■旅日誌
[2009/10] 十和田・奥入瀬~三沢航空祭
(記:2009/12/13 改:2012/8/11)
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一度でいいから航空祭というものを間近で見てみたい!とずっと思い続けてましたが、念願かなって三沢の航空祭へ行くことになりました。例年なら9月に行われるところ、今年は15年ぶりとなるスペシャルメニューも加わり10月の開催でした。前乗りする都合もあり10月になったおかげで十和田から奥入瀬をまわることができましたが、見事な紅葉にこれまた素晴らしかったです。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
十和田湖、奥入瀬、八甲田
当初から前泊して三沢航空祭に臨むつもりだったが、折角なので十和田湖奥入瀬渓谷に行ってみることにしている。今年の三沢航空祭サンダーバーズがやって来るということで、開催日が例年の9月から10月に変わり、そのおかげでちょうど紅葉の時期と重なった。これまでも青森には何度か来たことがあるが、今回はまだ行ったことのない十和田湖奥入瀬渓谷をまわってみようと考えている。当初は、盛岡で花輪線に乗り継いで十和田南からバスで北上するルートを考えてみたが、あまりの効率の悪さに断念、結局、青森空港でレンタカーを借りることにした。朝一の便なので、これならたっぷり1日使えそうだ。
三沢航空祭
今日もいつも指定している車種を選択すると7000キロしか走ってない"ほぼ"おニューに当たった。最近は静音性もよくなったのか、快調にスタートを切る。空港から十和田湖までは30~40キロと少し距離がある。黒石を過ぎて徐々に山道へ入っていくと紅葉がきれいで、山々が色づいてることに気がついた。というのも、実際ここへ来るまでそんな時期だったことをすっかり忘れてて、いい加減な自分にやや反省、、、と、途中休憩を入れながら木々の紅葉に感動しつつ十和田湖へ到着。燃えるような山々をバックに青々とした湖面が映え、まるで絵画のような最高の眺めだった。心地よい秋晴れは文句の付けようがないな…。
十和田湖
十和田湖畔でちょっぴり贅沢な昼食を済ませ、定番の乙女の像を見学、休屋から少し移動して奥入瀬へと向かう。奥入瀬渓谷として有名な場所はここから14キロほど続いており、数多くの見所が点在している。しかし、車を停めておける場所はほとんどなく、正直に歩き通すと4時間はかかってしまう。とりあえず子ノ口から銚子大滝まで往復してみたが、紅葉というりも、まだ緑が残っていた。それでも、木々に囲まれた中水の流れを感じながら歩くのも悪くはないものだ。
十和田湖・乙女の像
奥入瀬渓谷に沿って国道102号が通っており、唯一車が停められる石ヶ戸へと向かう。混雑してるので強制的に素通りさせられることも覚悟したが、偶然にも運よくちょうど目の前で出て行く車があったので、すかさずサクっと場所を確保。おかげで一番いいところが見学できそうだ。ここもTVとか映像でしか見たことがなかったが、実際にやってくると本当に素晴らしい場所だということが分かる。森の空気といい、水の流れといい、こんなところなら何時間でも居られそうだった。やっぱり来たかいがあったなぁ~
奥入瀬渓谷
そんな感じでのんびりしてても、車を返さなければならないので、移動することを考える。今日は十和田市の営業所で乗り捨て返却するようにしていたが、何かもったいなかったので、もう少し頑張って遠回りできないか検討、、、ナビをみて八甲田山の周囲をくるっと回ってみることにしてみた。道路もいい感じで整備されてて、適度に変化のある山道はドライブするのに最適だった。交通量も少なく、周囲の紅葉を満喫しつつ進んでいくと、偶然にも雪中行軍の銅像にたどり着いた。どうやら、その雪中行軍が通った場所をなぞっていたようだが、真冬だったらとんでもなくすごい場所だったように思う。そうこうして日が暮れていった。明日の本番を前に、今日は今日でとても充実した1日を過ごすことができた。
八甲田山
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
