわらず、満席に近い着席率である。かなり後ろの座席に陣取り離陸後しばらく窓の外を眺めていたものの、郡山上空を過ぎたところから雲がかかり下の様子が分からなくなってしまった。津軽海峡を越えたあたりから前線の影響を受けるだろう、とコックピットから報告があった通り、小刻みに揺れ続ける機内で函館に降りれるのかどうか、じっと待つことになった。高度が下がり視界が開けると競馬場の上空を通過するところだった。霧ということは逆に風が強いわけではないので、視界さえ確保できれば着陸できるはずである。スーッとタッチダウンしたあとは3000mの滑走路をもてあますようにして減速、悪天候下でこれ程スムーズにランディングできるのはパイロットの腕がいいのかシップの性能がいいのかよく分からないが、とりあえず無事着陸できてよかった。
大沼公園
飛行機に乗ってる時間はわずかだったので北海道にきたという実感がわかない。そんなわけで、到着したもののどこか行きたいという場所もなく、とりあえずバスで移動できそうな場所でも…ということで、今日はこれから大沼公園へ行ってみることにした。路線バスっぽくない大型のバスは大沼にあるプリンスホテルに行くための足のようなものらしく、1時間ほどかけて移動したあと自分ひとりを残してみんなホテルの玄関口で降りていってしまった。まだ先に行くのかい?と運転手さんから声を掛けられ、貸切状態で終着大沼国際交流プラザまで運んでもらう。バスを後にして早速大沼公園へと向かうことにしよう。
大沼公園
函館空港ほどの濃霧ではなかったが、駒ケ岳の姿はまったく見ることができず、少し残念だった。歩きまわるにしても小1時間ほどしか余裕がないので、近くの小島を巡って一周してくるコースを散策してみることにした。大沼はいかにも北海道という雄大な風景が楽しめる場所なのだが、一方で観光地化されてしまってるのも事実で、最近特に増えたアジアの方々の団体さんが多く訪れるポイントでもあるようだ。別にそのことをとやかく言うつもりは全くないのだが、静かな湖畔という雰囲気ではなく、なんとも落ち着かない。これならガラガラの観光船にでも乗っていればよかったか…。
大沼公園駅
水辺散策を楽しんだあと、再び大沼公園駅へもどり、列車で函館方面へ向かうことにする。特急が行きかう幹線といいつつも、実体としてはローカル線なので本数はおしなべて少なく、うまくタイミングをあわせて函館行きの普通列車を捕まえることにする。1両でやってきたキハに乗り込み、空いてるボックス席を占有する。ゆっくりとした加速が一段とのんびりとした気分にさせてくれる。30分ほどで五稜郭駅に到着し列車を降りて、今日はこれから少々変わったつなぎでの移動を考えている。と、その前に、駅前の通りを左に折れたところにいい感じでお弁当屋さんがあったので、ここで昼食を調達しておくことにした。
函館本線
函館本線に架かる陸橋を渡り、その向こう側に目印にしていた函館市民病院が見えてきた。病院前のバス停でしばらく待つとフェリー乗り場行きのバスがやってくるので、ここで時間待ちすることにしていた。から意外とあっさりと着いてしまったので、かえって時間が空いてしまい、向かいのスーパーで涼んでおくことを考える。時間にあわせて再びバス停まで戻ると、ちょうど目的のバスがやって来たところだった。函館まで来ておきながら、すぐさま本州に戻るのももったいない気がするが、今日は高速フェリーに乗るのも目的のひとつだったので、それはそれでよしと割り切って考える。バスはフェリー乗り場に到着、既に目的の船=ナッチャンReraは車両の積み込みも済ませてしまってたようで、あわてて乗船手続きを取って乗り込むことにする。
五稜郭駅
