■旅日誌
[2014/4] 麗しの島、再び~高雄・台中
(記:2014/8/23 改:2021/7/11)
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去年の12月に無理して休みをとって台湾へ行ってきましたが、その後も仕事は厳しい状況が続き、気が付けばGWになってしまいました。それも何かあったらいけない…ということで予定を入れずにいましたが、どうにか無事に山場を越え連休がやってきました。ただ、いきなり明日からフリーだと言われてもどうすることもできず、LCC乗り比べを理由にVanillaAirに乗ろうと目標を立て、結局行けそうだったのが台湾でした。前回から半年前も経ってないので、似たようなところは避けて高雄から台中を訪れることにします。
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 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
羽田、NH141、関空、MM035/Peach、高雄、旗津
4月に消費税の切替えを行い、月末の締め処理をもってひと区切りということで、半年近く続いたプロジェクトもようやく終息することとなった。別件、別件、、、が積み重なり準備不足も手伝って、また限られた予算の中での対応ということもあり相変わらずの綱渡り状態だったが、大きく転けることもなくやり切った感はあった。ただ、前振りの通り、万一何かあってはいけないということでGWの予定が入れられず、最後になって、じゃぁ明日からもういいよと言われても結構つらいものが…。そんなわけで温めておいたLCC乗り比べ企画(?)を引っ張り出し、VanillaAirに乗ってやろうと画策、なぜか台北便の空き状況を調べてる自分がいた。(苦笑)結果、直前でもどうにかなりそうなことが判明、さらに欲をかいて復路で別ルートを探すと、意外なところでPeach高雄に就航していることに気付く。まぁ連休で時間もあるし関空を経由してもいいか…と最後のつなぎを確認。ここで何を思ったか、うっかり日付と方向を間違って検索すると明日のNH141便のなんちゃってC席にぽつんとひとつ空席が!!何かに誘われるかのように予約を入れてしまい、続いて高雄行きのPeach便を確保したところで一旦思考は停止、本当にこれでよかったのだろうか?
ANA・NH141便・関空行き
出発前日に海外逃亡…もとい、海外渡航を決めたのは間違えなく最短記録、とりあえず大急ぎで準備し寝込んではいけないと、これまた半徹夜状態での出発となった。とにかく渡航後の見通しがまったく立ってないので、早め、早めの行動に徹する。始発に乗ろうと家を出ると無情にも雨、、、生来の晴れ男なので傘を差して空港に向かった記憶はなく、この先不穏なことが起きなければいいけど。不安を覚えつつ羽田に到着、関空行きの手続きを済ませ出発を待つ。NH141便はこれまでもいく度となく利用したことがあり(余談:前回、この便からPeachに乗り継いだときの旅日誌はこちらです。)分かる人には分かるANAの国際線の間合い運用で、前述通りビジネスクラスの座席に普通運賃で座れちゃうお得席をゲットしていた。その先はLCCなので辻褄わせな感じだろうか?予報によると関東から東海にかけて雨・風ともに強く、どうやら南寄りの風向きのため今日のNH141便はハミングバードとはならなかった。
Peach・MM035便・高雄行き
