■旅日誌
[2007/5] 人の波に疲れたら
(記:2007/6/13)
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少し前に、急な思いつきで八丈島と大島へ行ってきたばかりですが、今回は神津島と新島へ向かいます。空港訪問数を延ばしてやろうというのが目的ですが、二島まとめて日帰りで行った~帰ったをやってきました。
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 日帰り
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
調布飛行場、NCA、神津島、東海汽船、新島、NCA、調布飛行場
八丈島伊豆大島へ行ったときは、東京からこんなに近い場所にこれほどのところがあったのか…と感心するばかりだったが、今回も同じようなノリで神津島新島へ行ってみることにした。その"ノリ"というのが曲者ではあるが、いつものように休日出勤するはずが、何を思ったかほんの寄り道気分でどこかへ行けないか考えたところ、今回の訪問を思い立ったというのが、正直なところである。ということで、日曜の早朝、調布飛行場へ向かうところから始める。
調布飛行場
前々から気にはなっていたが、調布の街中に飛行場があり、ここを起点に伊豆諸島方面へ向かう新中央航空の定期路線がある。過去の歴史云々などはいつものように識者へ委ねるとして、飛行場自体の歴史は長いのだが正式に都下の施設として認知されたのはわりと最近のことだという。アクセスに向いた駅はないので、車を利用しないとなると調布駅か三鷹駅あたりから路線バスで近くのバス停まで行って、さらにそこから歩いていかなければならない。日に1、2本だけ直行するバスもあるようなのだが、それも時間的に合わなければ何の意味もなさない。武蔵野の情景が残る住宅街をとぼとぼと歩いて行くことにした。飛行場の建物はとても小さく、そこらの集会場のような小さな待合室といった感じだった。
調布飛行場・NCA
朝9時前後に新島、神津島、大島の順に3路線が出発していく。離島向けのコミュータ便なので使われる機材はわずか十数人乗りのプロペラ機で、あのアイランダーが使われることもある。今日も大島行きアイランダーがアサインされていた。体重は自己申告、荷物の重量を測って、手持ちのX線検査と手荷物の目視確認だけで搭乗機へと向かう。セキュリティエリアはない。まず最初に神津島へ渡るつもりだが、ここで搭乗人員が自分を含めて二人だということが分かった。(苦笑)あっけなく短い滑走路を飛び立ち、味の素スタジアムを見ながら上昇していく。多摩川や近くの道路はどこもなじみのところばかりなので、こうやって上空から見下ろすのも何だか不思議な気分だった。小さな飛行機はまるで遊覧飛行のようだった。
調布飛行場
三浦半島を過ぎて江ノ島を見送ったあとは海の上を行くことになる。地上の天気はすっきり晴天かと思ったが、上空はやや花曇といったところで遠くは霞んでよく見えない。風も意外と強く、結構揺れがきつい。大島、利島に続いて新島を過ぎるとやがてその先に神津島が見えてきた。ここまで40分もかからなかっただろうか、定刻よりも早く到着しそうである。島の南側を旋回して東側からのアプローチとなった。島に近づいてみると思ったより険しい地形であることが分かる。風に揺られてフラフラしながら神津島空港へ到着した。
神津島
神津島空港はできて間もないらしく、どことなく垢抜けてきれいな建物だった。いま来た便がそのまま折り返しで調布へ向かう朝一の便となる。こちらは多くの予約が入っていたみたいだ。言うまでもなく島の移動手段は主に車で、村営バスがわずかばかり走っていた。しばらくすると、空港を経由して多幸湾へ向かうバスがあるので、そいつを捕まえる。やってきたのはごく普通のマイクロバスで、運転手さんも予想通り「あれ、乗るんだ?」といった表情をしている。多幸湾へ行くけどいいかい?と聞かれたが、他に行きようもないので、そこまで連れてってもらわなければならない。山道のような坂を下って折りきったところに小さなが見えてきた。
神津島・多幸湾
