■旅日誌
[1996/12] 山形よいとこ
(記:2003/5/27 改:2004/12/11)
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ここらで一度、山形へ様子をうかがいに行きたいと思っていたところ、別件で仙台に用事ができましたのであわせて話を済ませることにしました。もう少し余裕があれば、温泉にでもひたりゆっくりできたかもしれませんね。そういった意味では、今回は寸止め状態でした。惜しい…。
 1日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
福島、阿武隈急行、仙台、仙台市営地下鉄、泉中央、利府、山形
山形行きを決行するきっかけがなかなかつかめないでいたのだが、まったくの別件で仙台からリクエストが来たのでついでにまわることにしていた。ついで…というと聞こえが悪いが、そうそう簡単に出張できるわけでもないので、ふたつの用事が合わさればそりゃ行ってもいいかな?となるわけである。お金(予算?)も時間も貴重なので、何かと迷うことも少なくない。
仙台も何回か行ったことがあるので、ついつい寄り道を考えてしまっていた。地図を見ると1ヶ所空白(?)があることに気がつく。ということで、福島で新幹線を降りしてしまう。阿武隈急行のホームはJRと離れたところにあり、福島交通と同居するような形でひょっこりと存在していた。東京を発つときにも既に雨はポツポツときてはいたが、北上しても降ったり止んだりのはっきりしない空模様だった。阿武隈急行は三セク転換路線のひとつだが、JRの時代には全線開通を果たせなかった路線である。諸事情は火を見るより明らかだが、今でもJRと乗り入れが行われており、何とも皮肉な話かもしれない。入線してきた槻木行きに乗り込み発車を待っていると、大粒の雨がバラバラと降ってきてしまった。風も強くなる一方である。走り出してしまえばさほど気にはならなかったが、駅で停車している間に木々が風に揺られているのを見るとかなり強い風が吹いてるようだ。午前中の中途半端な時間にここを利用する人は少ないようで、車内はずっとガラガラのままだった。停車する駅の車内アナウンスはすてべテープで行われていたが、それぞれの駅に長い肩書きのようなものがついており、一生懸命説明してくれるのはいいのだがとても覚え切れるものではない。最後は退屈気味になってしまったが、終点の槻木駅で東北線の普通列車に乗り継ぎ仙台入りとなった。
今回の訪問先は厳密にいうと仙台ではない。地下鉄に乗り継ぎ更にその先は公共の交通手段ではたどり着くことができない場所になる。いつのことか忘れたが、仙台に出張に来ていたときに本当に思いつき程度で地下鉄に乗ったことがあったが、そのときたまたま往復した方角と逆の方向の終点まで今日は行かなければならない。そのおかげというべきか、偶然にも今日の目的地を目指すことによって仙台の地下鉄が完乗となる。仙石線が東西に延長されるということがどことなく聞こえてくるが、どうなのかはよく分かっていない。(後日談:その後、一部区間の地下化など、何かが見え隠れしてるのがよく分かりますね。)泉中央駅は北側の終点となる。嫌味な言い方をすれば、土建屋天下の宮城らしい立派過ぎる建築物だった。バス、タクシーのロータリーは立派だし、テナントビルのような駅舎は郊外の駅としては不釣合いで浮いて見えてしまう。まぁそのおかげで逸しそうなった昼食をとるができたので、そこは素直に感謝しておこう。(笑) ファーストフードで軽く食事を済ませ、タクシーで目的地へ向かう。かなり離れてることは聞いていたが、正直どれくらい距離があるのかはよく分かってない。入り組んだせまい住宅街を抜けると高速道路のような国道のバイパスに出て、あとはひたすら飛ばすだけのようだった。時速80キロは裕に越えているのだが、それでも脇からバンバン抜かれていく。これまた立派な道路だこと…。無事に目的の場所へ着くことができたが、仮に暴風雨で阿武隈鉄道で足止めを食らっていればとんでもないことになっていたかもしれない。まぁ、いつものように結果オーライとしよう。