もうまもなく出航の時間なのでフェリーターミナルの見学などする間もなく手続きを済ませなければならない。ターミナルの建物はまだ出来上がったばかりで真新しく、システムのいまどきのものとあって発券機に携帯のQRコードをかざしてチケットの購入と乗船手続きを済ませる。大型船ということもあり乗船口は高い位置あるので吹き抜けのところをエスカレータで2階、3階へと登っていかなければならない。搭乗口では係の人が待ち受けており、明るく笑顔で挨拶される。これは飛行機のボーディングブリッジとまるで変わらないな…。今日これから乗るのはナッチャンReraという名前の東日本フェリーが誇る最新鋭の大型高速フェリーである。自動車200台とトラック30台くらいは搭載可能で、乗客の定員は1700名超、そして青森-函館間を約2時間で結ぶという足回り、世界でも屈指のスペックだと思う。ちなみにナッチャンReraというのは少々妙なネーミングだが、外壁のイラストを描いた小学生の愛称ナッチャンにアイヌ語で風を意味するReraという言葉をあてたという。このがお披露目されたのは2007年の8月で、その後も姉妹船のナッチャンWorldが就航しており、乗り物好きとしては一度乗ってみたいと思っていたものである。(後日談:乗客数は決して悪くないと聞いてましたが、燃料費の急激な高騰などもあって赤字が膨れ上がり休止せざるを得ないという電撃的なニュースが飛び込んできました。この後すぐのことだったので本当に驚きました。)
ナッチャンRera
船内の座席はエグゼクティブクラスとエコノミークラスに分かれており、上級クラスはさらに2クラスにカテゴライズされている。このあたりもまた航空機にそっくりである。エグゼクティブクラスのサービスにも惹かれたが、日ごろの睡眠不足を考えると2時間爆睡しておしまいのような気がしてたので今日は一般席にしておく。(後日談:路線廃止と分かっていればエグゼクティブクラスにしていたと思います。)普通席といってもシートピッチは十分で、自由に使えるパブリックスペースソファーを備えており、キャビンはとても広々としていた。現に自分も席にはあまり座らずに、所要時間の半分はソファーでくつろいでいたくらいだ。従来船に比べると運賃が割高、横になるスペースもないと弱点もあるだろうが、青函トンネルを利用することに比較してみても時間、運賃はそれなりに競争力があるので、夜行バスとの連携や団体客の取込などもっと認知度を上げればこれからも期待は持てるのではないかと思う。(余談:ツアー客や修学旅行らしき団体さんもいましたが、その点を思うとエグゼクティブクラスの方が落ち着くかもしれませんね。実は青函連絡船に乗ったことがないので比較するポイントはまだ他にもあるかもしれませんが、それだけに突然の廃止のニュースはびっくりでした。)先程買ってきたお昼を済ませた後も、売店を見学したり、カフェでお茶したり、外へ出てすれ違うナッチャンworldをみたりしてるうちに2時間長の船旅はあっという間に過ぎてしまった。(後日談:廃止後、ナッチャンWorldが1度だけ復活する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
ナッチャンRera
青森に到着し下船したあと外を見回して、待機していた連絡バスに乗り継いでいく。ほとんどの人が車やバスでの移動とみえて、いわゆる徒歩客としてフェリーを利用している人はわずかばかりだった。バスは新しいフェリーターミナルの建物を出たあと、従来船のターミナルにも寄ってから海岸沿いを進んで行く。途中、北方漁業博物館の近くを通ってベイブリッジを越え、あっけなく青森駅へ到着、さてと、、、これからは本当に何も考えてなかったのだが、4、5時間フリーな時間がある。とはいうもののもう間もなく夕方といったところなので、あまり遠くにも行けない。どうしたものかと考えてしまったが、バスを降りたところで三内丸山遺跡という文字が目にとまり、どうやらこれからでも十分に往復できそうなので行ってみることにした。
ナッチャンworld
