■旅日誌
[2010/11] 信州、新旧共演
(記:2010/12/12 改:2025/1/18)
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運だめしと思って予約を入れた指定2種類が連続して取れてしまい、急遽遠征することしました。JR東日本があらたに導入したハイブリット車のJT・リゾートビューふるさとが飯山線に入ると聞きつけ初日はその初乗を、翌日は大糸線で旧客を使った臨時列車が走るということで秋の安曇路に行ってきました。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
飯山線、リゾートビューふるさと、十日町、ほくほく線
あぁ~~やっちまった!!朝、目が覚めて、何が起きたのか理解するのに一瞬空白の時間があった。心身ともにヘトヘトだったせいもあり、ふと気が緩んだかいきなりの寝坊、一度は諦めかけたが、ダメ元で一か八かのバクチに打って出ることにした。とはいうものの、山手線の中にいるはずの時間なのに布団の中にいたのだから、さぁ大変、、、とりあえず、自宅最寄り駅までマラソン大会!(苦笑)その後、武蔵小杉駅で横須賀線に乗り継ぐルートに賭けてみることにした。あの通路がえらく長く感じられたが、すぐにやって来た7:04発の千葉行きに飛び乗る。東京駅到着が7:22で、あさま505号の出発が7:28と再びダッシュ、、、どうにか発車ギリギリで滑り込みセーフ…。ふぅ~~、ほとんど奇跡に近い状況だったが、よい子はマネしちゃダメだからね♪
リゾートビューふるさと
あさま505号は上野にも止まらない速達便なのだが、長野着が8:53でお目当てのリゾートビューふるさと(=十日町そばまつり号)の出発が9:00と、ここもまったく余裕がない。こうならないように実は1本前の新幹線に乗るつもりだったが、まったく当てが外れたどころか、朝っぱらとんだ大失態を演じてしまったわけだ。その十日町そばまつり号は何事もなかったかのように定刻に出発、慌しくもギリギリ接続を考慮しての出発となった。ようやく落ち着きを取り戻し、こうしてリゾートビューふるさとの初乗にこぎつけたことにひと安心する。今日は快速・十日町そば祭り号という愛称で、普段とは違う飯山線を走るとあって着目していたが、折角取れた指定を無駄にしなくて本当によかった。
リゾートビューふるさと
長野を出発すると、右手の車庫には見慣れた車両がたくさん停まっていた。京浜東北線を走ってた209系や旧NEXの253系、中には彩編成などの姿も見えたが、廃車を待つ車も少なくない。豊野を過ぎ信越線に別れを告げると、りんご畑の向こうに建設中の新幹線の高架が見えてきた。北陸新幹線の開業は一体いつになるのだろう。さて、このリゾートビューふるさとだが、やはり新車の快適さ気持ちいい。それも最新鋭のハイブリッドカーと、これまた興味を覚えるところである。駅を出発するときはモータを使って走り出すのでほとんど電車のような感覚だが、パワーを必要とするところでディーゼルエンジンが始動し気動車そのものの印象を受ける。ハイブリッド車は小海線で1度経験したことがあったが、飯山線は意外と平坦なところが多く、エンジンをまわさずに走ってる時間が思ったよりあったような気がした。
リゾートビューふるさと
列車の中に着目してみると、ゆったりとしたシートは特急列車のものと遜色なく、一段と高くなった座席からの眺めもなかなかいい。運転席の後ろには展望スペースがあり、自由にくつろげる空間にもなっている。また運転席に取り付けられたカメラの映像が、時折車内のモニターにも映し出され、先頭の様子を楽しむこともできる。これならグリーン料金をとってもいいくらいだが、普通指定席のみに抑えられているというのも嬉しいところだ。このリゾートビューふるさとは長野をベースに松本を経由して大糸線に乗り入れることになっているのだが、秋田や青森などこれから方々でも新規導入が予定されている。これは期待したいところだ。(後日談:青森の方にもあらためて利用する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
十日町そばまつり号・十日町駅