十和田市、三沢基地・三沢航空祭
明けて2日目、今日は早朝から行動を起こさなければならない。前振りの通り、航空祭には一度でいいから行ってみたいと思っていたが、実はつい先日も百里基地に行こうと決心したところ、見事混雑に巻き込まれ、結局近寄ることすら許されず、やむなく断念、、、と苦汁をなめる結果となっていたので今回は気合して臨んでいた。といいながら、あまり予習はできてなかったのだが…。(苦笑)
三沢基地
言うまでもなく三沢基地米空軍航空自衛隊が共用する施設で、その三沢基地で年に一度開催される航空祭は内容も規模も恐らく日本一だろう。前にも書いた通り、例年なら9月1週目か2週目に行われるところ、今年は1ヶ月近く遅い10月の開催だったが、それには理由がある。特に今回は、恒例の航空自衛隊ブルーインパルスの他に米空軍サンダーバーズが15年ぶりにやってくるということで、いわゆる当たり年とも言えるらしい。(余談:サンダーバーズがどれほど凄いかは、他で検索してみてください。とにかく凄いんだそうです♪)後から知ったことだが、例年10万規模の人出が今年はなんと26万人、、、去年は悪天候でデモフライトもキャンセル続きで7万人どまりだっただけに今年はいかに盛況だったかが分かるだろう。
三沢基地
ところで、三沢基地があるのは青森県、、、なので東京をはじめ遠方からやって来るには少々努力が必要だ。どこもそうだが、航空祭となると当日の混雑は尋常ではなく、ここ三沢の航空祭もツアーを企画する旅行会社の神経の使いようは相当なもので、例を挙げると、JALのツアーでさえ八戸のホテルを早朝5時に出発するなど、過剰なくらいの予定が組まれている。そこまでしても見たいか?と思われるかもしれないが、実際に行ってみると、そこまでしても見たい!というのが結論だった。その三沢市だが、市といっても地方の小さな街で、宿泊施設が十分あるわけでもなく、道路のキャパも不十分。(普段なら十分こと足りてるだろうが…)では、地元以外の人間はどうするか?というと八戸か青森に泊まって電車を乗り継いで最後は自力(=徒歩)で駆けつけるのが一番確実のようだ。ちなみに今回は十和田市に投宿し、十和田電鉄を利用して(後日談:残念ながら十和田観光鉄道は廃止されてしまいました。)三沢駅へ出てシャトルバス会場入りした。(後日談:年に一度のこととなれば、足元みてとんでもない価格を設定したりするものですが、そこは青森のいいところ、普段通りの格安設定のままで泊まることができました。おまけに飛び込みで夕食を頼んだにも関わらず快く引き受けてもらい、その内容と量にびっくり!翌日も臨戦態勢で1時間早く朝食を出してくれるなど、最高のおもてなしを受けることになりました。うれしい誤算にただただ、感謝、感謝!!)
三沢基地
三沢駅から基地までは2、3キロと行ったところなので、徒歩で20~30分はかかる。でも、基地の中も半端なく広いので同じくらい歩かなければならない。なので、体力をどう使うかは十分考えておかなければいけないわけだが、そもそもメイン会場そのものが滑走路規模なので何しろ歩くことになる。から正面入口付近まではシャトルバスが出ているのだが、交通渋滞に巻き込まれ、行きも帰りも使い物にならない。ただし、早朝なら余裕があるので利用する価値は十分あるようだ。もちろん車で行く方法もあるにはあるが、離れた駐車場で車を置いて会場入りすることになるので、やはりそれなりの覚悟は必要だ。思いっきり早い時間でないと、すぐに渋滞にはまり身動きがとれなくなるのは危険性は非常に高いらしい。
ブルーインパルス
さて、いよいよ基地に到着してからだが、航空祭当日は全面開放でゲートは素通りできる。普段の厳重な警備を思うと不思議な気分だ。中に入ると広々とした敷地に、整然と建物が建ち並び、そこはもう日本ではない。一応、敷地内も無料のシャトルバスが走っているが、やっぱり混雑するので、早朝以外はつらいようだ。ところがここでひとつポイント!そのバスというのが、米軍の車両も混じって運行されるので、うまくすると無骨な軍用車に乗ることがでる。運よくその米軍のバスに乗ってみることができたが、これでさらに気分は高まる(?)というわけだ。