しばらく待ってからやってきたバスは市内のバス停にこまめに停車していく。ようやく郊外に出たな…といったところで三内丸山遺跡の入口へと到着、遺跡というには不釣合いな雰囲気のする建物に少々困惑してしまったが、まぁいい中へ入ってみることにする。高い入場料でも取られるのではないかと思いきや、どうやら無料で見学できるらしい。妙な空間を抜け建物の外へ出ると遺跡はその先にあるようだった。さらにもうしばらく歩かされた後、ようやく遺跡群が見えてきた。ここ三内丸山遺跡は縄文時代のもので、当時はかなり大きな集落だったという。高床式の建物竪穴式住居が復元されていて、遠目にはなんとなくそれっぽく感じられる。出土品の展示ドーム型の建物に保存されている六本柱建物跡などを見学しておく。特に日本史に造詣があるわけでもないのだが、学校でもう少し真面目に勉強しておけばよかったと毎度毎度の反省を繰り返す。
三内丸山遺跡
青森駅近くの食堂で夕飯を済ませ(後日談:その日は適当に入ったお店でしたが、何度かTVで紹介されてたくらいですので、それなりに名の通ったところだったようです。)それでもまだ時間に余裕があったので駅近くの図書館のような場所で時間をつぶすことにする。そうしていても気がつけば仕事のことばかり考えてしまい、ちょっと脳の状態を切り替えるためにも持ち合わせてたPCの電源を入れて書き溜めてあった旅日誌の続きでも書くことにした。再び青森駅に戻り急行はまなすの入線を待つと、やがてDEに引かれ列車がやってきた。最近の夜行列車の"粛清"ぶりは非常に複雑な思いがするが、こうやってブルーの車体客車を見るととてもわくわくするものである。折角なので、向こう側のホームにも行って写真でも撮っておくことにしよう。
三内丸山遺跡
ちょうど通りがかった車掌を捕まえ検札を済ませておいて指定された座席に着く。はまなすカーペットの2階席はちょうどひとり分の空間が区切られており、寝ることだけ考えれば狭いながらも十分にくつろげる空間だった。列車は定刻に出発、窓が狭いので外の景色を眺めるのにはあまり快適とは言えないが、横になって夜汽車の雰囲気にひたるのも悪くない…といいながらも、またも仕事のことが頭から離れず、なかなか眠れそうにない。車内は減光され、とりあえず目をつぶって、じっとしたまま休息を摂っておくことにした。蟹田の運転停車のあと青函トンネルを通過し、しばらくすると函館到着となった。ぼんやりとした意識の中、列車はひたすら走り続けていた。
はまなす
函館駅ではしばらく停車時間があり、機関車の付け替えも行われるので一旦外へ出てみることにした。空路函館入りして、船で青森に戻り、再び列車で舞い戻るというのも普通じゃ考えられないが、いつものようにまぁそれはそれとしておこう。外は霧雨のような感じで煙っていた。北海道内を牽引していくDDが連結されるのを見て、再び自分の"居室"に戻り出発を待つ。進行方向が逆になり、ガクンという小さな衝撃とともに列車は再び動き出した。進行方向と平行に横になっているので意外と揺れは感じない。まぶたを閉じて、とりあえず何も考えないことにしょうと自分に言い聞かせる。
はまなす
途中停車駅の車内放送は省略されないので、長万部、東室蘭、苫小牧と案内されているのは記憶のどこかに残っていた。南千歳に到着する前に顔を洗ってもうしばらくぼんやりしながらやり過ごすことにする。そんな感じで、眠れたのか眠れなかったのかよく分からないまま終着の札幌に到着となった。列車を降りてホームの先頭まで行くとここまでお世話になった機関車が朝日に照らされており、思わずお疲れ様と声を掛けたくなった。今日は札幌で途中下車できないので、次の列車が来るまでホームで待機していることする。すると、もう間もなく廃止になってしまうまりもが到着、まったくガラガラというわけではないが、それでも利用者の数はそれほど多くなく、ちょっと寂しい状況だった。
はまなす
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