千曲川の流れ山間の景色を車窓に見ながら、列車は無事十日町へ到着…と思ったら、あと数百メートルのところで事件発生…。けたたましい警笛音を鳴り響かせ列車は急停車、後方の乗務員室では防護無線の発信音がむなしく鳴り響いており、ただことではことはすぐに分かった。すぐさま乗務員が列車の外へ出て後方に走っていく姿が見えたが、先頭の展望席にいた人の話によると、横断中のおばあさんをはねてしまったかもしれないとのことだった。しばらくして救急車や警察の車両も到着し、ただ遠くから見守ることしかできないのだが、なんとも言いがたい時間が過ぎていく。その後、一旦戻ってきた車掌から、奇跡的に無傷だったとの放送があり車内には安堵の空気が流れる。ギリギリのところで接触しないで済んだものと想像されるが、普段通るはずのない時間に列車がやって来たのだから、かなり驚いただろう。 レスキューやら警察やらで一時騒然となったが、現場検証も比較的短く済み、40分遅れで運転再開、1、2分走って十日町駅へと到着した。(後日談:その後、観光列車・おいこっとで飯山線を利用する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
十日町地そばまつり
朝からハプニング続きだったが、今日はもうひとつのお目当てだった十日町の地そばまつりにも足を延ばすことにしている。地元から15店ほど出店が出され、300円で小盛りのそばを楽しむことができるという。もちろん全部まわるのは不可能に近いのだが、3店ほど食べ比べてみた。3杯目は飽きてきたので天ぷらのトッピングを添えてみたが、川えびや地の野菜のかき揚げがことのほか美味しく大満足だった。
ほくほく線・ゆめぞら
そば祭り会場を後にして、歩いて十日町駅へと戻ってきた。今日はここから直江津まで移動することしている。そこで最後にもうひとつ欲張って、ほくほく線ゆめぞら号に乗るってみることにしている。高架のホームに出てみると、日は徐々に西に傾きかけ、やがて目的の列車が入ってきた。ぱっと見ごくごく普通の列車なのだが、車内は音楽と映像を演出する大仕掛けがしてある。トンネルを通ったときに天井に映し出される映像と迫力ある音響効果は思ったより本格的で、これまた意外と楽むことができた。トンネルばかりの路線であることを逆手に取ったなかなかアイデアと言えるだろう。
ほくほく線・ゆめぞら号
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
直江津、大糸線、南小谷、レトロ大糸線号、松本
2日目は直江津からスタートする。0番ホームで待っていた普通列車に乗り込み、ここから糸魚川へ向う。かつての寝台車を改造した車両は非常にゆったりとした乗り心地ではあるが、経年劣化というか、どことなくへたってきた感は否めない。いつまでこの面構えが見られるのか、少し先を案じてしまう。梶屋敷を出たあと、糸魚川の手前で北陸線名物のデッドセクションを通過し、ここで列車を降りる。北陸新幹線の工事は粛々と進んでおり、3月に来たときからまた少し景色が変わっていた。その3月のとき、最後のキハ52に乗車した大糸線非電化区間を南小谷まで下っていく。味気ない小振りな車両に置き換わってしまったが、車窓の山間の景色は深まる秋を感じるさせる素晴らしいものだった。
レトロ大糸線号
南小谷駅へ到着し、正午をまわったところでレトロ大糸線号がやって来た。今回、この列車牽引する釜EF64-38で、大糸線内で旧客3両を牽引する。懐かしいカラーの元祖0番台だが、茶釜の37号機がいまいち不調とのうわさもあり、今日は38号機が就いたという話もある。多くのギャラリーに囲まれ、折り返しのため機回しされる様子を眺めたあとで、姫川べりの景色のいいところで軽く昼食を済ませておくことにした。
レトロ大糸線号
今日は昨日以上に天気もよく、本当に雲ひとつない快晴である。安曇路紅葉もちょうど見頃のようだ。白馬連峰に目をやると既に山頂付近は雪をまとい、紅葉と積雪のコントラストがとても映えていた。収穫を終えた畑はどこか牧歌的で、松原湖の優雅な姿など、流れる景色をただひたすらボーっと眺めてるのもとても贅沢に思えた。旧客に乗るのも随分と久しぶりのことになるが、昔ながらの電気機関車のモーター音や客車の奏でるジョイント音、時折響く甲高いホイッスル、、、早過ぎもなく、遅過ぎもなく、列車のペースがこれまた心地よい。そんな秋の大糸線を満喫する1日となった。
レトロ大糸線号の車窓
列車は定刻で松本駅へ到着、ありきたりの感想ではあるが、過ぎてしまえばあっという間の2時間だった。昨日はどこか落ち着きのない1日になってしまったが、その分今日はゆったり過ごせたような気がする。そんな名残惜しいところではあるが、今日はここらで切り上げることにしよう。時刻は午後4時をまわったところ、とりあえず駅弁を買い込み、臨時のあずさで新宿へ向かうことにする。秋の日は釣る瓶落とし…というように、山間は日が落ちるのも早い。帰りはあっという間に視界がなくなり楽しみはお弁当くらいになってしまったが、昨日犯した失敗を思えば、いまこうしていられて本当によかった。
レトロ大糸線号