■旅日誌
[2006/4] ゆめ、覚めなば
(記:2006/4/21 改:2011/6/12)
(記:2006/4/21 改:2011/6/12)
珍しく仕事の方が一区切りついたので、乗りつぶしを進めることにしました。3月末に開業したけいはんな線と、抱合せとしてあたためてあった生駒ケーブルをやっつけに土日を使って往復してます。
※下線部をクリックすると写真が表示されます
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1日目
この3月末、東と西で同日に新線の開業があった。東のゆりかもめは、忙しい合間たまたま近くを通りかかったので乗っておくことができたのだが、さすがに西のけいはんな線については、ついでというわけにはいかない。前々から何度もあったようにけいはんな線が開業したあかつきには生駒ケーブルも一緒に片付けようと思っていたので、時期を見計らって週末遠征することにしてみた。ちなみに、去年の大阪遠征と同様、今回も車での往復である。(後日談:ゆりかもめがトラブルを起こして週末運休になったのはこの遠征の一週間前の出来事でした。)
その去年の遠征の経験から、大体の時間的な感覚はつかんでいるつもりでいる。8時を回ったあたりで横浜青葉ICから東名に乗る。運悪く横浜町田ICの先で起きた事故渋滞にいきなりはまってしまう。あれこれ考えても仕方ない。20分くらいして何事もなかったかのようにすーっと流れ出した。途中浜名湖SAで手持ちのハイカの付替え手続きをとることにした。いまなら大きなSAでも受付をしてくれるらしい。朝一を除けば、その後まったく順調なまま京都までやってきた。何となく気分で大山崎JCTまで行って逆に京滋バイパスを戻る感じにする。第二京阪道路もまた高規格の真新しい道路で、贅沢なつくりのわりに走ってる車の数は寂しいばかりである。この区間の高速道路は、名神高速が実質上下4車線+4車線なうえに京滋バイパスまで整備されており、ダメ押しに第二名神高速が計画されている。そこへきて第二京阪道路とかいってこんな立派なものを作ってしまうのだから、道路行政は無駄の固まりだといわれても仕方ない。正確な需要計算がされているとは到底思えないが、何のための民営化だったのかさっぱり理解できない。これで税金を上げるぞと言われても納得できるはずもない。現在の終点の枚方東ICの料金所では一般レーンに車列ができていたが、ETCレーンを利用する車は自分の他まったくなかった。
一般道に下りて、まずは学研都市線沿いに進む。その後もカーナビに導かれるままに生駒・奈良方面へと進路をとる。まったく便利なものである。計算したかのように3時ちょうどに登美ヶ丘へ到着した。車を置いておけそうな場所を探し、早速乗りつぶしにかかる。学研奈良登美ヶ丘駅へ出てとりあえずいつものように乗車記念代わりに1000円分のカードを購入する。特に特徴があるわけでもないが、最近目立つ複数の単語を無理に並べた駅名はどうにかならないものだろうか。折り返しで大阪方面へ向かう列車に乗り込み、しばらく発車時間を待つ。到着した地下鉄からの車両と入れ替わる格好で発車となった。車両基地の脇を進み、丘陵地帯をトンネルと高架でひたすら突き進む。この感覚は、、、つくばエクスプレスが近いかもしれない。白庭台から先は東生駒駅の脇に出てくるまでほぼトンネルの区間が続く。地図を見ると緩やかカーブが続き、かなりのコストがかかっていることは簡単に想像できる。沿線の宅地開発が進まないと費用回収もままならないと思うが、最近の都会回帰の傾向からも状況は厳しいのではないだろうか。その他にも企業や学校、研究機関の誘致など、人の流れを作らないといけないだろう。10キロ未満を10分で駆け抜けて320円はちょっとお高いかな?
