■旅日誌
[2003/11] 気になるあの駅へ
(記:2004/1/12 改:2015/11/1)
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この旅日誌も読み返すと徹夜で仕事をしてる話ばかりで我ながら笑ってしまいますが、今月2度目の3連休もお休みを取ることにチャレンジしてみました。結果は中日だけどうにかにオフにすることができ、無謀にも車で日本海側を日帰りで往復してみることを試みてます。確か前にも一度、中央道経由で松本から北上して糸魚川に出て、直江津からほくほく線に沿って関越にまわって帰ってきたことがありましたが、まぁそれなら行けるだろうという何ともいい加減な計算のもと遠出をしました。さて、その気になる駅とは一体、、、
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 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
直江津、筒石
前振りどおり、3連休あってもフリーなのは真ん中の1日だけだった。普段でも土日あればどちらか一方は休んでもバチは当たらないと思うのだが、なかなか状況が許してもらえない。「一体、何の商売をしてるんだ?」とよく人に聞かれるが、一言「○○○っていうサイトの面倒見てるんだ!」と答えると大抵の人は納得して反論しなくなる。はっきりと確認したことはないが、某Y!など同業者から漏れ聞こえる話を聞くと、どのサイトもそれほど様子は変わらないらしい。それはともかく、いつものように体のことを考えれば休養しておいた方がいいに決まっているが、精神衛生的なところでどうも自分としてはどこか非日常を求めていた。
直江津駅
今年の夏休みは台風でスケジュールの前半がすっ飛んでしまったが、そのときの代替案で思いついた、、、というより、実は後で思いついたのだが、筒石駅への訪問を実行することにした。それも日帰りで車を使って往復しようというのだから、それ自体かなりムリがある。自分でも十分承知していたが、何か意地のようなものを感じていた。それはそうと、時期的にも日本海側といえばもう雪のたよりが聞こえてきてもおかしくない。幸か不幸か今年は雪が遅かったので、まだこの時期でもギリギリ何とかなりそうだった。しかしながら天気予報によるとこの冬一番の寒気が南下しており、ところどころ大荒れになると言ったようなことも伝えている。一度心に決めたからには雪で中止と言われても逆に欲求不満につながり、それこそ精神衛生的によくない。(笑) そんな中、前日の土曜もそわそわしながら仕事に臨んでいたが、もしかしたらその貴重な1日も怪しくなるくらい大変なことになっていた。どうにかこうにか、あと残りの月曜日1日を使うことにより片付きそうなメドまで立てて帰宅することができた。とは言うものの、平日とダイヤが違っていることに気付くのが遅れ、結局大急ぎで終電に向かって走ってしまうハメになった。
北陸本線
前日までの疲れはムリに忘れることにして、普段より全然早い時間に起床した。もちろん、朝飯なんぞ喰らっていては時間がもったいないし、早朝に都会を脱出することが先決だ。だがその前に道路の状況だけは確認しておくことにする。いつも言うようにインターネットとは便利なもので、ほぼリアルタイムで全国の道路状況が分かる。心配していた上越方面だが「ユキ規制中」とある。しかしよく見ると、もっと北の方は「雪でチェーン規制」となってる。この違いが何を意味するのかよくは分からなかったが、もう気持ち的にも収まるはずもないので(笑)とりあえず出発することにした。見込んだ通りこの時間帯の主要道はどこも順調で、練馬から関越に乗る。今日はここから結構なロングランになるぞ!と自分に言い聞かせる。事前に調べたところによると、練馬ICから上越ICまでは3時間半から4時間はかかることになっている。直江津までは、関越トンネルを越えて長岡を回って北陸道を行くのと、上信越道を経由して長野を抜けて北上するルートがある。後者は比較的新しい道路のようで、ちょっと古い地図だと上越まで貫通してなかったりするが、行きは長岡経由で行くことにした。しばらくは渋滞や交通規制など何の情報も出てなかったが、水上を過ぎたあたりだろうか「関越トンネル・出口ユキ走行注意」といった案内が出されていた。ちょっと不安を覚えたがとりあえず先を急ごう。
