■旅日誌
[2009/6] 出發、レトロ横濱號
(記:2009/7/12 改:2015/11/21)
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今年は横浜開港150周年ということで開国博Y150が開催されています。これにあわせて横浜・神奈川デスティネーションキャンペーンが展開されますが、横須賀線開業120周年と東海道線全通120周年を記念して、レトロ横濱というイベント列車が走ることになりました。旧式の客車を電気機関車がはさんで走るいわゆるプッシュプル型です。東海道線でこの手のイベントが行われるのは珍しいことでもあり、旧式の客車に乗れる貴重な機会なので思わず小田原まで行ってしまいました。
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 日帰り
ルート概略
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レトロ横濱、小田原
先日のリゾート踊り子のときもそうだったが、指定を取るのはかなり難しいだろうと考えていた。ところが、今回も運試しと思って近所の駅へ事前予約の申し込みをしておいたところ、運よくチケットが取れてしまった。駅まで取りに行くと、ちょうど窓口で操作してくれた駅員さんに当たったようで「1発目はダメだったんですけどねぇ、ひと呼吸おいてもう1度叩いてみたら運よく1枚出てきたんですよ!」と多少興奮気味にそのときの様子を語ってくれた。こういった方に出会えると余計に嬉しく感じる。いやぁ、まったくもって、感謝、感謝である。
レトロ横濱
ちょっと説明を加えておくと、レトロ横濱号はこの土日に横浜小田原の間を「東海道線バージョン」として1日2往復する。また、今月の下旬には「横須賀線バージョン」が横浜と横須賀の間を走ることになっている。回数が多いだけ乗車のチャンスも多いように思えるが、人が集まりやすい場所だけに競争率は高かったかもしれない。さて、今回は土曜の東海道線バージョンの2回目の上り=4号に乗ることにしていたが、折角なので最初の便が出発するところから見ておこうと思う。というわけで、朝9時半過ぎに横浜駅へ向かい、小雨が降る中、回送で入ってくるところを隣のホームから見守ることにする。ホームが狭いのでパニックにならないか心配だが、JRの職員もロープを持って臨戦態勢に入っている。あれ?あの人、、、最近見掛けないなぁと思ったら職場でも変わったかな?? 今回のチケットもゲットしてくれた例の駅でよくお見掛けした人だったのでちょっと懐かしく思った。おや、こっそりデジカメ出して撮影してるけど、、、まぁ、みんな人の子だってことで…。(苦笑)
レトロ横濱
今日の主役であるレトロ横濱号旧式の客車を電気機関車で挟んでいわゆるプッシュプルの型で運行される。下りの小田原側で先頭に立つのは、通称PトップことEF65 501号機、反対の上りの横浜側は茶釜ことEF64 1001号機が連結されていた。折り返し時の機関車の機回しが困難なのでプッシュプルにしたものと思われるが、ともに専用のヘッドマークが掲出されていて、イベントっぽい雰囲気が十分に出ていた。遠め目にも輝いて見えるPトップも、重厚感漂う茶釜もどっちも絵になっている。普段、組まれることのない編成を目の当たりにすると、ちょっと格好よくも思う。とりあえず写真にでも少し残しておこうか…。午後、実際に乗れるのが楽しみになってきた。
レトロ横濱
横浜を出発する列車を見送り、駅を離れる。今日、列車に乗るのは小田原からの午後の便なので、一旦小田原まで移動することを考える。このまま東海道線で直行してもいいのだが、ちょっとアクセントを加えたいので、相鉄海老名まで出て、小田急に乗り継ぐルートで行ってみようと思う。相鉄もしばらく見ないうちに垢抜けた電車が多く走っていた。小田原に着いたところで時計をみるとまだお昼前で、目的の列車まで全然余裕があるので、近くを少しウロウロしてみることにした。朝方の雨はどうにか止んでおり、とりあえず小田原城へ向かってみることにした。少し遠回りして大手門を目指して歩き出す。