生駒駅を降りて、ケーブルカーの乗り場へと向かう。生駒ケーブルの駅は鳥居前という名前で隣接している。あいにく外は雨が降り出していた。生駒ケーブルは日本最古のケーブルカーであり、宝山寺駅までは1号線・2号線と複線のような線形をとった珍しい路線でもある。普段、2号線は休止しているが、中間の上下交換地点の光景は圧巻である。また最近は山の斜面を登る感じで宅地開発が進み、通勤通学の足を担っているというのも特徴である。最古といいながら昔ながらの車両がつい最近まで走ってたのは信じがたいが、置き換えられた車両はミケとブルと名付けられ、おかしな電飾まで施してある。早速乗り込むことにしよう。
待っていたのはミケ号で、2号線は留置中の看板が出ていた。鳥居前駅を出たあたりは緩やかだが、徐々に傾斜がきつくなる。賑やかな車内放送がむなしく響き渡り、5分ほどしたところで宝山寺駅へと到着した。生駒山上へはここで乗換えになる。今度はドレミ号と名付けられていたが、こっちも妙な電飾で飾られている。宝山寺駅を出るとすぐにトンネルとなり、途中2駅へ律儀に停車して終点生駒山上駅へとやってきた。
山上駅を出るとそこはそのまま遊園地になっている。入場料は必要としないが、有料の乗り物がいくつかある。生駒山系の中でも眺望が期待できる場所なのだが、今日は風も強く雨も降っているため正直まったく気分が乗ってこない。現に人の気配はまったくなく、強風のせいか体感温度もかなり低い。はやくこの場を立ち去ることにした。音楽だけがむなしく響く中、何となく一周して山上駅へと戻ってきた。先程上ってきたドレミ号が出た後で1本落とす形になったが、近くの待合室でしばらく待つことにしよう。暖房が効いてて何だかホッとした。
貸切状態のスイート号で"下界"を眺め見ながら下りていく。途中桜が咲いてたりしたが、天気がよくないので気分的に盛り上がってくるものがない。途中駅でひとり乗せて宝山寺駅へと到着した。ここでもう一度乗換えなければならない。今度はブル号で、先ほど同様賑々しく車内案内が響いていた。陽気のせいか晴れやかな気分にはなれなかったが、いろんな意味で日本一である生駒ケーブルを乗り通すことができたので、それはそれで満足感はあった。
特に用事があるわけでもないので、けいはんな線でそのまま学研奈良登美ヶ丘へと戻っていくことにする。まだ開業したばかりで、どの列車もヘッドマークを付けたまま走っている。結局雨はやむことはなく、春というにはちょっと肌寒い日だった。学研奈良登美ヶ丘駅へ到着し、再び車で今夜の宿へと向かうことにした。
2日目
今日もあまりいい天気ではないが、とりあえず雨は止んでる様子だった。泊まった部屋はとても広く、居心地もよかったのでもう少しゆっくりしていたかったが、それなりの時間に行動を起こすことにした。今回の目的だった乗りつぶしはすべて昨日のうちに済んでしまったが、折角なので奈良の中心部にでも寄っていくことにしよう。ちょっと寄り道する格好で、まずは生駒駅を目指す。昨日通った鳥居前駅の前を抜けて、ケーブルカーのすぐ脇の坂道を通ってみることにした。その先で信貴生駒スカイラインとなって北上する。途中で去年12月に通った場所に合流する。阪奈道路に出たところで東に進路を変えるとその先は高速道路のようにいい道が続いていた。
下り坂を快調飛ばし奈良市街へとやってきた。まずは駐車場を探す。日曜の早朝とはいえ、やたらなところに車を置いておくわけにもいかない。駐車場からは歩いて東大寺へ向かうことにした。通りからひとつ入ってしまえば、ひっそりとした町並みが続いている。東大寺の参道まで出てくると、もう既に多くの観光客が行き来していた。修学旅行と思われる制服姿も目にとまる。早速大仏殿にまわり大仏様を拝むことにした。いやぁ、実に何十年ぶりだろうか、その大きさも何もあまり記憶にないが、あらためてそのスケールに圧倒されることになった。そのお姿には言葉で言い表すことのできないものがあり、しばらくそのままで心を無にして向かい合っていた。とはいっても何十分もいたわけではないが、ひとまわりして大仏殿を後にした。(後日談:東大寺に再訪したときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
南大門を通り抜け、奈良公園を経由しながら、興福寺へと歩いてきた。五重塔を見たいがためであるが、素人目にもその造形美には何か思うものがある。折角なので、ここでも国宝殿に立ち寄ることにした。国宝級の仏像などが収められており、しばし時間を忘れて見入ることになった。このペースで居座ると切りがないので、ここらで去ることを考えよう。敷地の中を抜け、猿沢の池を一周しておく。う~ん、こんな光景だったか、それにしてもまったく記憶がない。(苦笑) 何はともあれ、池に映る五重塔は本当に絵になる風景だ。
帰りもそれなりに長丁場なので名残惜しいくらいにしておいて帰路につくことにした。今日は名神へは戻らず名阪国道を通ってみることにしよう。天理まで南下し、そこから亀山までは国道25号として一般道路の扱いになるのだが、自動車専用道路としては有料の高速道路のようなものだ。信号もなく流れもスムーズで快適そのものだった。亀山から有料道路になり、四日市から豊田までは名古屋市街を避けてショートカットする形で伊勢湾岸自動車が開通している。ここも噂には聞いていたが立派過ぎるほどの真新しい片側3車線、どうしてこんなに贅沢なものが必要か心底疑いたくなる。