関空にはあっという間に到着、手持ちの現金がすっからかんだったことを思い出し慌ててATMを探す。まだ少し時間があったのでカードラウンジに寄ってから、次のPeachに乗り継ぐためバス第2ターミナルへ向う。前回Peachに乗ったときエアロプラザの仮フロアからの出発だったが、こちらは簡素ながら結構おしゃれな建物で悪い印象ではない。自動チェックイン機で搭乗手続きを行い、荷物を預けて出国手続きを済ませる。出発ロビーもそれなりのスペースで、いくつかお店もあり飲み物だけでも先に買っておくことにした。おっといけない!やっておかなければならないことが山ほどあるではないか、、、クルーらしき方の姿に見とれてる場合じゃない。急いでPCを取り出し、まずは当初の目的だったVanillaのサイトへ行く。無理すれば日帰りもできそうだけど最低でも1泊、いや翌日の帰国というのも何なので、途中どこかに寄ることを考え帰りのVanilla便を確定させる。昨日調べてた記憶を頼りに、とりあえず今日高雄入りして1泊、そのあと北上するとして、そうだな…間をとって台中ってのはどうだろう?そんなノリで宿探しをしてから、最後に台鉄の予約を済ませておいた。出国手続きしてからやることじゃないなと思いつつ、もう少しだけ予習を続けることにした。
旗津半島へ渡るフェリー
出発時間になり歩いて搭乗機に向かう。待ち構えていたのはPeachDreamのロゴが入った1号機、この光景がいかにもLCCらしい。何気なく隣のスポットに目をやると、先日、那覇空港でアプローチをミスった2号機の姿がある。マイナーな路線だろうし直前になって予約がとれたくらいなので、どれほどの混み具合か想像がつかなかったが、乗ってみると意外や意外、ぱっと見、空席は見当たらず、それも台湾の方の占める比率の方が明らかに高い。そうか「インバウンドの掘り起こし」ってこういうことを言うんだ…と妙に納得する。関空から高雄までの所要時間はおよそ3時間、LCC狭い機内でガマンできる限界はこのあたりだろうか?MM035便は定刻よりやや遅れて出発、この窮屈さも初めてというわけではなかったので、しばらくすればこんなものかと慣れてくる。ただひとつ不満だったのは、ある台湾の団体さんがごっそり物を買い占めてしまい、めぼしい食べ物がなくなったため、ちょっと口寂し思いをしたことだろうか。仕方なくスナックだけ買って、前もって持ち込んだビールで過ごす。何となく周囲もがっかりした空気が漂っていたようにも思われるが、売る側にしてみれば明らかに機会損失だし、事前に予約できる仕組みをつくるなど改善はして欲しいかな…。
旗津
そして無事に高雄へ到着、狭い空間から解放される。新幹線の開通で利用者が激減したらしいが、高雄国際空港はいかにも地方空港といった感じだった。でも、コンパクトということは移動も少なく待ち時間もないので、それはそれでメリットだと思う。それと捷運(地下鉄)の駅が隣接しているので、市内に出るのにも都合がよい。5ヶ月後に再び来ると分かっていれば前回の残り分はとっておいたに違いないが、とりあえず1万円だけ両替しておく。さて、早速、地下鉄に乗り換え移動しよう。自販機の前で迷ってる日本人がいたので声掛けして、自分も切符を購入する。機場駅から数えて5つめの三多商圏駅で下車、地上に上がり周囲を見渡る。うんうん、確かにここへやって来た記憶がある。今日はその目の前の高雄85タワーにあるホテルを予約していたので、早速チェックインに向かう。ひと頃に比べ人気に陰りが出てきたそうだが、それにしても立派な建物だ。他に調べる余裕もなく適当に決めてしまったが、いわゆる訳ありプランというやつで景色が見えない部屋との説明があったが、狙い通りそれなりの部屋にアップグレードしてもらう。まともに払ったら倍はしてもおかしくないはずだが、本当にいいのだろうか?