直江津駅
そういえば関越トンネルが対面通行でなくなってから初めて通過するような気がした。ということはずいぶんとここへは来てないのかもしれない。いざ新潟側に出てみると、雪は全然降っていなかった。とはいえ、昨晩の雪で山々の斜面はうっすら雪化粧をしている。路面は乾ききっていたのでちょっと安心する。しかし、視線を上に上げると北西の季節風に流されるように雲の筋ができている。この時期にこの程度なら、きっと雪不足に違いない。いまの自分には都合がいいが、困っている人もいるかもしれない。時計をやや意識しつつもここまで順調に飛ばしてきた。相当頑張って来れたので(?)このペースなら余裕でお昼前に直江津にたどりつくはずだ。そう思ったらいきなりペースダウンする。何か不自然なものを感じると、パトカーが集団を先導する形になってしまった。気がつくのが遅れてスイスイっと前に出てしまう車もあったようだが、事情を理解したところでこの集団に加わることになる。みんなの願いが通じたのか、パトカーは次のICで去っていった。グリーンフラッグが振られ一気にリスタートとなる。おっと、みなさんくれぐれも安全運転でね…。
筒石駅
一応地理の解説をすると、地図を眺めるとよく分かるが長岡JCから北陸道に入るというルートは右に大きく入り込んでいるように見える。そこをショートカットしようとする道筋がほくほく線にあたる。北陸道をしばらく南下し、上越ICに到着した。分かりきっていたが、いやぁ~遠かった。まずは直江津駅へ直行する。時計を見ると11時半前を指している。ここはさくっと行動し、近くに車を止めておけそうなところを探す。車に乗ったまま筒石駅へ直行してもいいのだが気分を演出するために(?)車はここに置いて列車で移動することにする。ほんの2、3駅の話なのだが、、、正午直前の普通列車には十分間に合いそうなので、しばらく駅のまわりの様子をうかがってみることにした。直江津駅には何回か立ち寄ったことがあるが、立派な高架の駅にすっかり様変わりしてしまい、前回工事中でごちゃごちゃしてのとは全然違う。踊り場のところで水平になるエスカレータや、南北を渡す通路や、各所のエレベータなどとてもお金がかかっていそうだ。普通の人にとってはあまり関係のない話ではあるが、JR西日本とEの境の駅でもあり、また東のなかでも長野支社と新潟支社が顔を合わせるので、ここではいろんな顔の車が居合わせることになる。ちなみに糸魚川方面へは、例の西日本の"仏頂面"の普通列車のお世話になる。いつも言うように、今年はこの方面にちょくちょくやって来てたので、行き交う花形特急にはすっかり見慣れていた。(後日談:その後も直江津を利用する機会は何回かありましたが、旅日誌にはこちらこちらをご覧ください。)
筒石駅
座席に座り出発を待つ。この1本あとの便になっても仕方ないと思っていたが、早く目的地へたどり着けるのならそれに越したことはない。わずかばかりの地元客に混じって目的の駅に目指して列車は動き出した。わざわざ解説するまでもないが、ここから先の親不知あたりまでは海岸にせり出した山の斜面がそのまま海に落ち込んだような地形が続く。ということで平地が少なく通過する路線はトンネルの中ということになる。いま目指している筒石駅はトンネルの中にすっぽり入った形の非常に珍しい駅である。同じような構造でいうと土合駅の方が有名だが、筒石駅には頻繁に通過する列車を考え危険防止のために駅員が配置されおり、結構"その筋"の方には人気のある駅だと聞いていた。