ブルーインパルス
ようやくメイン会場の入口に着くと、ここで初めてセキュリティチェックがある。自衛隊の人と米軍の人とが混じって荷物検査を行っていたが、気のよさそうな若い米軍の兵士はあまり荷物の中を見ようともせずに「ダイジョウブ、ダイジョウブ、ネ!」とだけ言って通してくれた。人によって緩かったり厳しかったりするみたいだ。ここまで来るのにひと苦労だったが、メイン会場に入ると、、、いやぁ、広い、広い、広い、すぐ目の前は誘導路と滑走路、でもっていろんな飛行機展示されている。飛行機以外にも各種車両機材、また格納庫とか倉庫なども公開されてて、中にはミサイルや機銃などの兵器も展示されていた。とにかく見るべきものは多い。当たり前だが滑走路は横に3、4キロはあるわけで、それだけでもスケールの大きさは伝わるではないだろうか。航空祭のプログラムは9時から15時までとなっていて、本番前これだけで疲れちゃいそうだが、デモ飛行が始まれば展示物を見てるヒマもないだろうし、早く行動を起こしたことも幸いして7時に会場に入りし、ここでたっぷり時間をかけられたのは正解だった。それでも既に多くの人がいたが、でも本当にすごかったのはこの後のこと…。
サンダーバーズ
開会式は9時からで、そこからいよいよ本番展示となる。軽く挨拶がわりにオープニングのデモフライトがあり、パラシュート部隊による演習デモ大型ヘリによる消火訓練の様子が紹介される。そして午前中の目玉は航空自衛隊ブルーインパルスによるアクロバット飛行デモンストレーションとなる。総勢6機、主に4機が編隊を組んで2機はソロ飛行を行う。初めて間近で見た戦闘機迫力はどう例えたらいいだろうか、そのスピードも爆音の凄さも、いやぁ~~すごい、すごい、これは感動ものだ。フォーメーションを組んでの飛行も素晴らしく、映像で見るのと本物を見るのとではまったく印象が違う。すぐ頭の上というか、上空360度を使っての"演技"は本当にお見事だった。(後日談:途中6号機がバードストライクを起こしたようで早々に帰還してしまい、一部には5機による編隊飛行も見られました。ブルーインパルスについては、翌年の入間航空祭でも見学する機会がありました。)
サンダーバーズ
そんなこんなで気がつけばもうお昼、、、三沢のいいところは、随所に東北地方という地の色が出ていることだともいわれている。見学に来てる人もビニールシートを敷いてまるで遠足気分なんていうノリで、飛び交う東北弁が微妙に言い感じだったりする。もちろん米軍関係の家族連れの姿も多く、会場のアナウンスは日本語と英語が交互に流れ独特の雰囲気だった。三沢航空祭は人の多さもそうだが、模擬店の賑わいもまた半端ではなく(余談:何度も繰り返しますが、本当に凄いんです!)各地の名物料理も多く見られた。模擬店の中には米軍関係者がやってるお店も多くあり、Tシャツやステッカーなどのグッズ類や、いかにもといった感じのファーストフードやジャンクフード、そして本場アメリカの飲み物などが目についた。自分もアメリカっぽいファーストフード系のものを試してみたが、あまりにも人が多くて身動きとれず、できればもっと他にもトライしてみたかった。
サンダーバーズ
さて、午後のプログラムは何と言ってもサンダーバーズによるフライト・デモがメインとなる。実は自分もあまり詳しくないので後付けの知識になってしまうが、このサンダーバーズは紛れもなくアメリカ空軍トップ・デモチームで、どうやら米軍には2つのメジャーチームがあり、そのうちのひとつらしい。アメリカのトップチームなら、それはすなわち世界一といってもいい。展示飛行に使われる戦闘機F-16は実戦にも配備されるもので、その性能は素人目にも半端でないことが分かる。サンダーバーズはアメリカ国内に留まらず世界中を渡り歩いていて、今回はアジアパシフィック地域への遠征の一環としてここ三沢航空祭でもショーを披露したということだ。何回も書いてるように、サンダーバーズが日本に来るのは15年ぶりで、前回は悪天候のためキャンセルになったといういきさつもあり、期待は相当高かったようだった。
サンダーバーズ