旧高雄駅
そんなことを考えながらゆったりした部屋でウェルカムフルーツをいただく。(さすが5つ★)というわけで、まだ時間もあるし、もうちょっと街歩きに出掛けることにしよう。予備知識がない中、勘をたらかせてKMRTとフェリーを乗り継いで旗津を目指すことにした。まずは西子湾駅へ出て、港の方へ歩いていくと旗津半島に渡るフェリー乗り場へとたどり着いた。フェリーは頻繁に出ていて、人とバイクが列をつくっている。次のに乗り込み、そのまま半島へ渡ることにしよう。旗津小さな港町だが、多くの人が集まり通り沿いのお店を見てまわるだけでも雰囲気を楽しむことができる。しばらく通りを進み旗後天后宮へたどりつき、さらに先へ行くと海岸公園に出てくる。その後も適当ウロウロしてみて、フェリー半島を後にした。
六合夜市
ひと区切りつけたあと高雄駅へ向かい、予約しておいた台鉄の切符を購入、ついでに隣にある旧駅舎を見学しておく。どことなく昔の日本の建築様式を感じさせる建物の中では、地下化工事の様子がパネル展示されていた。日も暮れてきたところで六合夜市へ向かい、夜の街歩きをして屋台飯にありつく。海鮮湯麺と台湾名物・牡蠣の卵とじ、それと台湾ビール、、、非日常の喧騒の中、小さな幸福感にひたり今日の締めとした。
六合夜市・屋台飯
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
高雄、台湾鉄路/自強号174次、台中
当初、高雄に留まるつもりはなかったが、前回新幹線でとんぼ返りだったので、1泊しておくことにした。高層階の部屋は意外と居心地がよく、チェックアウトギリギリまで粘ることにする。昨日は旗津まで行ってみたが、若干怪しい記憶を頼りに今日は高雄港駅跡を目指してみようと思う。昨日と同様、美麗島駅で紅線(南北線)から橘線(東西線)に乗り換え西子湾駅に向かう。地上に出ると旧高雄港駅の駅舎はすぐ目の前にあった。駅の中はちょっとした博物館のようになっており、見学は10時からできるとのことなので、しばらくこの近辺歩いてみることにした。駅舎の裏手にまわると、かつて貨物ヤードだった敷地には線路も残っていて、SLなどの車両不思議なオブジェが展示されていた。小雨が降る中、敷地跡を抜けると風情ある街並みが続き、港の先の方まで路線跡遊歩道となって続いていた。踏切跡古い建物を再利用した施設などを見ながら進み、香蕉碼頭(バナナ埠頭)を通って近くへと行ってみた。
高雄港駅跡
特にあてもなく港町を歩き、1時間ほどして高雄港駅跡まで戻ってきた。雨は降ったり止んだりを繰り返していたが、訪れる人の数は徐々に増えていた。10時になり駅舎を見学、建物の中当時の風情が感じられ、台湾の人の古いものを大事にする気持ちが伝わってくる。ちょっと名残惜しかったが、これで高雄港駅跡を後にする。一旦ホテルに戻り、最後に建物の中にある85スカイタワーの展望台へ登っておくことにした。残念ながら今日は天気が悪く視界はパッとしなかったが、まぁ記念ということで…。正午ギリギリにチェックアウト、日本語での対応も心地よく、本当に1泊だけというのがすごく惜しい気がした。
高雄港駅跡
さて、今日は移動するだけと決めていたが、素直に新幹線に乗ってしまうのも何なので、在来線に乗って旅気分を味わうことにする。まずは高雄駅へ向かいお弁当を購入、旅のお供としよう。地下化工事が進む中、改札を抜けホームに降り立ち目的の列車待つ列車の行先を示す案内版にはオンタイムの表示が出ていた。台湾の鉄道は比較的時間に正確だというのはありがたい。入線してきた自強号(在来線の特急)は南アフリカ製の電気機関車と韓国製の客車からなるプッシュプル方式で、台湾ではよく見られる編成のようだ。新幹線が開業したとはいえ都市間の移動に鉄道を使う人は多く、総じてどの列車も混雑しているという。無座票の人だろうか、座ってた方にどいてもらい指定された座席に着く。
台湾鉄路・高雄火車站