バスを降りてのあたりを眺める。砂浜の向こうは山々が大きく見えて、意外と迫力ある景色が広がっている。しばらくここらを歩いてみて再び先程のバスで前浜方面へ向かう。また来たかい?とでも思っただろうか、道中の運転手さんとしばらく話をする。朝一の飛行機は他に乗ってた?揺れたかい?今日は大きい方(多分Do229のことだと思う)だったかい、それとも小さい方(こちらはアイランダーのことでしょう)だったかい?などと、話をしてるうちに前浜湾へ到着した。少しだけ港の様子を見てフェリーのチケットを買う。慌しいがあまり時間がないので、早速大型フェリーが停泊してる方へと歩いていくことにした。荷物の積み込みももう終わるところといった感じで、乗船する人が列をつくっていた。神津島から乗り込むのはひとつ団体さんが目立ったがそれほど人の数はない。間もなく出航というところで甲板へ出てみると、先ほどの団体さんを見送りに来た人が紙テープを準備していた。それこそ夏休みなどのハイシーズンならもっと派手だったかもしれないが、ささやかながら島を離れる情景を見ることができた。少しは息抜きになったかな、、、潮風を感じながら遠ざかる景色を眺めるだけで十分気分転換になったと思う。
東海汽船
東海汽船大型フェリーは東京から島しょへは夜行でやってくるので、それなりの施設が整っている。未だほとんど人は乗ってないが、神津島からの復路は新島、大島と寄っていくにつれ多くの人が乗り込んでくるはずである。一旦船室に戻り、カーペット敷きの部屋で横になったあと、式根島に寄航する手前でもう一度外の様子を見に行くことにした。おっと、先程の団体さんは甲板で宴会モードに入っているし。式根島ではそれほど荷物の積み下ろしもなくすぐの出航となったが、警備にあたる島の駐在さんも船会社の人に混じって停泊用のロープの脱着を手伝ったりと何かと忙しいようだった。もう一度船室に戻ってみたものの、次の目的地である新島にはすぐの到着となる。外へ出てみて、遠くから入港する様子を眺めておくことにしよう。大きな船が着岸するのはとても迫力がある。
式根島
新島から乗ってくる人が長い列を作っていた。乗船するだけで相当時間がかかりそうだ。自分はここで下船し、を抜けてしばらく歩いていくことにした。新島は観光地としても有名なのは言うまでもないが、ボーっとしながら歩いているとふと地元の人に呼び止められる。どこへ行くのか聞かれたが、特にあてがあるわけでもないので正直にそう言って、午後飛行機に乗って帰ることを伝えると、歩いて行くのも何だから車に乗ってけ…と誘われ思わず乗ってしまう。目的もなく来たことなど、まぁそういうのもいいね…などと話し、結局、途中で食事ができそうなところで下ろしてもらった。
新島
本当は最終便で帰るつもりだったが満席とのことだったので一便予定を早めていた。そんなわけであまり時間に余裕がなかったのだが、先ほど車で送ってもらったので昼食をとることができた。最後にもう少し時間がありそうなので羽伏浦海岸へ行ってみることにした。遠くに山々を見ながら、車しか通らないようなところをしばらく進み、右手に曲がっていくと羽伏浦海岸公園へと出てくる。ここまでまったく人とすれ違うことがなかったが、公園の中もまったく人の姿が見当たらない。まるでSF映画のようだが、そのまま海岸の方へと向かってみた。海が見えるところまでくると、その先は白い砂浜が延々と続いていた。サーフィンのメッカとしてとても有名な場所だが、このスケールはまた圧倒されるばかりだ。それにしても、どうしてこれほど人がいないのだろうか?(笑)あまりのんびりしている余裕もなくなってきたので、同じ道を空港へ向かって引き返すことにした。
新島・羽伏浦
島に到着したときはそれほど気にはならなかったが、新島空港へ来る頃になると風が強くなってきていた。この空港の建物もとてもきれいで、日に数回、調布との間をコミュータ便が飛ぶだけというのも何かもったいない感じがする。プライベート機だろうか、風に揺られて折り返しの便が降りてきたのと入れ替わる形でどこかへ出発していった。結局この便も満席の予約が入っていたようで、小さな手荷物まで全部預けることになった。調布と同じように、名前を呼ばれて身体検査を受けてそのまま搭乗していく。ほんの思いつきで今日はやってきてしまったが、気分転換というにはちょっと贅沢だったかもしれない。NCAのDo機は何事もなかったかのように、新島空港を飛び立った。
NCA
NCAは有視界飛行を行うため、ちょっとでも視界不良になると飛ぶことができない。また、離島につきものの強風に対しても決して強いとはいえず、欠航になることも多いという。帰りも行きとほぼ同じルートだったが、とりあえず無事戻ってこれてよかった。調布へ到着すると、これから最終便で各島へ渡る人たちがあの"待合室"で出発を待っていた。いきなり現実の世界に引き戻されてしまったような気分だが、これからひと仕事するために戻らなければならない。確か多磨駅がそれほど遠くない場所にあったような気がするのだが…。折角なのでもう少し遠回りして行こうか。
新島