サンダーバースも6機からなり、4機は主に編成を組み2機がソロの役回りである。午前中のブルーインパルスもよかったが、いやぁ、こちらの飛行はもっともっと凄かった。戦闘機のスピードも、編成を組んでのアクロバット飛行も度肝を抜くものばかりで、本当に素晴らしいショーを見せてもらった。4機揃って大きく旋回するのは当たり前、飛行しながら隊形を変えてみたり、一旦離れたかと思うと旋回してきて至近距離ですれ違ったりと、凄い凄いとは聞いていたが、本物の迫力は圧巻だ。F-16の性能にもただただ驚くばかりで、目の前を何度もローパスして行くのは鳥肌ものというか、感動すら覚えた。凄かったといえば、目の前の滑走路に横から進入してきて、ほぼ垂直に向きを変え上空に向かってトップスピードで一気に飛び去るとこなんぞは、あっけに取られるばかり、、、あのスピード感はこれまでの目にしたことがないものだった。実際、初めてみたアクロバット飛行世界トップクラスだったというのは、この上なく運のいいことだと思えた。そもそも一度に日米トップ2チームを一日にして見てしまったのは、まるで「すし・天ぷら」と「ステーキ」を一度に食べた…というか、うまく言えないが、まぁ、そんな感じだった。某CMじゃないが「贅沢だぁーー!」といったところだろうか。サンダーバーズが帰還したあと、突然目の間をB52が通り過ぎていった。どうやらこの1回のためにわざわざグアムからやってきたらしいが、大型の戦闘機はあまりにも不気味だった。
ブルーインパルスとサンダーバーズ サンダーバーズ
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎてしまい、サンダーバーズチームが帰還するところまで見届けたが、その後に表彰式のようなイベントが行われる様子だったので、しばらく待つことにした。まだかまだかと少々待ちくたびれたが、最後の最後にブルーインパルスサンダーバーズパイロットが勢ぞろいして、こんなに凄いことをやってのけるクルーを間近でばっちり見ることができた。結局、その式典が押しに押してしまったせいで、15時に終わるはずの最後F-16戦闘機の展示まで見届けるのが厳しくなり、後ろ髪を引かれつつ(時折後ろを振り返りながら)三沢基地を後にした。そうだなぁ、前日の十和田奥入瀬とあわせて、2日で20キロは歩いたのではないだろうか??
ブルーインパルスとサンダーバーズのクルー
ちなみに、この日の青森県の天気予報は雨か曇り、辛うじて太平洋側だけは持ちこたえるかも…ということだったが、結果的には雨は降らず一番の見せ場だったサンダーバーズのときにはぱぁーっと青空に変わるなど、運のいいことに天候にも恵まれた。15時になったら基地を出ようと決めていたので、帰りのバスはあてにせず三沢駅までは歩いていくことにしたのだが、途中で天気が急変し強いにわか雨にたたられてしまった。本当に何度も何度も不思議な経験をしているが、今回もまた晴れ男ぶりを見事に発揮、自分が行く先々、肝心なところで晴れるという巡り合わせには驚くばかりだった。
三沢基地
最後に余談だが、三沢基地は軍民共用なので、羽田との間には1日3往復JAL便が飛んでいる。(後日談:その後東京便を利用する機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)ハナっから取れると思ってなかったので相手にしてなかったが、航空祭後の羽田便は瞬殺のようだった。でも、新幹線八戸まで来てくれたおかげで、三沢からも余裕で帰れてしまうのは実にありがたいことだった。この日は少し時間に余裕を持たせて17時半の増発便はやてで東京まで予約をとっていた。ちなみに航空祭のときは多くの人が押しかけるので、臨時列車が設定されおり、それを目当てに見にくる人もいるとかいないとか…。この日も、時刻表に掲載されないスジで5両編成のキハが東北本線を疾走する姿が見れたわけだが、年に一度の珍しい光景として注目されてるそうだ。そういえば、たまたま乗り合わせた朱色のキハは確かに特別な感じがして、写真を撮ってる人も少なくなかった。とにかく今回は盛りだくさんの内容だったが、思いほか収穫の多い2日間だった。
八戸行きの臨時列車