高雄を出発し左営を過ぎると車窓都会の雰囲気から徐々に郊外のものへと変わっていった。当たり前だが、流れる景色のスピード感、距離感は新幹線と違って見える。少し落ち着いたところで弁当を広げることにした。これで天気がよければ文句はなかったが、まぁ、そこはどうでもいいことにしよう。特に何をするでもなく、ただただ車窓眺めボーっとした時間を過ごしていた。そうこうして2時間半ほどで台中へ到着、ここまで乗って来た列車を見送る。さて、ほとんどぶっつけ本番、これから何するか考えなければ…。
台湾鉄路・自強号
改札口にある無効印を自分で押して切符を駅員を見せると持ち帰ることができる。なんだろ?いつそんなことを覚えたのか記憶にはない。暗い印象の建物の外に出ると地方の立派な駅といった趣で、これまた風情ある駅舎だった。駅前のロータリーは工事をしていたが、路線バスが行き来していてる。とりあえず台中駅を背に歩き出したものの、しっかり地図を見てなかったこともありちょっと遠回りしたようだが、目標物だった宮原眼科(日本統治時代の建物を再利用したアイスクリームとスイーツのお店)を発見、どうにか予約したホテルへたどり着いた。台中の繁華街はから数キロ離れたところにあるのは分かっていたが、移動のことも考えのすぐ近くで2泊する予定でいる。無事チェックインを済ませ、とりあえずひと息つくことにした。
台湾鉄路・台中火車站
高雄が立派過ぎたので多少物足りなかったが、こじんまりとしたビジネスホテルといった感じだった。口コミ情報だけ見て短絡的に決めてしまったけど、フロントの応対もよく建物も改装されていてこれなら十分だ。何だか中途半端な時間になってしまったが、高鉄の台中駅を見に行くことにする。再び台中駅へ向かい區間車普通列車)に乗って3つめの新烏日駅で下車、駅名は違うけど高鉄(新幹線)との連絡駅で、日本にもありそうな構造のだった。連絡通路を行くと、お土産を売るお店やレストランなどもある。人がいっぱいいたのは新幹線側の改札口で、台鉄側の方はちょっとさびしい印象だった。さぁ、明日の作戦を練るためにも夕食は部屋へ持ち込むとして、早々に戻ることにしよう。
宮原眼科
 3日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
台中、集集線、水里、日月潭、南投客運
今日は、毎度恒例(?)のワンデートリップに向かうことにしている。今回は本当に予習ゼロで一夜漬けで決めたため自信がなかったが、まずは台鉄のローカル線のひとつ集集線に乗ってみることにする。台中からも何本か直通列車が出ていて、片道2時間ほどの短い旅だ。台湾のローカル線といえば平渓線以来2つ目で、ついつい乗り物好きの血が騒ぎ何はともあれ終点まで行ってみることにした。8時過ぎの台中始発の區間快車(区間快速)に乗り込み、西部幹線を彰化の先、二水まで進む。快速運転はここまでで途中通過駅もあり比較的快調にすっ飛ばしてきた。混雑してた車内もどっと人が降りていくと、一旦静寂を取り戻した。
集集線
ここから集集線に入り何となくのどかな山岳路線を想像していたが、平日にもかかわらずおばちゃんのたち団体が乗り込んできて、また違った様相を呈してきた。30~40人ほどいただろうか、パワフルな一団に囲まれ、そのうちお菓子配布タイムへ突入、中でもいちばん陽気なおばちゃんが隣り座ったのが運のつき、気が付けば自分も輪の中に入ってしまい、これでもか、これでもかといろんなものがまわってきた。もちろん、何をしゃっべてたのか知る由もなく、ただただ謝謝を繰り返すことしかできない。(苦笑)時折車窓に目を向けると、日本の風景とはちょっと違い熱帯らしく鬱蒼とした景色が広がっていた。地震で傾いたままの鉄塔、緑のトンネル、途中下車したくなる駅など、意外とみどろころがありそうだったが、落ち着いていられる状況ではなかったのがちょっと残念だったかな?そんなわけで、近くにいたお年寄りや赤ん坊連れにもお裾分けの輪は広がり、最後は手拍子ありの大合唱で締めとなった。
集集線・水里駅