レトロ横濱
お城の敷地へ着いてみると、遠くから太鼓の音が聞きえてきた。音のする方へと向かうと北条太鼓の演奏が行われており、しばし見物することにした。雨が降っていれば中止になっていたかもしれないが、空を見上げると相変わらず梅雨のはしりのような感じだった。近くには花菖蒲が見頃を迎えており、通りすがりの人も足を止めて見入っている。さらに進んでいくと城内にはミニ動物園があり、象のウメ子が愛嬌をふりまいていた。象がいることはここへ来るまですっかり忘れていたが、日本で飼われてるインドゾウの中でもっとも高齢の象だという。お城に動物園というのも妙な取り合わせだが、もともと人寄せのために併設された動物園はちょっと中途半端で、ひとりでいるウメ子がかわいそうにも見える。しかし、飼育員の献身的なお世話のおかげで日々平和に過ごしているようだが、そんなことを思い出しながら天守閣へと向かうことにした。
小田原城
小田原城はいつか来たいと思ってたところだったので、ちょうどいい機会になった。このお城を取り巻く歴史絵巻を紐解いていくと興味は尽きることなく、まぁ、そこらの話については一切省略するが、天守閣の中に展示された資料は、数も多く意外と見ごたえがあった。さて、お城に来たからにはやはり一番上まで行かなければならない。小高い岡の上に建つ天守閣からは相模湾が一望でき、また、反対側に目を向けると箱根や丹沢の山々が続いていることが分かる。一方で足元には小田原駅がよく見えて、列車が頻繁に行き交っていた。特急あり、貨物列車あり、それから小田急やら新幹線など、結構飽きないものだ。たまたまドクターイエローが通り過ぎるのが見えたが、そんな感じでいるうちにいい時間になってきたので、腹ごしらえに小田原らしいものでも探しに行こうと思う。
レトロ横濱
普段に比べちょっと贅沢なお昼を満喫し、再び駅へ戻ってきた。特別な列車がやってくるということで、駅の中ではイベントが行われている。ホームに下りて周囲に混じって列車がやってくるのを待つことにしよう。遠くで機関車のホイッスルが聞こえたると、やがて列車がゆっくりと入線してきた。駅長さんと思しき方もポーズをとったりして、駅の中はより一層華やかな雰囲気になってきた。さて、いよいよ列車に乗り込むことにしよう。中に入ると独特の香りもして、タイムスリップしたかのような雰囲気がまたいい。今日のレトロ横濱号は4両編成で、もちろん満員。列車は定刻で出発、長めの警笛が響き渡り、ガクンという客車独特の衝動を感じて走り出す。ハイケンスのセレナーデが鳴りアナウンスが入ると、より一層旅気分がわいてくる。正午を回って再び振り出した雨はすっかり止み、いつの間にか日も差してきていた。いつものように、やっぱり晴れるんだ…と自分の晴れ男ぶりをあらためて思う。旧式の客車は空調もなく、窓を開けると心地よい風が入ってきた。沿線に詰め掛けたギャラリーも多く、こうやって注目されるのも悪い気はしない。ロングレールではないところで刻むジョイント音はとても心地よく、少し時代をさかのぼったような雰囲気がまたいいものだ。電車と違って走り出したあとの加速はゆったりとしたもので、全般的にもっとトロトロ走るものと思いきや、トップスピードは意外と出てるようだった。
レトロ横濱
つい先日、リゾート踊り子で来たばかりなので、外の景色はどことなく記憶に残っており、列車は途中いくつかの何駅か通過して順調に飛ばしていく。国府津、藤沢、大船と見慣れた駅を戻ってくる。新しいN’EXがちらっと見えたりしたが、レトロ横濱はあっという間に横浜へ到着。ちょっとした小トリップだったが、日常の中の非日常といった感じで、とても楽しめたように思う。横須賀線バージョンでは客車が7両連結されるとのことなのでさらに迫力が増すだろう。主催する側は大変かもしれないが、こういったイベントはもっとやってもらいたいものだと思った。(後日談:その後、旧客に再び乗る機会がありました。そのときの旅日誌はこちらこちらをご覧ください。)
レトロ横濱・指定券