■旅日誌
[2024/7] 新旧共演~スペーシアX・SL大樹
(記:2025/1/1)
(記:2025/1/1)
日帰り
今回は東武鉄道のSL大樹に乗りに行くことにしている。JR北海道からSLを借り受けて運行開始を開始してからはや7年、何となくいい機会かなと思ってスペーシアXとあわせて、鬼怒川温泉を往復する。少し無理してその先の新藤原方面から、野岩鉄道・会津鉄道、会津若松へ抜ける手もあるのだが、今日はおとなしく特急・きぬがわで新宿へ戻る予定だ。
さて、本日メインのSL大樹の前にもうひとつアクセントというか、スペーシアXで気持ちを上げていこう。スケジュールを検討し始めたのはそれほどギリギリではなかったのだが浅草8時前発のスペーシアX1号は、既に多くの予約入っており、それでも辛うじて窓側席を確保、去年の宇都宮以来の東武特急になる。この列車もデビュー直後から人気が高く、座席の種類によっては取りづらい状況が続いているらしい。評判通り快適な車内環境と充実したサービスぶりは、確かに完成度が高いと思った。そんな心地よい時間はあっという間に過ぎてしまい、下今市で列車をあとにする。このまま東武日光まで行ってもよかったのだが、乗り継ぎ時間を利用してこの駅にある施設を見学しておくことにした。
SL大樹の運行パターンはいくつかあって、今日は2本の編成が運用に就いていた。予約した列車の1本前、C11 123号機が牽引するSL大樹1号を見送り、跨線橋ギャラリーを抜けてSL展示館に立ち寄ってから、転車台広場に向かう。長門市駅から移設された転車台の向こうには車庫があり、運用についてない機関車がたたずんでいるのが見える。そして、駅構内で停留されていたぶどう色の12系客車3両が青い車体のDE10 1109号機に引っ張られ、これから入れ替え作業が行われるようだ。
これから乗るSL大樹3号を牽引する機関車C11 207には、JR北海道時代にSLニセコ号、SL常紋号として2度お世話になったことがあり、そのときはまさかこんな形で再会するとは夢にも思わなかった。DE10 1109号機と入れ替わるようにして、カニ目といわれる2つ目ライトが特徴の機関車が出てきた後、先程の客車に連結される。準備が整ったところで再び浅草側で転線して、乗客が待つホームへ入線、一部が開放型展望デッキに改造された2号車に乗り込みむとSL大樹3号は定刻で出発。このSL独特の引っ張られる感じが何ともよい、、、その後も山間の景色のいいところをそろりそろりと進んでいく。車内ではアテンドさんによる沿線案内があったり、展望デッキで風を受けたりしているうちに終点の鬼怒川温泉駅に到着、乗車時間は30分ちょいだったが、本当にあっという間だった。
鬼怒川温泉駅の駅前には、かつて三次駅で使われていた転車台が設置されて、しばらくすると先程乗ってきたC11 207号機がやってきた。多くの人が見守る中、あらためてここで機回しが行わる。大きな鉄の塊ではあるのだが、こうして火の入った蒸気機関車を間近で見ると、まるで生き物のようだ。そんなことを思いながら一連の流れを見届け、少し駅を離れることにした。とはいえ特に何をするでもなく、近くを散策したり、適当にお昼にしたりして、時間をつぶすことにするか…。都心からも近いし、温泉地としての雰囲気も悪くないけど、何となく人も少ないし、どこか物足りないというか、ぱっとしない印象を受けてしまうのはなぜだろうか?
最後にもう一度、C11 123号機の機回しを見届けてから帰路につく。鬼怒川温泉駅では、SL大樹の他にも、折り返し待ちのスペーシアX、会津高原尾瀬口方面の普通列車など多彩な列車が行き交い、そこへ特急・きぬがわが入ってきた。元成田エクスプレスのリニューアル車は赤とオレンジ色のカラーをまとい、JR新宿駅まで直通するので利便性は高い。
この列車もえきねっとのトクだ値対象で、今回は運よくチケットを押さえることができていた。ただちょっと気になるのが、リニューアル車にありがちな、窓枠と座席の間隔が微妙に合わないため、景色を楽しみたいなら事前に調べておいた方がいいかもしれない。いま乗ってるOM-N02編成は253系の中でも最後の編成だったが、落成から20年以上、1000番代に改造されてから約14年も経っており、座席コンセントがないなど古さは否めないものの乗ってる分にはまったく問題はない。そんな感じでまったりしながら過ごしているうちに栗橋でJRへ転線、最終的に乗車率は2~3割程度とやや寂しかったが定刻で新宿へ到着した。最後に新宿駅のホームで奇しくも成田エクスプレスと横並びになったのが何とも印象的だった。