スーパーカムイ、富良野・美瑛ノロッコ、ファーム富田
今日はこれからまず旭川へと向かう。札幌-旭川間は道内でも数少ない稼ぎ頭のひとつで、特急列車はすべてスーパーカムイという名前で統一されることになった。札幌近郊の特急列車をみると、経年数の高い古い車両がまだまだ使われており、新車を入れて玉突きしていく方針がとられたようだ。スーパーカムイに替わる前のスーパーホワイトアローとは完全な置き換えではないので、新車が来るか旧SWA車が来るか分からないらしい。まぁ1本落としても次の時間には影響ないので、少し気長に待ってもいいかなと思う。結局そんな心配はよそに、新車がやってきたのでそいつで旭川まで向かうことになった。
スーパーカムイ
郊外へ出てしまうと車窓は田んぼかりの北の大地の風景となり単調な景色が続く。そんなわけで睡魔を携えながら旭川に到着、札幌で1本落とす必要がなかったため早めに着いてしまった。あまり朝食を摂る気になれなかったが、駅内の売店にあったメロンパンが気になり、結局そいつが朝飯代わりになってしまった。少しだけ駅を離れて街中へ歩き出したものの、特に何か目に留まるものもなく無駄に時間を過ごしてしまったようだった。まだ少し早いかもしれないが、とりあえず富良野線のホームへ向かうことにしよう。高架工事は着々と進んでいるようで、富良野線ホームに抜ける長いトンネルはなくなってしまうのだろうか??
美瑛・富良野ノロッコ
富良野線のホームに出ると既に美瑛・富良野ノロッコ号は入線していた。何だ、これならもっと早くくればよかったな。この列車の大半は自由席なので、適当に席を確保しておいて車内の様子をうかがっておくことにする。最初はどれくらの混みようになるか分からなかったが、出発するときにはほぼ席が埋まるくらいの盛況ぶりだった。旭川駅を出ると列車は右にカーブし、ぐんぐん加速していく。しばらく国道と並行する区間が続くのだが、ノロッコ号というには似つかわない爆走ぶりである。暑くてたまらず窓を空けてあったが、吹き込む風が強くどうしたものかなと思うくらいだった。とりあえず西神楽で上り列車と交換したあとは、文字通りのノロッコ運転に戻り少しホッとした。
美瑛・富良野ノロッコ・車窓
車窓はヨーロッパを思わせる丘陵地帯が続く。北美瑛小学校の三角お屋根の案内があったりと、ようやく観光列車っぽくなってきた。乗車証明が配られ思わずオレンジカードも買ってしまったが「何ですかこれ?」と聞いてる人もいて、suicaやicocaなどのおかげで認知度は低くなったのかもしれない。美瑛、美馬牛と、車窓はしばらくのどかな風景が続き、今日は富良野の手前のラベンダー畑駅で降りることにしている。ラベンダー畑駅は1面1線の簡素なつくりの臨時駅なのだが、結構な人がここで降りることになる。そう、みんなが目指す目的の場所までは徒歩で数分のところにあり、列車を降りたあともずらずらと列を成して歩いていくことになった。
美瑛・富良野ノロッコ
その目的の場所というのはラベンダーで有名なファーム富田である。時期的にまだちょっと早いようだが、早咲きのラベンダーは既に見頃を迎えており、今日も大勢の人が集まってきているようだった。2、3年前まではひどい渋滞で有名な場所だったと聞くが、大きな駐車場ができたおかげでパニックになるようなことはなくなったと聞く。ぱっと見、まるでテーマパークのようだが、ファーム富田自体は農業を生業としている。いまでは「ラベンダー」と言えば初夏の富良野の風物詩のような存在だが、かつては苦労の連続だったという。いつものように詳しいことは識者に譲るとして、こうして癒しの効果に着目し『商品』として育て上げてきた努力には頭の下がる思いだ。思わず買ってしまったラベンダー入りのソフトクリームを味わいながら、そんなことを考えていた。時間もそうあるわけでもないので、早速見学に行くことにしよう。