まさかの展開に面喰いながらも終点車埕へ到着、ここも何かありそうな雰囲気のする観光地の駅だった。数分遅れたこともあり大急ぎで切符を買い、何もせずそのまま折り返す。すっかり静まり返った列車でひとつ手前の水里駅へ戻りここで下車集集線の列車を見送る。それにしても、どこの駅舎も見栄えがして惹かれるものがある。水里山間の町ではあるが、そこそこ賑わっていて東京でいったら奥多摩のような場所といったところだろうか?さて、ここからはローカルな路線バス日月潭へ向かうことにしている。バスに乗り継ぐといってもちょっと難易度が上がり、でも勘ははたらくもの、駅下の十字路にあるバス乗り場ではなく少し離れたところから目的のバス(豊榮客運)が出ていることを突き止める。筆談混じりで切符を購入、時刻表のコピーをもらってしばらくここで待ってるよう教えてもらった。
豊榮客運バス
やってきたのは地元系のマイクロバスで乗り込んだのは3人、町中を抜けるとあとは山道となり、片道2車線とはいえカーブが続く坂道をガンガン飛ばすのは少し怖かった。車内放送とバス停の表示があったので助かったが、どうやら降りたいときは「ほぉ~い!」と大きな声を上げるのがルールらしい。(笑)30分ほど乗ってただろうか、降車ボタンは押さず真似して「おぉ~い!」と声を上げ、どうにか無事に日月潭で下車することができた。通り沿いにある旅行センターからに向かうには、少し歩いて降りて行くようだ。帰りの足はあとで考えるとして、とにかくを見に行くことにしよう。
日月潭
ここ日月潭は、台湾南部の景勝地としては結構有名な場所だそうで、どことなく箱根の芦ノ湖を思い起こす。大きな湖にはこれでもかというほど遊覧船が行き交い、平日にも関わらず、団体さんなど多くの人が観光に来ていた。遊覧船乗り場に近づくと歩いてるだけで声を掛けられ、ぼったくられるのではないかと心配になってきたが、協定価格のようなものがあってあまり気にしなくていいらしい。とりあえず、ちゃんとしてそうなところで1日券を購入、腕に目印となるスタンプが押される。そして乗り場と、20分おきとあるが今日は15分おきに出ていることを教えてもらう。
日月潭・玄光寺
とりあえず遊覧船に乗り込み、まずは対岸へ渡ることにした。船内では大きな声で案内してくれてるのだが、残念ながら何を言ってるのか分からない。名前か分からなかったが、湖に浮かぶ小島の脇を通り玄光寺船着き場で下船する。玄光寺はここから少し高いところにあり、を見ながら階段を登っていく。水社側とはまた違った眺めを見ながらひと息ついて、船着き場へ戻ることにした。再びフェリーに乗って伊達邵へ向かう。伊達邵は、このあたりに住む原住民・邵族が暮らしている村ということで、しばらく街歩きしてみることにした。
伊達邵
伊達邵碼頭を離れ老街に向かうと台湾らしい雰囲気のする街並みが見えてきた。こういった場所は、特にあてもなく歩いてるだけでも楽しい。邵族のことが本当に分かったか?といわれると答えに窮するが、まぁ、とりあえずこんなところまで来たんだということだけでも十分満足だった。ひと通り歩き回ったあと湖の近くまで戻り、先程集集線でもらったお菓子を食べながらしばらくボーっとする。何だか動くのが億劫になってきたが、遊覧船水社碼頭引き返すことにした。水社側でもしばらく湖の姿を眺めたあと、もと来た水社旅遊服務中心(ビジターセンター)へ引き上げることにする。
伊達邵
帰りは台中まで直通の高速バスに乗り、一気に戻ることにした。もちろんこっちの方が定番ルートで、どうやら台北からも日帰りできるバスが出てるようだった。南投客運のバスは1時間に1本程度出ていて、台中市内までは2時間もかからない。バスは途中埔里を経由し、高速道路に乗ってしまうとあとは高鉄の台中駅までノンストップ、火車台中駅に到着したときはそろそろ夕方といった時刻になっていた。こうして波乱に満ちた旅はあっという間に終了、いやぁ十分楽しませてもらった。多少疲れてはいたが、折角なので近くに夜市でもないか、もう少し探索に行ってみようと思う。
日月潭
 4日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
台中・宝覚寺、彰化扇形庫、台湾鉄路/自強174、桃園
