■旅日誌
[2008/7] 三宅島タッチ
(記:2008/9/30 改:2015/11/21)
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全国空港めぐりと称して定期路線の就航している空港をひと通り制覇したのは去年のことでしたが、雄山の大噴火以来、7年半以上閉ざされていた三宅島空港がこの4月に再開されたため、いちどは出向かなければならないと妙な義務感にかられてました。実は5月に一度計画していたのですが、そのときは欠航となり、この日は2度目のチャレンジとなりました。
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 日帰り
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三宅島空港、航空科学博物館
相変わらず仕事の方が立て込んでいたが、どうにか三連休の真ん中の1日だけは休んでおくことにしていた。前振りの通り5月にいちど予約は取れたものの、そのときは火山ガスの影響欠航となってしまいあえなく撃沈、今回は2度目のリベンジである。三宅島といえば、2000年8月の雄山の大噴火により4年以上もの間、全島避難という状況が続いていた。いまでも島内には火山ガスの影響で高濃度地域が指定されており、長時間の滞在が制限されている場所がある。ちょうど三宅島空港がそのエリアに入っていたこともあり、ようやく空路が再開されたのがこの4月、噴火から7年半を要することになったということらしい。
羽田空港
空港を再開するにあたっては、東京都と運行を担当するANAの間で調整がされていて、雄山から噴出される火山ガスの影響=機体への損傷(メンテナンスや洗浄)乗務員の健康被害などを調査した結果、条件付きでGOとなったらしい。当面の間は1日に1往復、西寄りの風でない場合、ということなのだが、それでも欠航率は40%程度と見込まれ、前回は見事に欠航になってしまった。噴火前はYS-11が1日2往復していたものの、YS-11は既に引退してしまっているので大島便を担当するエアーニッポンネットワークのQ300旧椿塗装)が就航しているようである。前日の天気予報では東寄りの風、天気は晴れと出ていたので、どうやら欠航にはならないようである。運行可否のアナウンスは当日の朝6時半頃、最終判断は出発1時間前ということなのでとりあえず羽田へ向かうことにする。前回はラウンジでお茶しただけでおしまいになってしまったが、今回はコンディションもよさそうなのでどうにか飛んでもらいたいものだ。
三宅島行き・欠航の案内
最初は往路、復路のどちらかでフェリーを利用しようと思っていたが、船便の欠航率も思いのほか高く、リスクを負いきれないので今回は"行った→帰った"の三宅島タッチとすることにした。少しでも島に滞在していたい気持ちはあったが、"島流し"だけは避けなければならない。まぁ、行きに飛べば帰りも飛んでくれるだろうということで、単純に往復することにしていた。ということもあり、今日はいつもと違って車で羽田へ向かうことにした。羽田到着後、ラウンジで待機していると11時頃に運行が決定、そういえば、神津島と新島を日帰りで往復したこともあったな…などと考えながら、Q300へ乗り込む、A-netのこの機材は、何といっても花柄のオリジナル塗装が大きな特徴だったが、いつの間にかANAカラーに変わってしまい、少々残念な気もする。着席率をみると、意外と空席も残っていたように思う。羽田空港は小型機の乗り入れが制限されているが、離島便のこのQ300だけは例外的な扱いを受けており、ジェット機ばかりの中では確かに異質な感じがする。
羽田空港
ダッシュエイトに乗るのも久しぶりである。右側のプロペラから始動、左側のプロペラも始動されたあと、いよいよ出発。プロップ機独特のゴーンという音を響かせながら、見慣れた羽田の中をタキシングしていくのもちょっと不思議な感じがする。大きなジェット機に囲まれながら離陸の順番待ちしたあとテイクオフ、しばらくは房総半島の上空をいく。比較的低い高度を飛んでいたのだが、思ったほど視界はよくないようで、遠くの景色がかすんでよく見えない。相模湾上空へ出た後も大島などが見えるわけでもなく、5~10分ほどベルト着用サインが消えていただけですぐに着陸体勢へと入る。三宅島が視界に入ったのも着陸直前だった。島の東側を高度を下げながら一旦南に向けて抜けたあと、180度旋回して滑走路へ向けて降りてくることになった。
Q300
定刻より10分ほど遅れて三宅島空港へランディング、短い滑走路に降り立ち減速したあと、滑走路の先で転回して駐機エリアまで戻ってくる。中途半端な場所だな?と思ったら、どうやらここに以前の空港の建物があったらしい。ちょうど高濃度の指定地域に入ってしまうため、建物は移動され、ほんのわずかな距離だが、乗客は必ずバスに乗って移動することになる。新しい空港の建物はほとんど仮設施設のようだった。実は、島に滞在するには観光客でもガスマスクの携行が義務付けられているのだが、乗り換えのような感じで直ぐに折り返していくので、そこは許される範囲らしい。ほんの数分ではあったが、空港の建物の外に出て、周囲の様子をちょっとだけ確かめて、再び帰路に着くことにした。
三宅島空港
とても手狭な施設とあってセキュリティチェックに時間がかかってしまい、帰りの出発は定刻から20分以上遅れてしまった。復路の羽田行きはほぼ満席、滑走路の南端にポジションをとってその場で推進力を確保してからブレーキをリリース、久しぶりのスタンディングテイクオフだった。所要時間は40分ほど、フライト自体はあっけないものである。これでアカコッコのステッカーが貼ってあった機体とはお別れ、いつものポジションに沖止めなので到着ロビーまでバスの移動となった。(後日談:残念ながら、ANAは三宅島便から撤退、Q300も退役しました。)
Q300
羽田には特に用事はないので、このまま帰ることにした。が、到着が少々遅れたとはいえ、まだ中途半端な時間である。今日は車で来たことでもあるし、ちょっとひとっ走りして行こう。首都高から東関道を経由して空港手前で一般道へ降りた後、成田空港の脇を通過してしばらく南下し、航空科学博物を目指す。別に飛行機マニアになったつもりはないのだが、思いつきでここまで来てしまった。展示物をしばらく見学したあと、成田空港から飛び立つ飛行機など眺めて時間をつぶす。朝の時点では三宅島タッチのあとに、成田まで来るとは思ってもいなかったが、結果的に飛行機三昧の一日となってしまった。さて、次に飛行機に乗るのはいつのことになるだろうか??
航空科学博物館