ファーム富田
ファーム富田ではラベンダーだけでなくいろいろな花が栽培されており、そのときどきによって色鮮やかな花々が楽しめるという。花の名前はよく分からないが、赤や黄色の色彩がとても印象的だった。そしていよいよラベンダー畑へと向かう。遠めに見ると本当に紫色の絨毯で、多くの人々がこの淡い紫色の小花の鑑賞を楽しんでいた。よーく近づいてみると、一株一株はちょぼちょぼといった感じなのだが、遠くからみたときの眺めは、本当にお世辞でなく圧巻としか言いようがなかった。
ファーム富田
さらにその先のへ行ってみると、緩やかな斜面にびっちりとラベンダーが植えつけられていて、下から見上げても、上から見下ろしても、本当に美しい光景に見入るばかりだった。そんなこんなでラベンダー畑を行ったり来たりしてるうちに時間が過ぎていき、気がつけば正午になっていた。あまり昼食のことは考えてなかったので特にこだわりなどもなく、敷地内にあるお店で地の野菜と粗挽きソーセージを使ったカレーをいただく。食事というのは雰囲気が大事だと思うが、本当にこれまた美味な逸品でとても贅沢な気分に浸ることができた。
ファーム富田
その後も作業場の様子やお土産屋さんなどを見学してるうちにどんどん時間は経ってしまい、そろそろ帰らなければならない頃になっていた。この美しい景色を後にするのは本当に名残惜しいのだが仕方ない。帰りの足も美瑛・富良野ノロッコ号なので、午前中降りてきたラベンダー畑駅まで歩いてもどっていく必要がある。と、その前に、ファーム富田に隣接してあった富良野メロンの直売所がどうしても気になり、軽く立ち寄ることにした。立ち込めるメロンの甘い香りに心奪われ、こうなれば切り売りしてる赤味のメロンは試さないわけにはいかない。早速その場で食べてみると、なんと芳醇な味と香りだろう、、、そもそもメロンなんて贅沢品を口にする機会なんてそうはないのだが、甘み、水分、香り、こんなに美味しいメロンは食べた記憶がなかった。
ファーム富田
そんなこんなでラベンダー畑駅に戻ると、もう間もなく列車が入ってくるところだった。わずか2、3時間だけの滞在だったが、ちょっとでも癒されたような気はしたので、今日ここへ来て本当によかったと思う。緑一面に囲まれた線路の向こうから、逆向きに機関車に押される格好で美瑛・富良野ノロッコ号が入ってきた。これからラベンダー見物に向かう人と入れ替わる格好で列車に乗り込み、去り行く景色を眺めながらこの地をあとにする。終点富良野に近づくにつれ富良野岳の姿が大きく見えてきたが、なぜか郷愁を誘う。一体、この感覚は何なのだろう??
ラベンダー畑駅
富良野駅に到着し、バスに乗り継いで旭川空港へ向かう。しばらくはいま列車でやってきたところを戻る感じになる。旭川空港を利用するのは、奥尻の帰り以来のことになる。いつもながら「だったらあのとき無理してこなくても…」と思うのだが、まぁあまり深く悩んでも仕方ない。(苦笑)先程のノロッコ号の乗り心地が最高だっただけに、どうもバスはいただけない…と思ったら、なんとエアコンが不調とのこと。いくら北海道とはいえ、今日のような日でに暑いものは暑い。窓を開けたまま、バスは丘陵地帯を走り抜けて行った。
美瑛・富良野ノロッコ
旭川空港が近づいてきたところでどこか見覚えのある風景だと思ったら、利尻へ向かう前に車で遠征してきた場所であることを思い出した。そのときも中途半端だったが、ここらは見所も多い場所だけにもっともっと時間を掛けてまわってみたいと思う。旭川空港到着後、帰りの便までは時間に余裕をもたせてあったので、お土産品などを物色しながら少し時間をつぶす。この2日間を振り返ってみて気分が晴れたかというとそうでもなかったかもしれない。明日からももう少し頑張っていけるか分からないが、とりあえずアクセントにはなったのだろうか。帰りの>飛行機から見た真っ赤な落日が痛いほど強烈なものだった。
富良野