台中滞在は今日まで、チェックアウトまでの午前中を使って宝覚寺へ行ってみることにした。台中観光と言えばここ、弥勒大仏像布袋様)が有名で順番的に最後になってしまったが、ぜひ見ておきたい。軽く朝食を済ませ、まずは朝の散歩がわりに出掛けることにしよう。9時を目安に宝覚寺へ到着、敷地の外からも金色の大きな大仏様の姿が拝める。早速中へと入り本堂を見学、本当の本堂はコンクリートの建物の中にあるとのこと。そして、そのお隣の弥勒大仏とご対面、いやぁ、30mはやっぱりでかい。つい気になる裏手を見たりしてると日本人のグループがやって来て、さりげなく解説なんかに聞く耳を立てる。宝覚寺は日本とも関係が深く、戦前亡くなった日本人の遺骨も納めらているとか、なるほどそうなんだ…と、ここはありがたく勉強させてもらった。
宝覚寺・弥勒大仏像
宝覚寺から戻る途中、孔子廟忠烈祠に立ち寄ってみたが、台北のとは規模も雰囲気も随分違っていた。本当かウソか分からないが、台中は台湾の人が住みたい街No1らしく、確かにそれなりに都会だし少し離れればのどかな感じもして、気候も温暖、食べ物もおいしいとなれば、そうなのかもしれない。ちなみに台中市内路線バスは、悠遊カード(日本でいうSuicaやPASMO)を使えば8キロまで無料という素晴らしいシステムがあり、日本も真似してもらいたいところだろうか?何だかんだで時間が過ぎるのは早いもので、早めのお昼を買って部屋に戻り、汗を流してからチェックアウトすることにした。
宝覚寺・弥勒大仏像
チェックアウト後も荷物を預かってもらえたので、もうひとつ欲張ってまで足を延ばしてみようと思う。ここも記憶が曖昧だったが、おとといの自強号からもちらっと見えたので彰化扇形庫を見学しに行く。台中駅から區間車で20分ほど移動し彰化駅で下車、事前に見ておいた地図を思い起こし駅を離れてしばらく線路伝いに進み、アンダーパスを探す。数分歩いたところで線路下を交差する道路を見つけたがすごい交通量だ、、、と思ったら歩行者用の通路は別にあった。わりとすんなり入口は見つかり、記帳を済ませて敷地の中に入る。扇形庫裏手を進むとおもむろに機関車が停留していた。おお、テンション上がって来そうな予感。(笑)
彰化扇形庫
扇形庫の中は比較的自由に行き来できて、結構見学に来てる人の数も多かった。鉄っぽい人や家族連れ、怪しいコスチュームでポーズをとる人、時折日本人の姿もあり、みな思い思いに写真を撮っている。中心の転車台はもちろん現役、ごっつい機関車たちに交じって、この日は2両のSLが止まっていた。そして転車台の向こうには展望台があり、上がってみると円弧型の車庫が見渡せる。すぐ横では西部幹線の列車が頻繁に行き交い、鉄分補給には申し分ない。台湾でもこれほど鉄道に興味を示す人がいるとは思わなかったが、中でも一番嬉しかったのは、日本でも有名なCK124に出会えたこと、、、じりじりとした暑さは相変わらずだったが、その後もしばらく車庫の中を行ったり来たりして彰化扇形庫を後にした。
彰化扇形庫
彰化駅に戻り、再び列車で移動する。理由は分からなかったが區間車が数十分の遅れで実質1本間引かれた形になり、台中駅に着くまで思ったより時間がかかってしまった。駅前台中名物の太陽餅をお土産に購入、ホテルで預けた荷物を受け取り移動のため再び台中駅へと戻ってきた。台中駅もこれで最後かと思うと少し寂しい気がしてくるが、強い日差しの下、向こうで工事する様子を眺めながら列車を待つ。今日も新幹線は使わず台鉄で行くことにしている。偶然にもおととい乗ったのと同じ自強174号を予約、列車は定刻から10分ほど遅れてやって来た。
彰化扇形庫・CK124
列車に乗り込み台中駅を出発、相変わらず車内は混雑していた。おとといとは違って今日は天気もよく車窓景色がきれいに見える。この列車は山線経由で運転され、特に新線区間を130キロですっ飛ばしてくのは爽快だった。停車するたびに人の出入りがあり、利用者が多いことが分かる。北上するに連れいろいろな列車が姿を現し、流れる景色を見てるだけでも飽きなかった台中から2時間弱で桃園に到着、自強174号に別れを告げる。
台湾鉄路・自強174