特に滞りなく仕事の方は片付けることができた。目的は果たせたが、こうしてお互い話をする機会もなかなかないので、つい長居をしてしてしまった。とはいえ今日は山形までたどり着かなければならないので、そこは適当にタイミングを見計らって切り上げることにした。帰りもタクシーを呼び、例の高速道路もどきを引き返す。途中、車線変更しようとして隣の車と接触しそうになり思わず声をあげてしまった。ぉぃぉぃ、頼むよ…。
山形へは仙山線で素直に向かうことにする。と、その前に、仙山線のタイミングが悪いので何となく利府駅を往復することにした。少々長居をし過ぎたか、外は真っ暗である。これではお気に入りの車窓も楽しむことができない。地下鉄と仙山線は北仙台で乗り換え可能ではあったが、混雑を予想し仙台まで回っておいた。座席はいっぱいどころか通路も身動きできないほど混雑しおり、とりあえず座れたのでこうしてわざわざ仙台まで出ておいて正解だったようだ。ノンストップの快速なのだが、途中上下交換で相当待たされる感じがしていた。荒天の影響か多少遅れが出てたようで、羽前千歳に臨時停車し天童方面の列車と接続する処置がとられていた。山形駅についてようやく重い空気から解放されたようだった。
 2日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
山形、福島、福島交通、飯坂温泉
今日は朝一で現地入りして夕方近くまで仕事をしていた。入れ替わり立ち代り、いろんな人に会ったような日だった。時間が中途半端だったので行動を起こすかどうか迷ったが、折角なので福島まで出て福島交通の様子を見に行くことにする。福島駅には見覚えのあるホームから、違う意味で見覚えのある車両に乗り(余談:この後もたびたび出てくると思うが、筆者は東急沿線の出身であるため、誰がなんと言おうと弁当箱のような車にはそれなりの愛着を持っている。)終点の飯坂温泉までのわずかな距離を往復した。しまった、、、往復でなく飯坂温泉に投宿すればとっても幸せだった…かな??
 3日目
ルート概略
【寄ったところ、乗ったもの】※詳細はこちら
赤湯、山形鉄道、荒砥
今日はあまり長居できないので、半日程度寄り道してから帰京することにしていた。山形駅の駅ビルのお土産屋さんのフロアは開店したばかりで、客の姿はまったくない。忘れないうちに…と思い、職場へのお土産を今のうちに買っておくことにした。どこにでもあるような変わりばいしないものばかりだったが、職場へのお土産=お茶菓子とまぁ無難なところで収めておくとして、あとは個数と値段との相談となる。そんなことを考えながらブラブラして本当にいい加減に決める。と、お店のおばちゃんが「帰りの新幹線で召し上がってくださいな」とさりげなく一握りのあめを手渡してくれた。「あ、ありがとうございます…」突然のことに、こちらも笑顔でお礼する。いやぁ、山形は本当によいところだ。(後日談:JR東日本の何かの企画にこのエピソードを投稿したら、採用されて記念のオレンジカードをいただいたことがあります。)
澄んだ初冬の空気の向こうに見える蔵王連峰も、もう少ししたら本格的な冬化粧をまとうことになるのだろう。ローカル線ではあるのだが、標準軌の普通列車は安定度もいいようにも感る。多少のカーブに高速で突っ込んでも気持ちよくこなしていく。新幹線の停車駅はみなきれいに改装されており、赤湯もガラス張りの明るい室内が印象的だった。ここから山形鉄道に乗り換える。向こう側にちょこんといるのが荒砥行きのレールバスのようだ。三セク転換後、フラワー線と名付けられた路線は一旦米坂線と合流し方向を変えて北上する。その昔、会津街道を経由して山形まで1本道でレールをつなぐという壮大な計画もあったと聞くが、そんな様子は微塵もなく終点の荒砥も無人でどこか侘しい感じのする駅だった。遮るものも少なく、吹きさらしの平原の中をそのまま来たとおりに戻る。
再び赤湯から山形まで逆戻りする形になる。土曜のせいか下校の高校生をわんさか乗せた快速は快調に山形駅まで戻ってきた。前回山形新幹線に乗ったときは散々だったが、何か弁当でも買って、山形新幹線の車窓とともにごちそうになろう。