筒石駅
直江津駅を出て15分ほどで目的の駅へ到着した。以前、土合駅へは行ったことはあるので大体は想像ついたが、本当に薄暗いトンネルの中にホームはあった。珍しいかどうかわからないが、他にもこの駅で降りる人がいた。このトンネルを特急や貨物列車はおかまいなしにかっ飛ばして通過していくので、強烈な風圧を受けることはいうまでもない。<頑丈な扉で遮られ、駅員の方が開け閉めを確認していた。「次に特急が来るのは12時45分頃かね。上にもう一人職員がいるから行ってみな…」そう促され、長い階段を地上へ向けて登りだした登りきったところで下を見下ろすとと別世界を思わせる風景があった。駅舎で切符を渡し、ひとしきり近所をぷらっと見てまわった。ぽつんとある、山の中の雰囲気のある駅である。駅舎に戻るとちょうどお食事どきだったようで、邪魔しないようにおとなしくしている。(余談:よくコーヒーやお菓子をご馳走になったという話を耳にしますが、あまりでしゃばりたくないので静かにしていました。)駅ノートに足跡を残し、念願の筒石駅訪問を果たした小さな喜びに浸っていた。わずか1時間弱の滞在ではあったが、今日中に帰らなければならない。帰りの切符を購入すると、地元と思われる人が2人連れがやってきた。当り前だが、有人駅なので立派なマルスが設置されている。切符を購入するごとに何かメモを取っていたが、今日のお客さんはここまでで10人強といったところのようだ。よくみると関連会社の肩書きの名札をしていたので、駅員も委託配置らしい。再び長い階段を下ると先程の駅員が今度は下りのホームのの前にいた。「もうすぐ特急が来るよ、中に入ってみるかい?」薄暗いホームでしばらくすると、さーっと静かに空気が動き出す。「ほら、分かるでしょ?!」閉ざされたの僅かの隙間を流れる空気の音が次第に大きくなってきた。遠くに明かりが見え、徐々に近づいてきたと思ったらあっという間に通過列車は過ぎ去ってしまった。小さいとき新幹線のトンネルの近くで遊んでいたこともあったので、列車が通過するときの勢いというものは知っていたが、ここもかなりの本数の列車が行き来しているはずだ。逆方向からこんどは<普通列車がやってきた。駅員の方に軽く会釈をして、このもぐら駅を後にする。ひとつ隣の駅で後からくる特急を先にやり、何事もなかったように直江津駅に戻ってきた。記念に筒石駅からの切符をいただき、非常に短い列車旅は終わった。
筒石駅
ちょっと遅めのお昼を済ませ、もう寄り道はせずに今日は帰ることにする。行きとはルートを変え上信越道を利用することにした。そういえば高額ハイカが使えなくなることを突然思い出し、上越IC脇の事務所で交換する。それなりに残高が残っていた使いかけのカードがなぜか2枚あったので、1枚だけ交換しておく。案の定窓口ではまだ使えるよ!とイヤな顔をされたが、あまり気にしないことにする。元はといえば、芝山鉄道を目指したときにようやく交換できたあの"いわくつき"の再発行券なので、この1枚には恨みがこもっている。(笑) 高速に入ってすぐの上越JCを左に折れ、その先で妙高のあたりを抜けていく。ここも山肌はうっすらと雪に覆われていた。フル規格の高速道路ももてあそび気味だなと思っていたら、対面通行のところが何箇所もあり、これでもかと言わんばかりに作り続ける某公団の姿勢もいかがなものかな?と思ってしまった。長野から進路を東に変える。いつのことだったか、昔はここも対面通行の箇所がいくつもあったように記憶している。しかし、最後の八風山トンネルを残して4車線化は済んでいた。それも年末には4車線化が完成するという。長野新幹線といい、少々贅沢かもしれないが、地元では「長野は全国でも後回しにされた」という声も強いと聞いたことがある。基本的に人間誰しもわがままなのかもしれないが、ともかく最後は多少へばり気味になったが、特に目立った渋滞もなく無事帰って来れてよかった。
直江津駅