高雄台中と来たので、桃園の駅前に出ると随分と都会な印象を受けた。道行く車も歩いてる人もどこか忙しなく、ほとんど台北にいるのと変わらない。明日は帰国するだけで、早朝発てば台中からでも間に合いそうだったが、余裕をもって今日は桃園に宿をとってあった。近くの大きな建物だったのでホテルには迷うことなく到着、値段のわりには随分高級なところかもしれない。無難に台北まで行ってしまうことも考えたが、結果的にこっちで正解だったかな?チェックイン後、ホテルの周囲を少しだけ歩いてみたが、普通の都会といった感じで適当なところで夕食を済ませる。手持ちの現金が乏しくなってきたが、明日のバス代だけ残し、結局、缶ビールに変ってしまった。
台湾鉄路・桃園火車站
  5日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
桃園国際空港、VanillaAir/JW102
大きなホテルだけあって朝食も余裕をもって済ませることができた。ここから空港までは桃園客運バスで向かうことになる。ホテル正面の向こう側にバス停があるのは分かっていたが、始発の停留所が2、3分歩いたところなので、そっちから乗ることにした。バスは結構本数もあり、値段も53元(約150円)とかなりリーズナブルだが、普通の路線バスなのであちこち寄ってそれなりに時間はかかる。それでも1時間もかからず桃園国際空港に到着、第二ターミナルのバス停バスを降りて、搭乗手続きに向かう。
桃園客運バス
チェックインカウンターへ移動し、さっさと搭乗手続きを済ませることにした。ちなみにVanillaの漢字名は香草航空Peach楽桃航空、なるほど、うまいネーミングだ。LCCといってもチェックインから搭乗するまで、流れはレガシーキャリアとなんら変わらなかった。出国手続きを済ませればあとはもうやることもなく、前回同様、行き交う飛行機たちを見ながら時間をつぶす。ハローキティかぁ、懐かしいな、、、あれ?Peach2号機がまたいる…。最後の最後に残ったコインは自販機でお茶のペットボトルに変わり、計算したかのようにぴったり1万円を使い切った。
Vanilla・JW102便・成田行き
帰りのJW102便は少し遅れて出発との案内が出ていた。思えばVanillaに乗ることが当初の目標だったので、随分遠回りしたような気がする。まぁ、そんなことはどうでもいい。AirAsiaJapan改め、新しいブランドで再出発したので知名度はそれほどないと思っていたが、やはりGWとあって満席に近い予約が入っていた。成田からやって来たのは白の2号機、うわさには聞いていたが、実物を見てもこれで塗装は終わり?と思ってしまう。折り返しJW102便に乗り込み、お隣りの「麻里子さま」に見送られ帰国の途に就く。(後日談:その後、同じ機材に乗る機会がありました。そのときの旅日誌はこちらをご覧ください。)
Peach・麻里子ジェット
桃園から成田までは3時間強、追い風の分だけ復路の所要時間は短い。シートピッチが狭いのは仕方ないが、新しい機体ということもあって、長時間座ってるのもそれほど苦ではなかった。行きのPeachでは食べ物にありつけなかったが、こっちではチキンココナッツカレーを注文、ビールとセットで1000円というのは良心的だと思う。復路にも関わらず十分数も揃えてあったようだし、全般的に落ち着いた雰囲気は好感が持てる。リゾートをコンセプトにこれからも路線開拓していくとのことだが、AirAsiaJapanの失敗を糧に(確かにあれはひどかった!)ぜひ伸びて欲しいものだ。(後日談:同じANA系というでしょうか、皮肉にもVanillaはPeachに合併することになりました。)
JW102便の機内食
そんなわけで無事に成田へ到着、だらだらとタキシングせずオープンスポットで降機する。Vanilla1号機を見ながら到着ターミナルまでバスで移動、なぜか自分のバッゲージがいの一番で出てきた。嫌な思い出しかなかったのでもう二度と乗るまいと思っていたが、久しぶりに東京シャトルを利用、こちらも待たずにすぐ来たバスに乗れてしまう。きちんと時計を見ておけばよかったが、タッチダウンしてから20分も経たずに成田を離れたのは記憶にない。このフットワークのよさはLCCならではなのかも…。そうならまた利用してみたいものだ。
Vanilla